金野康弥君の作

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【作品集1】

 

《小学3年生》

 

 

ぼくの生きたあかし  2002年

こうや きんの

 

ぼくは こだいらようご 3年 きんのこうや。ぼくは あしも 手も 動かない。口も うごかない。なにも できない こどもだ。ぼくが できるのは 母さんに 手つだってもらって じを かくこと かんがえる ことだけだ。

ある日 ぼくが かぜを ひいて ねていると ウルトラマンが ぼくのことを じっと みつめていた。ぼくの 目が なんだか おかしい。あかい ウルトラマンの 目が そのまま ぼくの 目に うつる。こんやは ウルトラマンの あらわれる 100ねんに 1度の よるだ。しかし どうして ぼくの 前に あらわれたのか。こんな ことが あるだろうか? ぼくは おもいきって ウルトラマンに はなしかけた。

 

ぼくの こと しってるの? ぼくの こころに どうして あらわれたの?

 

ききたい ことは たくさんある。でも なにを いえば いいのか わからず こまって しまった。ウルトラマンは ぼくを みて ニッコリ わらった。そして、

 

こうやくん ぼくは ずっと 前から きみを しって いる。こんや きみの ところに きたのは たのみが あるからだ。きみの がっこうなんだが どこに あるか おしえて くれないか?

 

ウルトラマンは こんな ことも しらないの。ぼくの がっこうは 大きくて とても りっぱなのに ぼくは こころの 中で おもった。でも ぼくは がっこうに ウルトラマンが きて くれたら うれしいので おしえた。こうやの 学こうは ここから すぐだから いいのだ。

こうやは ウルトラマンの せなかに のり とんだ。そらの 上で こうやは とても きもちの よい かぜを かんじた。こうやは こんな すばらしい ながめは はじめてだと おもった。さいこうだ。こんな こと もう 2どと できないだろう。こうやは うれしくなった。しかし そらの さんぽは すぐ おわりだ。学こうは すぐ ついた。

学こうでは ともだちが きゅうしょくを たべて いた。せんせいが びっくりして いた。こうちょうせんせいが いそいで きゅうしょくを ウルトラマンに だした。ウルトラマンは もう たべきれないと いいながら たくさんたべていた。

どうしてここにきたのかきくと、

 

 たくさんの ともだちが てんごくへ いって かなしんでいる きみを はげます ためだ

 

と いって くれた。うれしかった。 ぼくは いつまでも

かなしんでばかりでは いけない。げんきを だそう。ともだちは きっと てんごくで げんきに くらしているはずだ。こんな ことで へこたれて いたなら わらわれて しまう。ぼくは つよく おもった。こんじょうだ。つよい おとこになる。ウルトラマンでしょ。ウルトラマンは それを いうために きて くれたんだね。 ありがとう。

ウルトラマンは つぎの 日 M78せいうんに かえって いった。ぼくが 大きくなって ぼくの ゆめが かなったとき、ぼくが こんどは ウルトラマンに 会いに いくよ。それまで ぼくを わすれないでいて。

(平成14年)

 

 

しろいぶどう

 

ぶどうがりをした

しろいみがぶらさがり 

ひかりを手にもつ

かがやくみが ぼくの手にのった 

ぼくのふじゆうな手に 

ひかりかがやくぶどうがのった

かがやくぶどうが 

ぼくのこころにひかる  

こころにひかる

きみももっとひかりなさい

きみはもっとひかれるはずだ 

もっとひかれるはずだ 

きみのひかりをはなて

(平成14年秋)

 

 

ささのはがゆれている

こんな日は 

うれしくて 

たのしくて

おもわずゆれたくなるのです

あなたに会えたこんな日は 

おもわずゆれたくなるのです

ありがとう 

あなたにあえて

ありがとう

(平成14年秋)

 

 

この世に生き 

この世をつたえ 

この世の美しさ 

この世のしくみ

ここに生きる  

ぼくの力で

(平成14年秋)

 

 

(さっさせんせいへ)

せんせいのかお 

やさしいせんせい 

こんなにやさしいせんせい 

ありがとう

ぼくはなにもできないのに 

いっしょうけんめいしてくれる

こんなにしても

ぼくはありがとうもいえない

心のなかでいうよ 

ありがとう  

せんせいにとどくかな 

ありがとう

(平成153月)

 

こうや さんすうがすき 

こくごがすき 

べんきょうがすき

やりたいこと たくさんある

でもぼくは 一人ではなにもできない 

どうしたらいい

こんなぼくに なにができる

ひとのため 

じぶんのため 

なにができる

おしえてほしい だれか 

だれか ぼくにおしえて

ぼく 力がほしい 

力がほしい 

ぼくの心に 力がほしい

こんなぼくに なにができる  

なにが・・・・

かわりたい 

つよいぼくに かわりたい 

あしたが見える ぼくになりたい

(平成15年3月)

 

 

 

ぼくは こんど ようごがっこうの 4年生に なります。でも ほかの 子みたいに だんすをしたり うたったり できません。もう ずいぶん まえからです。ぼくは かんじや さんすうが すきです。それだけが できることだからです。ぼくも からだを うごかし 元気に うたを うたって みたい。こんな ぼくにいても お母さん お父さんは くろうしながら そだてて くれます。ぼくには やさしく して くれます ぼくは いつも かんしゃして います

(平成15年3月)

 


 

    《小学4年生》

 

 

空にまう光の中で ぼくは生きる  

キラキラと輝くぼくがいる

うれしいよ  

光はぼくに話してくれる

こんなあしたがまってるよ

生まれたばかりのぼくなのに 

あなたはこれでいいんだと話してくれる

ありがとう

光りの中で ぼくは話す

ありがとう

ぼくの光りに生きてる

ぼくにありがとう

(平成15年4月)

 

 

ぼくのお母さんへ

 

お母さん プレゼント

ぼくからお母さんへ プレゼント

光りをあげる ぼくの光

お母さんだけに 

だいすきなお母さん 

ぼくの光あげる

元氣なお母さんでいられるように

ぼくの光 プレゼント

(平成154月)

 

 

こうやはパパといっしょに公園にいきました 

こうやのパパはとてもやさしいです

そしてとてもやさしくてやさしくてうれしです 

こうやはパパすきです

パパはこうやにいろいろはなしかけてくれました 

わからないと思っているけど

ぼくはちゃんとわかっているんだよ 

パパしごとがんばってね

きっとパパはもっと大きくなれるから 

ママにおこられないようにならないと

パパぼくはパパをずっとみてる 

ママよりもずっとパパをみてる

ゆっくりと大きくなろうね

(平成15年春)

 

 

ぼくはぼくのことをわかってくれる人を さがしてました

しばたせんせいととやませんせいにあえてから 

いろんな人がぼくをりかいしてくれるようになりました

とてもたのしいがっこうになりました 

せんせいのおかげだと思います

ありがとうございます 

これからもがんばります

(平成15年春)

 

 

