多重回答|SPSSの使い方

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多重回答 (MULT RESPONSE)

【用途】多重回答のグループの定義、度数分布、クロス集計を行う際に用いる。多重回答【を開く】には、変数のコード化様式が2分(複数択一(二値)方式)とカテゴリ(複数選択方式)との2種類あるので、事前に確認しておく。

【データ】ここでは、國學院大学 経済学部「アンケート調査」 2011年度「学食、スポーツ、インターネットの利用、ゲーム、自動車会社、行ってみたい国および収入と支出についての調査」【を開く】設問21 あなたが大学のコンピュータ教室以外でインターネットに接続するとき使用する機械を、つぎのなかからすべて選んでください」という二値択一型多重回答方式設問を集計する。

【手順】メニューバーの[分析]を選択し、ドロップダウン・リストから[多重回答]を選択する。

【多重回答グループの定義】〜単純集計やクロス集計の前に必ず必要!!

  1. メニューバーの[分析]を選択し、ドロップダウン・リストから[多重回答]を、その右側のドロップダウン・リストから[グループの定義]を選択する。

    22版15版
    図1 [多重回答]→[グループの定義]の選択

  2. 「グループの定義」枠の左側の変数リストから、多重回答方式の設問の項目を選択し、中間の16版以降では矢印、15版以前では(この時点では)右向きの三角形ボタンをクリックすると、選択した項目が右側の変数リストに移動する。
  3. 変数のコード化様式が2分(複数択一or二値方式)なのかカテゴリ(複数選択方式)なのか選択する。
  4. 2分(複数択一or二値方式)の場合には、[集計値]テキスト・ボックスに集計する値(通常は1)を入力する。
  5. カテゴリ(複数選択方式)の場合には、[範囲]テキスト・ボックスに選択肢の最小値と最大値を入力する。
  6. [名前]テキスト・ボックスに多重回答グループの名前を入力する。この例では、q21とした。必要に応じて多重回答グループのラベルも入力する。
  7. [追加]ボタンをクリックすると多重回答グループが定義される。

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    図2 [多重回答グループを定義]ダイアログ・ボックス

【多重回答の度数分布】

  1. メニューバーの[分析]を選択し、ドロップダウン・リストから一番下の[多重回答]を、その右側のドロップダウン・リストから[度数分布表]を選択する(図1)。
  2. 左側の「多重回答グループ」リストから度数分布をとるものを選択し、中間の三角形ボタンをクリックして右側の「テープル」リストに移動して、[OK]ボタンをクリックする。

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    図3 [多重回答の度数分布表]ダイアログ・ボックス

【デフォルトの出力】左から、多重回答グループ(または指定していれば多重回答グループのラベル)、(多重回答グループに用いた)変数名(または指定していれば変数ラベル)、指定した値の度数、回答数(○印をつけた合計)を分母とした%、回答者数を分母とした%、である。

【出力例】
 表1では、左から、多重回答グループのラベルを指定したので「インターネットに接続するとき使用する機械」、「パソコン」など多重回答グループに用いた変数ラベル、「167」など'1'と回答した応答数、45.4%=167/368*100という応答数の合計「368」を分母とする%、75.6%= 167/221*100というケース数を分母とする%が出力される。

表1  インターネットに接続するとき使用する機械(多重回答)の度数分布(21版)
$q21 度数分布表
  応答数 ケースのパーセント
N パーセント
インターネットに接続するとき使用する機械a パソコン 167 45.4% 75.6%
スマートフォン 111 30.2% 50.2%
携帯電話 76 20.7% 34.4%
タブレット端末(iPadやGALAXY Tab等) 9 2.4% 4.1%
インターネットには接続していない 5 1.4% 2.3%
合計 368 100.0% 166.5%
a. 2 分グループを値 1 で集計します。

【多重回答のクロス集計】

  1. メニューバーの[分析]を選択し、ドロップダウン・リストから一番下の[多重回答]を、その右側のドロップダウン・リストから[クロス集計表]を選択する(図1)。
  2. 左・上側の変数リストから(多重回答でない)変数を、左・下側の「多重回答グループ」リストから多重回答グループを、それぞれ行(表側)と列(表頭)を選択する。

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    図4 [多重回答のクロス集計表]ダイアログ・ボックス

  3. (多重回答でない)変数を選択した場合には、[範囲の定義]ボタンをクリックする。
  4. 「範囲の定義」ダイアログ・ボックスが開かれるので(多重回答でない)変数の最小値と最大値を入力し、[続行]ボタンをクリックする。

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    図5 [多重回答のクロス集計表:範囲の定義]ダイアログ・ボックス

  5. (%を電卓で計算したくない人は)右下の[オプション]ボタンをクリックする。
  6. 行%、列%、全体%をチェックして、[続行]ボタンをクリックする。

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    図6 [多重回答のクロス集計表:オプション]ダイアログ・ボックス

  7. [OK]ボタンをクリックする。

【デフォルトの出力】(クロス集計と同様に)セル内の度数、周辺分布

【出力例】
 表2では、図6の[多重回答のクロス集計表:オプション]ダイアログ・ボックスにて、行%、列%、合計%をチェックしたため、各セルには上から、度数、行%、列%、合計%が出力される。例えば、「男性」で「パソコン」を使用する人103人のセルについては、61.7%=103人/167人(:パソコンを使用する人の合計)*100、74.1%=103人/139人(:男性の合計)*100、46.6%=103人/221(:合計)*100である。

表2 性別のインターネットに接続するとき使用する機械(多重回答)クロス集計表(21版)
$q21*q52 クロス表
  性別 合計
男性 女性
インターネットに接続するとき使用する機械a パソコン 度数 103 64 167
$q21 内での割合 (%) 61.7% 38.3%  
q52 内での割合 (%) 74.1% 78.0%  
合計数に対する割合 (%) 46.6% 29.0% 75.6%
スマートフォン 度数 67 44 111
$q21 内での割合 (%) 60.4% 39.6%  
q52 内での割合 (%) 48.2% 53.7%  
合計数に対する割合 (%) 30.3% 19.9% 50.2%
携帯電話 度数 44 32 76
$q21 内での割合 (%) 57.9% 42.1%  
q52 内での割合 (%) 31.7% 39.0%  
合計数に対する割合 (%) 19.9% 14.5% 34.4%
タブレット端末(iPadやGALAXY Tab等) 度数 6 3 9
$q21 内での割合 (%) 66.7% 33.3%  
q52 内での割合 (%) 4.3% 3.7%  
合計数に対する割合 (%) 2.7% 1.4% 4.1%
インターネットには接続していない 度数 3 2 5
$q21 内での割合 (%) 60.0% 40.0%  
q52 内での割合 (%) 2.2% 2.4%  
合計数に対する割合 (%) 1.4% 0.9% 2.3%
合計 度数 139 82 221
合計数に対する割合 (%) 62.9% 37.1% 100.0%
パーセンテージと合計は応答者数を基に計算されます。
a. 2 分グループを値 1 で集計します。

Copyright: text 2000-2013 by Michio Ogiso, graphics by 1999-2009 SPSS Japan, 2010-2013 IBM Corp., Revised on 14. Oct. 2013

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