おはらいの文化史 10 『中臣祓注抄』なかとみのはらえちゅうしょう


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『中臣祓注抄』


解説

 冒頭に、陰陽道おんみょうどうや仏教の語彙・概念を用いた説明を書き加えた中臣祓なかとみのはらえを収める[1]。この説明は『大中臣祓同註』と共通している[2]。この後には、陰陽師おんみょうじの影響をうけて成立した「大中臣祓祭文」を収める[3]。本資料は、宮地直一の『中臣祓注抄』ほか六種合本に収められたものである。なお、本資料は、神宮文庫が所蔵している同書の複製で、昭和8(1933)年に神宮司庁じんぐうしちょうより刊行されたものである。

  1. 早河瀬を三途川、瀬居津姫を炎魔法王、伊吹主(伊吹戸主)を泰山府君と解釈している。炎魔法王、泰山府君は、陰陽師が行う泰山府君祭でまつられる冥道十二神の神々である。
  2. このほか、称名寺聖教(称名寺所蔵、神奈川県立金沢文庫保管)『大中臣祭文』(鎌倉時代書写)や、金剛寺所蔵「大祓祝詞残欠」(南北朝時代書写)とも共通している。
  3. このほか、称名寺聖教(称名寺所蔵、神奈川県立金沢文庫保管)『大中臣祭文』(鎌倉時代書写)や、金剛寺所蔵「大祓祝詞残欠」(南北朝時代書写)とも共通している。

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