光の中で ぼくは生きてる 

心の中で 光りかがやく

ぼくは 生きている 

ぼくは 生きている

よろこびで 心はみたされている 

愛でみたされている

生きているんだ 

愛の中で 生きているんだ

(平成15年春)

 

 

あたらしい友達

はじめまして 

こんにちは

ぼくはなにもできないけど 

なかよくしてね

ぼくはみんなとあそびたいよ

たくさんたくさんあそびたいよ

心の中でいつもいうよ 

なかよくしてね

ともだちになろうよ 

たのしいこといっぱいしようよ

友達へ

(平成15年6月)

 

 

こうやは四年生になった

たんにんの先生はとやませんせい やさしい先生

ぼくが家でべんきょうしてることを よくしっている

きょうはぼくのさく文を よんでくれた

きょうだけでなく 前にもそんなことしてくれた

ぼくをよくりかいしようとがんばっている人だ

こんどはとやませんせいといっしょにがんばっていきたい

いろんなことにちょうせんして たのしい四年生にしたい。

みていてきっとすばらしい四年生にするよ。

こころにのこる四年生でありますように

きんのこうや

(平成15年6月)

うれしかった

せんせいがわらった 

ぼくの大すきなせんせいがわらった

ゆっくりとおだやかに 

ぼくのかおをみてわらった

せんせいが大すき 

わらうかおも 

なくかおも 

かなしいかおも 

みんなすきだ せんせい

(平成15年6月4日)

 

 

ママのこと いつもみてる いつもみてる

ママはいつもわらってる がんばってる 

ぼくのため わらってる がんばってる

ぼくはママにささえられていきている 

元気でいられる

ママありがとう 

ぼくのためにがんばってくれて ありがとう

ぼくはママをあいしている

(平成15年6月)

 

 

きょうはとてもいい日でした

ぼくのあたらしいくつができました

いつもくつはいらないよってせんせいにいってるけど

あたらしいくつができるのはうれしいいです

よくみてごらん 

ぼくのくつは あたらしくてすてきでしょ

ぼくはいつもベージュのくつにしてます

なぜかというと

ベージュはよくやさしいかんじにみえるからです

ママもよくベージュのふくをきてるからです

ママがんばってくれてありがとう

(平成15年夏)

 

 

こうやかんしゃします 

せんせいに 

ママに

いろんなことしてくれて

ありがとうございます

よろしくおねがいします

(平成15年夏)

 

 

 

こうやのさんすうはいまひとつすすまないのだ

こうやはさんすうすきなのに どうしてかな

べんきょうのじかんが少ないのかな

ぼくはいや 

ママよくわかるようになりたいよ

(平成15年夏)

 

 

ゆっくりゆっくりいきていこう 

さきのことかんがえてても しかたない

いそぎすぎて

あせりすぎて 

みえなくなることもある

だいじなもの 

さんごのように大きくなって 

もろくなって 

おれまがることもある

みために氣をとられ 

だいじなもの みおとしてはいけない

そうです 

ここにあります 

あなたの目の前にあります 

だいじなだいじな心が

(平成15年夏)

ママとぼく

 

ぼくはママといろんなことをしてきた 

こんどはいっしょにいこまにいく

ママはとてもきれいな人で とてもやさしい人だ

ときどきおこるけど 

それはママが 1人でなんでもしないといけないからです

こうやのことをいちばんあいしてくれる人です

ママといっしょに いろんなべんきょうをしたいと思います

(平成15年夏)

 

 

ママとこうや

 

やっぱりママはきらいです  

ママはいつもぼくをおこってばかりいます

話したり べんきょうしたりしたいのに 

ひろしくんに会いたいのに

だめっていいます  

だからきらいです

(平成15年夏)

 

 

 

ぼくのからだがうごけるように 

ねがいをこめて つるをおってくれたよ

ぼくの弟が

うれしいよ  ぼくうれしいよ  

ママといっしょにおってくれたよ

 

それからいこまにいくよ もうすぐいくよ

ママと しゅんやと おばあちゃんと

どうかおばあちゃんが やさしい人になりますように

(平成15年8月)

 

 

こうやのことに くんしょうあげていいよ

こうやのこと やさしくまっててくれたママに 

やるきにさせたママ

やっぱり生きていたいと思わせたママ 

うごけるようになりたいと思わせたママ

すべてのことにかんしゃして 

ママにくんしょうをあげましょう

 

ママへ

こうやより

 

こうや心につけてあげる

こうやのこともくんしょうください

ありがとう

(2人でくんしょうのあげっこ 平成15年)

 

 

こうやいろんな人にこえかけてもらって

うれしいです

ママをよろしく 

こうやははなせません 

でもささえてくれる人がいます 

うれしいです

ぼくのささやかなのぞみは 

ママをしあわせになるよう思っています

(平成15年8月)

 

 

さくさくさく あるく

さっとこ さっとこ 

さくさくさく あるく

一人であるいていたのに 

となりに友が 

さくさくさく あるいてる

やっとこ さっとこ あるいていたのに 

二人の友が あるいてる

いつのまに 人があつまり 

さくさくさく あるいてる

みんなであるけば たのしい人生

一人であるいているよりも 

友とあるく人生でありたい

(平成15年8月)

 

 

愛する人と生きたいと 

思わない人はいない  

愛する人とあるきたいと 

思わない人はいない

なぜできないのか  

あの人に会いたい あの人に 

じぶんの運めいを 悲しむ私です

いつかきっと いえる日がくる 

信じたり 

まよったり

人を愛することをしりました

(平成15年8月)

 

 

やっとしなければいけないことを 

初めるところです  

いまぼくは 

のんのんとやります  

力をだす時です

もう初まっているけど 

やっと自分の力を出すときです

うれしいし 

そして力も入っている  

さあいくぞ

(平成159月)

 

 

ゆみちゃんがきた 

よくみてみたいけど しらない人で

でもその人はぼくをしっている人だった

ゆっくりとその人はぼくをみてわらっていた 

ゆっくりとぼくをみた

やっといった  

こんにちは  

こうやはずいぶん大きくなったね

やー うれしい

はじめまして

ぼくもうれしいよ 

やっぱりこうやはおぼえてない人

ごめんねゆみちゃん 

またきてね 

さようなら

(平成159月)

 

 

ぼくはきょうママと学校にいきます

でもぼくはとてもからだがおもくつらいです 

どうか学校を休ませて下さい

ぼくは本当につらいです

こんしゅうのよていはどうなってますか 

やすんだらいけないのですか?

