解説 國學院大學名誉教授 徳江 元正
見開きいっぱいに天地をすやり霞で区切り、画面の余白の大部分を詞書に宛てている。
ものくさ太郎は、「いかにや女房」と呼びかけ、秀句(しゅうく)尽くしの歌問答を長々と交わし、少し手の力をゆるめたところ、女房は逃げ去った。
わがあるじをとり逃がしたと、いずくまでも追い廻すものくさ太郎。女房は裏無(うらなし)草履をはいていたが、あとの女・童どもは素足。
路上で傾城や辻君と歌問答をして前交渉をするのは、当時の実態であったらしい。
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