(平成15年9月)

 

 

くんくんくん 

なんだかたのしいにおいだな

くんくんくん 

あそこに学校があるぞ いいにおいだ

くんくんくん 

なんだかとってもいいにおいだ

くんくんくん 

あそこに山があるぞ

心をいっぱいにするにおいだな 

とてもやさしいにおいだな

いろんなにおいが

ぼくをやさしく幸せにしてくれる 

ぼくをつつんでくれる

(平成15年9月)

 

 

ぼくはいまとてもたいくつです 

なんだかいろんなことしたいけど

することがありません

もっとあそぶことさがしてみたいです

さんすうもしました 

英語もしました

で、つぎは なにしたらいいか わかりません

きょうはたいくつです   

 

こうやのせんせいへ

(平成15年9月)

 

 

きょうぼくは学校をやすみました 

たくさんねました

ぼくがねていると ママはしごとをします 

ぼくとねていればいいのに

ママはいつもしごとをしています 

とても大変です

(平成159月)

 

 

さくさくさく あるいていた 

やっとこさっとこ あるいていたのに

やくやくやく 

さくさくさく 

だれかがとなりであるいてる 

さくさくさく 

やるかな  

やるよ ぼく やっぱり 

さくさくさく 

もういいかい  

まだだよ  

ぼくはそろそろいきますよ

さくさくさく 

つぎにいる人だれかな

さくさくさく 

あの人ぼくのあいする人

さくさくさく 

ぼくのあいする人は 

いっしょうけんめい ぼくをみてる

もういいかい 

ぼくのあの人 だいすき 

(平成1511月)

 

 

春になったら 

花がさきます 

さいた花は 

ママにあげます

ママは 花がすきだから

(平成1511月)

 

 

ぼくはいまとても元気です。

ゆめが一歩げんじつになりました。

もう一歩です。

ママ ぼくはぜったい歩いてみせるよ。

(平成1512月)

 

 

きょうはとてもたのしかった  

くるちゃんはとてもかわいい

ぼくは1年生のときからくるちゃんがすきだ。

目がくりくりしているし、わらっているから

そのうちきっと病気もよくなるよ。

ぼくもかならずよくなる  

いつかいっしょにあそぼう

 

くるちゃんへ

きんのこうや

(平成1512月)

 

 

みんないない 

ぼくはちょっとつまらない

きょうはなにもしなかった 

ぼくのみんなかな よろしくね

かみさま 

(平成1512月)

 

 

ママ かなしまないで 

ぼくはそのうち歩くから

いまはあるけないけれど 

ぼくはぜったい歩くから

ママ だいじょうぶ 

ぼくはママに愛されて生きている

もうママにもらえるものないくらい

ママにあげるもの 

ぼくの生きているすがた

そしてきせきを見せる 

かならず かならず 

あいするママにみせてあげる

そしてもっとあいして 幸せにする 

ママ もう少しまってて

(平成15年冬)

 

 

もうすぐクリスマスです

ぼくはサンタにほしいものをたのみたいです 

ママしていいでしょうか

サンタサン 

ぼくにあるける足をください 

ぼくにつかえる手をください

ぼくにしゃべれる口をください 

力をください

力のある人間になりたいです 

ゆめです 

ください

のこりの人生をおもいきり動いてみたいです

(平成1512月)

 

 

こうやのことを

いちばんすきといってくれるママ 

うれしいよ

(平成1512月)

 

 

こうやきょう手つだいしたの

パパとかいものした そしてかってきた

ママぼくいろいろできるよ 

そうでしょ そうでしょ

ママもっとやるよ

こんどは手でペンもつ 一人でだよ

ママいなくてもかけるから 

せんせいもきっとよろこぶ

そうして パソコンでさく文して 

しばたせんせいよろこぶ

そして ざいをして ハイハイして 

そしてつたいあるきして 1人であるくよ

中学になったときにはできる

いまからペンをもつ  

たのしみにしてて

(平成1512月)

 

 

今日はやっとがくげい会がおわった  

つかれたやっと

少しできないとこもあったけど 

まーまーいいだろう

こんどはもうすこし  がんばりたい

ママみてくれたかな       

(平成15年)

 

 

こどものころ

 

こどものころ ぼくはびょうきになりました 

ぼくはなにもできません

ただ1つ ママとだけできます 

ママとだけ ペンで(心で?)話します

(平成1512月)

 

 

ママ大すき  

パパ大すき  

こうやは二人のこどもでよかった

ママのままいてね  

パパつよい人でいてね 

パパはぼくのお父さんだから 

ママゆっくりしてて  

ぼく かならずママのたすけになるから

ぼくかならずゆめ かなえるから

(平成15年)

 

 

かかしのこうや 

 

さみしくいきてる かかしくん

ぼくとおんなじだね。

ぼくもうごけないんだ

きみとおんなじ

でもぼくに 光がみえる

光がさしてる

きみには見えるかい 

この光

きみにもとどけ 

きぼうの光

(平成15年)

 

 

かかしのこうや 2003年

 

岩手県の 山おくに 小さな 村が あります。田ばかりの村です。田んぼには いくつも かかしが たっています。かかしの なかに とても ちいさい かかしが あります。その かかしの なまえは こうやと いいました。こうやの からだは かかしの ように うごかない。くるまいす 生活を しなければ いけない 子だったのです。

こうやは なきました。なん日も なん日も 朝から ばんまで かなしみの 日を おくり とうとう かかしに なって しまいました。

それから なんねん たったでしょう。かかしに なり 心を なくして こうやは 毎日 たんぼに たったままで 生きて いました。かかしの こうやが もう だめだ このまま しんでしまうと 思ったとき どこからか クウガが やって きました。

 

かかしよ なぜ ないている こころの なかで。ぼくは かかしの きみを 見るのが つらい わらって くれないか。ぼくに できる ことは ないのか。

 

かかしの そばで クウガは 話しかけました。なん日も なん日も。だんだん 寒い 日が つづいても そこから はなれませんでした。

かかしは クウガが だんだん すきに なりました。そこで 二人は 少しずつ 会話を するように なりました。本当は 自分は 人間だと いうこと、でも たって あるけないこと、かなしくて かなしくて なきつづけて いる うちに かかしになってしまったこと。いろんな はなしを しました。クウガは それを だまって ときどき なみだぐんでくれました。こうやは こころから クウガの やさしい 心に かんしゃしました。

どうしたら もとの こうやの すがたに もどれるのか もどりたいと 思いました。クウガと こうやは なくのを やめました。ないて いては いけない。もっと 元気に なろう。もっと 楽しいことを しよう。

そこで 海に でかけることに しました。クウガが かかしの こうやを だいて 海まで ひとっとび。海は たいようが てり すがすがしい かぜが ふいて います。木が しげり うつくしい 花が さいて います。

クウガが かかしの こうやを だいたまま 海に 入りました。こうやは はじめて 海で 手や 足を のばしました。とても かかしとは 思えないぐらい しなやかに うごきます。こうやは うれしく なりました。

 

クウガ みて。 ぼくの 手や 足が うごいてる、どうして。

 

クウガが いいました。

 

きみの 手や 足が うごかないのは きみの 心の せいだったんじゃないかな。きみは 自分で うごかないと 思って 自分の からに とじこもって しまって いたんじゃないかな。

 

二人は わらって いました。もう かかしの こうやじゃ ないね。海は 二人に あたたかい 風を おくりました。

(平成15年)

 

 

ママへ

 

ぼくのママの手は

あつい 

ママの手は

やさしい 

ママの手は

つよい

ママの手は

ぼくにはなしかける 

だいじょうぶ 

だいじょうぶ 

元氣になるよ

ぼくはママの手に 

ありがとうとへんじする

(平成16年1月)

こうやのこころ

 

こうやはしっている 

ママがないてたこと

ママがさみしかったこと 

しっている

ママがかなしいと 

ぼくもかなしい 

ママがさみしいと 

ぼくもさみしい

ママがぼくで 

ぼくがママだから 

今がすき 

ママのいまがすき

ママは笑ってる 

やさしい目で 

笑ってる

ママはぼくを見て 

かなしいかおをしなくなった

だからぼくは  

しあわせだ

(平成16年1月)

 

 

しあわせのいみ

 

みんなぼくをかわいそうとか 大変とかいうけど 

ぼくは不幸なんて思ったことない

ママがそばにいる 

いつもぼくのそばにいてくれて 力になってくれる

しあわせだと思う  

ぼくはあいされている

それなのに ぼくを不幸といえるのか  

ぼくはこの世で 一番幸せなのに

(平成16年1月)

 

 

こうやはゆめでママにいったよ

もうママいいよ 

ぼくはやるから 

ぼくママにゆるす

 

 

今夜ゆきになるよ ママがいう

あたたかいへやにぼくはいる

雪にだってママがいる  

ママのあいでゆきはちる

ぼくもママをはなれて  

雪のようにとびだす

空をとびだす 

空に大きなゆめを見る

(平成16年1月)

 

 

ママへ

 

ママ きょうママがかったそうじき いいよあれ

それにぼくのプリンもおいしそうでした  

ゆめでプリンを食べました

こうやはプリン食べたいです

それからゆめでレストランで食事をしました 

こうやはうれしいです

ママもいました 

パパとしゅんやもいました

ママのゆめのつづきみたい

(平成161月)

 

 

ゆめをみたよ  

ママとあるくゆめです

ママがわらった 

ぼくもわらった

しあわせでした  

ゆめのなかも

(平成161月)

 

 

こうやこの人にいう 

あなたせいじかになってなくのよくない 

ないてもなにもならない

あなたなにしたい 

あなたつよくなければなににもなれない

しんごうは赤になっているよ

(古賀議員をみて 平成16年)

 

 

こうやはどんなゆめみれるかな  

あの子のゆめみたいな

きっとたのしいゆめになるだろうから

あの子とずっとあそびたい 

あの子とずっとはなしたい 

ゆめのなかで できるといいな

いいゆめ きょうもみてみたい

(平成16年2月)

 

 

   耳

 

ママの耳 かわいいね  

ママの耳 かみにかくれて わらってる 

かみにかくれて ないている

ママのみみは やさしくて 

ぼくの話しをきいてくれる

ママのみみ いつもやさしくしてくれて ありがとう

 

 

 

ことり

 

ことりよ 

君は幸せか  

とりごやの中でないている

ことりよ 

君は幸せか  

えさをもらい 

水をのみ 

なにひとつ 

自分ですることがない  

君はそれで幸せか  

君のできることは なんだ

まるで ぼくとおなじ生き方で 

かなしいくらい 

うつくしい

君を見るぼくもまた 

いいようのない 

きもちだよ

(平成16年2月17日)

 

 

ことり

 

ことりの羽で とびたいよ  

その羽 ぼくにちょうだい

ぼくも 空をとび  

いろんな国を まわりたい

いろんな国で ともだちつくり  

日本一 ともだち多い 

子供になりたい

こんなことかんがえてる ぼくの

手も足も 動かない

心だけが一人 動きだす

(平成16年2月17日)

 

 

かみさまへ

 

ぼくは手足が動きません  

早く動くといいなと思います

でも動いたら 

ぼくは変わってしまうようで 

少しこわいのです

ぼくが変わったら 

やっぱりみんなも変わるのかな 

少しこわいです

かみさま こんなよわむしで 

じぶんでもいやになります

ぼくは いま 不安でいっぱいです

(平成16年2月26日)

 

 

やくそくこめる心さけび 

ぼくは 自分にとう

これでいいの 

このままで 

あきらめるのかい

こわいのかい 

さみしいのかい 

なにをかんじているの

ひとみしりな もう一人のぼくは 

なにもこたえられない 

なさけないやつで 

あきれる

(平成16年3月)

 

 

5月の風

 

みどりかがやき 

しずかにながれ 

ながれ 

わかいめ 

ふき出す

あたらしい 

ステージのあいず 

君は 

きずいたのだろうか

(平成16年3月

 

 

大空にとびだす 

小とり  

みどりの光り 

目にうつり 

えいえんのその 

さがすために 

今とびだす

(平成16年3月

 

 

さくら

 

さくらさく

春の日を 

まだかまだかと

まっている

さくらのさく日 

ぼくは一つおとなになる

さくらの花とともに 

大人になる

不安とよろこびが 

心の中をかけめぐる

ぼくはその日を 

まっている

(平成16年3月)

 

 

ママへ

 

ぼくのゆめ 

ママにあげる 

いっしょにみよう 

ぼくのゆめ

ママを見てわらうと 

ぼくを見てわらうママ

かみさまにかんしゃしよう 

ママに会え

(平成16年3月)

 

 

ママ さくさくさく 

あるいてる

あっちも こぶ 

こっちも こぶ

ころびそうになっても 

ママ さくさくさく

かならず元氣をとりもどし 

ママ さくさくさく

ゆっくりあるき 

えがおふりまき 

ぼくを見ている

ママのかお

ママ さくさくさく 

ごくろうさま

(平成16年3月)

 

 

ママ いっしょにあそんで 

ママ いっしょにおはなしして

ぼくはいつもママをみてる 

ぼくはいつもあいしてる 

ママのためにいきている

いままでも 

これからも

(平成16年3月)

 

 

こくごとさんすうと りかとしゃかいと 

いっぱいできる きみたちがしらないことを 

けいけんしながら生きてる ぼくを 

うらやましいと思う人が 

いつかきっとあらわれて

心のこうりゅうできる日が くるよ

(平成16年3月)

 

ままへ

 

ぼくが歩いても しあわせになれるのかな

ママはぼくが歩くの みたいっていってたから 

そうなればいいと思ってた 

でも歩いても幸せになるとはかぎらない 

こうや歩いてしあわせになることできるの

こうやもうしかしたら

もう歩けないかもしれない

そしたらママつらいかな  

ママさみしいかな

ママゆっくりかんがえて 

ママこうやはもうなやんでないよ

これはやっぱりかみさまに おまかせしよう

ここまでこれてよかった 

うれしい

ママといっしょに しんきこうしてく

それでいいから  

それでしあわせ

(平成16年3月)

 

 

こうやはいままで

ゆっくりじぶんのためにしてこなかったから

少し自分にしようと思ってて  

こうやゆっくりやっていくよ

ママほんとうにありがとうございます 

ありがとうございます

このままゆっくりと しんきこうしていきましょう

このままいっしょにやっていきましょう

(平成16年3月)

 

 

ママへ

 

あいしてるよママ 

おこっても 

わらっても

ママはいつもぼくを思ってる 

ありがとう

ぼくはとてもしあわせで 

ぼくはとてもまんぞくで

いきていることが 

ゆめの世界にいることで

本当のぼくは

ちがう世界でくらしてて 

ぼくはママと

ゆめの世界にまよいこんだ

きっとゆめがさめるころ 

ぼくは生きることをやめ

(平成16年3月)

 

 

こんにちは 子とりさん 

きみは子どもなの 

おとななの

小さいとりで 

ことりかな 

子どものとりで 

ことりかな

どっちでもいいのか

ことりさん

(平成16年3月)

 

 

ぼく 力 アップ  

この日くる まってる 

この日のため 生きてる

この日 かみがぼくを生かしているのは

この日がくる 

そして この日から

ぼくはかみのために生きる

ママのためでなく 

かみのためです

(平成16年3月)

 

 

こうやみえるよ 

あしたが 

花さいてる 

ぼくのみらい

うつくしいちきゅうに 

うまれてきた

さくらさくこの日本で 

父、母に出会えて 

弟と話し合える

ぼくは生きていると 

心から思える

ぼくの体は 

動けないけれど 

心はいろんなことを 

かんがえて

心は少しずつ 

大きくなっている

心が大きくなると 

本当の自分がみえる

体が動かない分 

心が動く 

だいじなものがみえる

人が本当に

(平成16年3月)

 

 

ぼくは 体が 不自由です。でも 考える ことは できます。感じる ことも できます。ぼくが 自由に 動いていたら 感じない ことも 不自由だから わかる ことも ぼくは きずきました。ぼくには 父と 母と 弟が います。けんかも あるけれど、一生けんめい やって います。すばらしい 人だと 思います。

ぼくは この 家族と いっしょに 生きて います。ぼくの 生きる いみを さがしながら きっと みつかる はずだと しんじて・・・。

ぼくを おうえんして くれる 父 母 弟 友人の ためにもぼくは ぼくの 生きる いみを さがし つづけ 生き つづけて いきます。ぼくは ここで 光り かがやく。

(平成16年3月)

 

 

 

 

さくら

 

さくらさいて 

ぼくは 初めて見るわけじゃないのに 

まだかまだかとまっている

さくらがさいたら 

おとなになる  

一つおとなになる

ぼくはさくらといっしょに 

おとなになる 

一つおとなになって 花がさく

花がさいて 

おとなになる

(平成16年3月)

 

 

さくら

 

さくらさく その日を

まだかまだかと まっている 

花がさいて 

ぼくは一つおとなになる

花がさいて 

ぼくはおとなになる

早くその日がくればいい

不安とよろこびが

心の中をかけ回る

(平成16年3月)

 

 

ぼく大倉くんと本よんでたのしかった 

いい人だ ゆめみたい

ママも大倉くんが大すきになった 

ありがとう 

またきてください

よんでよ 本を  

ママよりぼくのほうが 大倉君をすき

(平成16年3月)

 

 

ママいらいらしてるよ  

こんどママにこうやからプレゼントしてあげる ママに

もっとたのしいからね 

まっていてください

こうやはきょうとてもたのしかったです 

ママのおかげですよ ありがとう

(平成16年3月)

 

とやませんせい

 

ぼくきょうバザーのてつだいした 

たのしかった 

おもしろかった

ゆっくりしてよかった 

またやりたいです

(平成16年)

 

 


 

    《小学5年生》

 

 

ママへ

 

あいするママ 

ぼくはなにもできないけど

ママといっしょに 

いっしょうけんめい いきてるよ

ママがいきるように ぼくもいきるよ

人を愛して 人を信じて 生きるよ

ぼくはママがいてくれるから そうできる

ママがいてくれるから 

これからも いっしょに生きようね

ずっと ずっと 

(平成16年4月)

 

 

こうめい 光明なお母さん

ぼくはうれしい 

この母でよかった

あなたの光りが 

いろんな人にとどいて 

幸せの音がきこえてる

この音楽に 

ぼくはふるえる

もうすぐあなたに聞こえるはず 幸せの音 

いっしょに聞こう 

幸せの音楽を 

(平成16年4月)

 

 

ママしってた  

しらないよ

さくらの花きれいでした

もっときれいにさこう ぼくの花

こうや 花しってる  

花は心にさく

このごろはさきそうになってて

この前ママが 

さくらこのままちったらなにもなくなるから

さびしいんだっていったけれど

ちったら

土のえいようになって 

むしのかくれがになって

やくにたつんだよ

こうや きっと花さいて 

土のえいようになって 

やくだつ人になるんだよ 

しろい花だよ  

ママとしろい花になりたいな

(平成16年4月)

 

 

ママへ

 

このごろママへん 

このごろママ少しおこっている 

このごろママなやんでいる

ママがんばって

つかれてる  

おちこんでる  

つかれてる  

ないている  

さけんでいる

心の中で  

ぼくだけわかる ママ

                                                        (平成16年4月)

 

 

 

さみしい人よっといで 

ぼくはさみしい子供です

ともだちあんまりいないけど 

やさしいママとかみさまがいる

よかったらしょうかいしよう 

きっと幸せの道じゅんをおしえてくれるはず

光りがみえたなら 

耳をすませてごらん 

心の声がきこえてくる 

あなたの道がみえてくる

(平成16年4月)

 

 

ぼくは5年生になりました

もっともっとたのしいことして 

元気でがんばって 

大きくなっていきたいです

ぼくのできること 

せいいっぱいやって生きてる

よろこびかんじていきたい

人をあいして 

人からあいされて 

たくさん思い出つくりたい

(平成16年4月)

さくさくあるく 

いろいろあるいて みつけたのは

ぼくの心と

思いと きぼう

こんどはなにをみて 

なにをかんじて 

なにをしよう

さくさくさく 

ぼくはいろいろあるいてみたいのです

(母「いい詩ができたね」)
でしょう

いま思いついてかいたよ 

さくさくさくシリーズですよ

こんどはもっと元氣なやつにしようと 

さくさくさくです

(平成16年)

 

 

さくさくさく 

もう一どあるこう  

さくさくさく 

いいことあるよ

さくさくさく 生きよう

一人じゃない 

こんなすてきな山があり 

川があり 

森がある

ぼくのなかまがまっている  

ぼくのやさしいりょうしんと 

きょうだいがまっている

(平成16年)

 

 

このけしき 

さくさく かんがえてて

さくさくさく みんなの心で  

さくさくさく ぼくは歩いている

さくさくさく みんなの心にかんしゃする  

さくさくさく ぼくが花ひらくまで

さくさくさく 歩きつづけよう  

さくさくさく

(平成16年)

 

 

こうやはいまとてもしあわせにくらしています

こうやはいまたのしくくらしています 

こうやはいまきぼうでいっぱいです

もうぼくはなにもない 

うつくしい心だけです 

ゆめのようです

やりました 

ゆめのような うれしさです

もういいんだ 

自由になって 自分のやりたいこと

することができる

こうやもかぜひいてるかも 

かぜはうつるから かくのおわり ねます

(平成16年)

 

 

ぼくのママはとてもきれいです 

心もすがたもきれいです 

だからぼくはうれしいです  

スカートはいてほしいけど 

車いすなので ズボンです

やめたいです 車いす  

ぼくがあるけたら 車イスでなくていいのです

ぼくあるいて ママスカートになってほしいです

こうやかならずあるけるようになって 

ママにスカートをプレゼントしたいです

(平成16年5月2日)

 

こうやはいまとってもうれしいです

ぼくをわかってくれる人 

信じてくれる人 

たくさんできて

ぼくは少しずつうごいていく 

流れていくようです

(平成16年5月)

 

 

こうやくんはもうすぐたんじょう日 

ママがケーキつくってくれるよ うれしいな

そしていっぱい本かってもらっていっぱいよむよ

ぼうけんものがたりとりょこうものがたりと 

ワクワクするのがいいです

ママいっぱいかって下さい

(平成16年5月)

 

 

おとうと

ぼくのおとうと、ママにあまえることがじょうず

パパにあまえることがじょうず

ぼくのママとパパなのにいつも1人じめにする

この前、ぼくはないていた

ママもパパも しゅんばかりとはなす

ぼくは1人ぼっちだ

ぼくは1人でお話しする

もう1人のぼくと

さみしいね

今日はたのしかったね

こんとどこいきたいの

なにしてあそぶ

もう1人のぼくはいつもおなじ答え

つまんないよぼく

ちがうぼくいないかな

おもしろいぼくいないかな

ゆめに出る友達は わらってる

でも本物の友達は ないている

ぼくいまどこにいるの

ぼくなにしてるの

わかんない

しってること 1つもつかえなくて

いつも1人でぼんやりしてる

ぼくなにかしたい

生きてる感じってどんな感じ

かんじたい

たいけんしたい

本当のぼくは どれですか

こんどぼく生きかえったら 

元気な体で生きぬいて 

勉強して 

サッカーして

友達たくさんつくって

大人になったら

仕事して

旅行して 

いえたてて

すきな人とけっこんしたい

ぼく1つもできない

やりたいことも
やってみたいことも

ぼくはどうして生きてるの

生きてなにできるの

ぼくいつまで1人でいるのかな

ぼく1人でなにすればいいのかな

1人でなにできるのかな

おしえてくださいよ かみさま

ゆめ ぼくのゆめ わすれそう

                                          (平成16年5月)

 

 

こうやきょうとてもつまらない 

ママもパパもしゅんやへなんかいっている

わかんない 

ママもパパもおこってる 

へん わかんない

こうやつまんない 

こんどよくきこう

ママこわいよ  

パパもこわいよ  

ママとてもこわい

(平成16年)

 

 

世界

 

これからぼくは大人になる 

ゆっくりと 

ゆっくりと

母のくれたあいが 

強く大きくしてくれた。 

ぼくは大人になる 

この愛を自分だけでなく 

世界にむけ 

とびはなち

ぼくはしらない世界に

たびたつ  

いまたびだつ

(平成16年5月)

 

 

空にひろがる星たちが  

ひそひそとはなしはじめている

きみはどこの戦地だった  

みかたかてきか  

わらいながら話す

空の上では 

てきもみかたも  

かねもちもびんぼうも 

かんけいない

みなおなじ星の交わりになる

いかりにくしみをもたず 

愛する心だけが

光りになり 

地上をてらす

愛の光は 

苦しみ生きる者をてらし 

希望の心をやどす

わずかな幸せを 大きくさせる

さばくのような土地に

水を与え 

人々を生きながらせる

この世の命がきえたとき  

また星がきらめき 

町をてらす

(平成16年5月)

 

 

あし

 

土につけよう 

あしのうら

おぼえているかい 

あしのうら

土のかんしょく 

土のにおい

むかし ぼくらは 

仲よしだった 

いっしょにあそんだ

土は 

かたく 

やわらかく 

冷たく 

あたたかった

いつからかんじなくなったのか 

ぼくはおぼえていない

いつかまた

仲よしになりたいよ 

土のあたたかさ 

かんじてみたいよ

(平成16年5月)

 

 

こんのかみ 

 

こんのかみ ゆかにおとす

こんいろ ゆかでなく 

わたしは いろがみ 

つるを おってください

きいろやあかは

すぐなくなるのに

私は人にすかれない

私はつかってもらえない

さみしくて

かなしくて

どうか私を えらんでください

あなたのやくに たちたいの

あなたのよろこぶかおが みたい

私はこんのいろがみです

私だって

あかやきいろにまけないかがやき

もっている

私をどうぞつかってね

(平成16年5月)

 

 

そよかぜ

 

そよそよと

部屋の中にやさしい風

ないていたぼくのほほをくすぐる

ぼくをなぐさめてくれるの

やさしい風

ぼくはいつもだれかになぐさめられ

強くなる

たすけてくれ

生きている

ぼくは人になにできるのかな

やさしい風が しぜんの動きなら

ぼくも 自ぜんの動きになるのかな

ぼくは しぜんの生き物なのかな

(平成16年6月11日)

 

そう むかし さむい くにの 王さまは 毛皮の ふとんに くるまって ねて いました。王さまの おきさきは とても さむがりやで、2、3まいの 毛皮に くるまって ねて います。その とし その国は とても さむく 町の人は ふとんが たりず こまって いました。こんな 国を いやがり 町を でていく 人も 多ぜい います。しかし 王さまは 町の 人を たすけようと せず、じぶんだけ あたかい へやで ぬくぬく くらして いました。それを しっている かしんたちも 王さまを けいべつして しろから でていく ものも います。王さまが きずいた 時には もう 町の 人も かしんも 1人も いなく なりました。どうする ことも できず 食事も 一人では たべれず たくさんの 毛皮を きたまま しんで いきました。たくさんの こうかな ものを もって いても ひとりでは 生きて いけません。たくさんの 友人が いれば わずかな お金でも たのしく くらして いけます。いきると いうことは、すべての 人に、わけあたえ すべての 人に あたえられ つながって いく ことで 感じられる あたたかい 感情で、一人では 感じることはできないのです。一人では いみのない ものなのです。

(平成16年6月11日)

 

 

 

 

みんなのかお

おぼえてかみにいう

あのなかの一人でいいから 友だちになって

ぼくの話しきいてくれる子がほしい

あいての話し きかせてほしい

やっぱり一人でいるよりも 友だちがほしい

ぼくをへんとおもわない おなじかんがえしてる子がいるよね

この世にも

かみさま ぼくにともだちください

ぼくゲームしらない サッカーできない つまんない子ですか

ぼくどうして友だちできないのかなー

とてもやさしいママや先生いてもぼくはさみしいのです

このこといいましょう 世界にむけて

一人ぐらいはいるかもしれない

ぼくをすきといってくれる友だち

(平成16年6月16日)

 

 

さらさらさら

ようこそ風さん

ぼくの家にきてくれて

ぼくは自分であるくことできなくて

きみに会いにいけないの

きみはとてもやさしくて

会いたいときにきてくれる

友だちみんながそうだったら

ぼくはとてもうれしいのに

(平成16年6月17日)

 

 

こうやくん このまましぬな

なぜなら 大すきなせんせいが がんばってるし

大戸せんせいがぼくをみてるから

神さまは人を作る

ぼくのからだはうごかないぶん 心をくれた

かんじる心 そだつ心

ぼくはうれしい 

ママにぜんぶしてもらうのはかなしいけど

ママはゆっくりぼくを守ってくれる

あせってもしかたない

ママもきっとそう思ってるよね

ママありがとう

ぼくママにいっぱいおれいいう

ママいつもわらってる

ママ、いつもなにかかんがえておはなししてくれる

こうやにもしゅんやにも

やっぱりママすてき

ぼくもすてきになりたい

ママもぼくみたいに ゆっくりやすんでね

のんびりして

(平成16年6月22日)

 

 

さくさくさく

ゆめのなかでもさくさくさく

ぼくのゆめさくさくさく

ぼくの心もさくさくさく

いったりきたり

さくさくさく

ママといっしょにさくさくさく

二人でやるならこわくない

ママにたすけられて

さくさくさく

(平成16年6月)

 

 

こうやくん こうして べんきょうが できるのは ママのおかげです。ママ いてくれて ありがとう。こうやは ママひつようです。

でも ママが いないと なにも できないのは いつまでかな。ママでなくても できる 人 いるかな。ママは ぼくにとって ひつような 人だけど ぜんぶ ママでは ぼくの 心も ママの 心も 成長して いかないんでは ないかな。

ママは このままで いいの。ぼく 少し わかんないよ。こうや、どこかを ほかの 人でも いいと 思ってる。こうや ママにばかり あまえずに ほかの 人に たのんで みても いいと 思ってる。

こうや 生まれて よかったよ。ママ、ぼくを あいして くれて ありがとう ございます。ぼくの ことを もっと そとに だして ください。このまま やってったら、あまえんぼうの よのなか しらずに なって しまうかも。いい しを かく ためにも、ぼくを 人に まかせて みて ください。ぼく、ぜったいにたのしんで ママが みたいって いってた えがおを みせるよ。

ママ、ぼくは ママ 大すき、ママに あいしてるっていって もらえると うれしい。ママ、こうやはね、ママにいつまでも 元気にしてて もらって、やっぱり ずっと いっしょに いたいんだよ。

サンキュー、アイラブユー、やっぱりえいご かっこういいねー。こうや えいご ならいたいなー。こうや べんきょうして、ママ しあわせに して みせるよ。

(平成16年6月)

 

 

 

 

さいごに、この文集をいっしょうけんめい作って下さりありがとうございます。

ぼくは生きているすばらしさ、かなしさを自分なりにかんがえて詩を書いています。やはり、ぼくのような人間はどう表げんして生きていけばいいのか私はわからずにいます。これは自分の表げんの途中です。ぼくのこれからがどんなものか予そうもできません。でもこれからのぼくを詩にのこしたいと思っています。たのしいことも悲しいことも神のプレゼントと思いうけいれようと思います。

この詩をよんでなにかを感じてくださった人がいたら、ぼくは幸せです。ぼくの母はいまとても輝いています。ぼくも母にまけず輝こうと思います。

柴田先生、外山先生ありがとうございます。このままぼくの理かい者でいて下さい。

8月25

 
【作品集2】
     《2004年夏〜2005年夏》


 

海のあこがれ

もっていて

ぼくの心は

海そのもの

ぼくはもうすぐ

涙を流し

海にむかって

なくだろう

このままぼくは

なくだろう

あなたの大きさに

あなたの深さに

あこがれていた

海の青さに



 

さらさらと

ながれるみず

光をあび

夏のぼくらを

かがやかす

さらさらと

おちる太陽

光をあび

かがやくぼくらを

あつくする

ぼくらは

心の中でさけぶ

生きてるんだ

力のかぎり

生きてるんだ!! 




  ママへ

 

ぼくのママ

 いつも かみのけ きになる

ぼくのママ

 いつも くつ下 気になる

ぼくのママ

 いつも セーターの色 気になる

ぼくのママ

 いつも ジーンズ 気になる

ぼくのママ

 いつも 子供の心 気になる

やさしいママです



 

私はいつもないていた

歩けない、話せない、自分では何もできないと 泣いていた

そんな私をおこったのは母でした

しっかりしなさい 

あなたにもやらなければならないことはあります

どんな人でもやらなければならないことはあるはずです

ぼくも考えた 

たくさんいろいろ考えた

そして思った

やれることはなんでもやろう

わらうこと なくこと たべること 書くこと

たくさんはないけど 

いっしょうけんめい心をこめてやってみよう

人にしてもらったことはかんしゃしよう

いえないけれど心の中でありがとう

心の中で言えたなら 

それで自分によく言えたよかったと

自分の成長をよろこぼう

ぼくは一人ぼっちではなくて 

いろんな人にささえられ生きている

そのことをわすれずに

元氣でいられることにかんしゃして 

うれしいことに感じられる

そんな人でいることで 

自分は生きるかちみつけたい

ぼくがなぜ生まれ生きていくのか

かならずこたえあるはずだから

いっしょうけんめいさがしていきたい

ぼくをしかった母のためにも              



 

そらの青さがまぶしくて

ぼくはおもいきり目をつぶる

きのうの空よりも

青さがこい

すこしづつ

ぼくも大きくなる

氣ずかなかったけれど

ぼくも大きくなる

あのくものように自然なうごき

かんしゃしよう

今のぼくに

かんしゃしよう

ぼくの春に



 

山にふる

夜 星

やみの中に光る

粉 輝く

ぼくは一人

どちらに行けばいいのか

おしえて 光る星たち

ときどきみえなくなって

さまよう心

どちらかがやるべき道

神の心

星たちに

心 といかける

明るい道に

ぼくをまねき入れる

粉の星



 

さらさらさら

雪がとけて 

しずくたちのあまり水の池

すきとおる

まるであの人の心のよう

池は大きくなり

かすかな音

さらさらさら

まるであの人の心あふれるように

心あふれ流れ

大地にふりそそぐ

大地ははるのめぐみにかんきをあげ

いっきに芽ぶく

まるであの人の心のように

花や木がいっきに成長する

このときをまっていたと言うばかりに

さらさらさら

風がふき 

雨がふる

いまかいまかと

まっていたかのように

まるであの人の心のように

きせつは流れる

さらさらさら

千年、二千年と

とき(時間)は流れつづけていく



 

ゆめのこみち

トコトコトコとあるく道

水路のわきをあるきます

トコトコトコと

林の中をあるきます

お母さんもこの道がすきなの

ぼくもすきなんだ

いつもいっしょにあるいてくれてありがとう

これからもいっしょにあるこうね

お母さん

これからもお母さんをあいしていくよ

ぼくのお母さん



 

大風(たいふう)の前のしずけさも

あとのしずけさも同じように感じたら

それはまちがいです

このごろいろんな風にこころがうばわれていて

この風いいなと思い

ぼくも風にのってどこかにいきたくなります

この風南行きですか?

ぼくをのせてくださいませんか

この風きれいなゆうやけ色で

とっきゅうです

のりません

ぼくの心風にのりたびをする

うつくしいけしきをうつす

そらにむかい

のせてくれませんかとこえをかける



 

さらさらさら

こんどの道

一人でいくよ

さらさらさら

さみしいな

こわいな ふあんです

一人このままあるく

さみしいな

こわいな ふあんです

でもやらなきゃ

ぼくおとなになるんだ

さらさらさら

いってきます

まっててね

ぼく一人であるく

心の道



 

葉のさきに光さす

夕ぐれに

ぼくの手におりてくる

葉のさきに光さす

夕日に

ぼくの体をあたためる

かみさまありがとう

ぼくは今生きている

いきるぼくに

かんしゃします

         

さくらさいて

道の上に 花びらがまう

ようせいがひらひらおどる道に

あなたはなぜないていたの

友達の愛なくして 一人ぼっち

でもごらん

君の愛をまっている

君のまわりに愛がある



 

さみしいよ

かなしいよ

ガザガザと

ザーザーと

心がなる

時につよく

時に静かに

風と雨

心のそこに

うちなりひびく

          

さらさらさらとゆれる葉に 

はなしかける春です

春です

とりのなく庭に

春の風

ゆっくり笑う人々

悲しいじけんも ゆっくりといえていくでしょう

悪いことばかりではないんだ

ほらそこに

幸福とよぶ春がきている

悲しみをけす 春の音

人をはげます とりの声

きいてみて

かならずいえていく

人々の心が

いまぼくはいえた心を ゆっくり見つめている       


ママごめんね

ぼくママを幸せにしたいと思ってるのに

自分は不幸をせおっていて

もうこんなおもい不幸はすててしまおう

そして車イスに幸福をのせ

みんなにくばるんだ

もちろんママにとびきりの幸福をあげるよ

みなさん幸福の福袋はいりませんか

たくさん心がつまっていますよ

幸福の福袋いらんかエー

車イスはこれからいそがしい・・・・・・。

                 



 

さくさくさく

よくてもわるくても

さくさくさく

これがぼくで

ぼくはこれ

やるっきゃないよ

自分の人生

やるっきゃないよ

さくさくさく

よくてもわらい

わるけりゃこんなもん

自分の人生 

かみしめる

幸せなんて

そう思えばそうで

そうでなければそうでない

満足なんてことあるわけない

あったらみんなもっている

満足しないから

ちょうせんして

前を見て 

はしりつづけてる

ぼくの人生

一ちょく線です


                 


 

ぼくは畑にたねをまきました。

小さな花です。

なんの花かわすれてしまいました。

ずいぶん前にひろいました。

たしか白い花だったような氣がします。

一ヶ月前にうえました。   

土の中からめが出ました。

うれしいです。

これもいのちなんですね。

かけがえのないいのち

かけがえのないいのち

ぼくは見ました。

このいのちをかんがえてみれば

ぐうぜんのできごとで

ほんの一しゅんの生の動きに

ぼくたちは会ったのですが

かみさまにかんしゃしなければいけないでしょう

ありがとうございます

ぼくの命と花の命と

どちらも同じ。

たいせつです。

ぼくもぼくの命を

たいせつに見つめていきたいと思います。



 

とうといいのちが ここで守られ生きています。

とてもよわい命だけれど ひっしで生きています。

このことはきっとたくさんある。

でも世の中に 

みおとされているのではないかと思うから

きっとわすれられてしまうよ。

ぼくは感じる。

わすれてほしくない 命のとうとさ 

なににも変えられない。

ぼくは生きるために生きている。

こうしてささえられて、

ほとんどのことを手伝ってもらって。

でもいきるいみはかならずある。

ぜったいにある。

きっとある


             

こうやにさく一りんの花は

だれにもみられることなく

その一生をおえても

それは悲しいことでなく

花はいくつもの種を作り

しらない土地へたねをとばす

一りんの花がしらない土地へ

花はかれてなくなっても

種はとびいくつものめを出す

いくつもの命が生れる

一つの花がしんでも

あたらしい花がいくつもさきはじめる

生というものは

そうやって生きつづける

えいえんにつづく

なにがあっても生きつづけていくのです



 

月の光をあび

ここちよいねむりにつく

ぼんやりとうかんだ光を

ぼくは初めてみた

あれは

とおくとおくに光る月

いやされた体は

まるで自分の心とは反たいに

ゆっくりとうごく

ぼくはまるで赤んぼうのように

ねむりつづける

月の下で 


みなさんへ

ぼくの詩集よんでくれてありがとうございます。ぼくはこの前、下田に旅行してきました。下田は、山、山で、ひょいと海になります。とてもびっくりしました。けどぼくはとても氣に入りました。まるで、ぼくのようです。ぼくの心はいつも山、山、山をやって、やっと光る心になる。くるしくてくるしくて、でも一すじの光がみれるからがまんすることができる。ぼくの心が光るとき、ぼくはもくてきがはたされたと思う。この詩集もそんな心の光です。ぼくの光、これからも強いものに変化させられるようがんばります。

みなさんも光をさがしてみてください。強い光に変えられると思いますよ。

おわり

金野康弥

 

 

 

 

まず康弥へ

いろんなメッセージありがとう。ママは君が大好きで君がいるから泣けて笑えて毎日が楽しくて、幸せだなと思っているよ。だから君にも泣いたり笑ったりおこったり自由な君でいて欲しい。きずつくことをおそれたりしないで欲しい。きずついたら一緒に泣こう。そのためにママは君のそばにいるのだから。

 

柴田先生、外山先生へ

いつもお忙しい中、ご指導いただきありがとうございます。いまの康弥にとって自分を表現できる場として、コンペートーはだいじな所となりました。又、コンペートーの先生方のおかげで、学校生活も充実したものになりました。どうぞこれからも長いお付き合いをお願いいたします。

 

この詩を読んで下さったみな様へ

この文集を手にとって読んで下さってありがとうございます。一人、一人、手をとって握手したい気持ちでいっぱいです。

平凡な私達に何ができるのかなと思いながら、なにもできずにいた私達親子に、いろんな人との出会いが切っ掛けでこの文集ができました。そして、見知らぬみな様がこの文集を読んで下さる。私の知らない所で文集をとおしてみな様と出会うという不思議なご縁ですね。このご縁が、良いご縁になりますように……。

金野英子