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4-1.選手・監督関連商品の製造・販売(問5)

井関 吉和

 問5は、問1で「ワールドカップに関する商品を製造・販売した」と回答した40社を対象として、ワールドカップに出場したり話題になった選手・監督に関連した商品を製造または販売しましたか」と質問した。【単純集計】の結果、「はい」という回答は15.0%(6社)に留まり、「いいえ」という回答が65.0%を占めた。
 これを業種別に見ると【表4-1-1】、「はい」という回答は小売・卸売では17.9%とやや多く、一方、集計値は3社と少ないが外食では0.0%でしかなく、外食業企業では、例えば「ベッカム・ランチ」など特定の選手や監督をイメージしたメニューを作ることは困難であったようである。
 「はい」と回答した6社に対して、「具体的にどの選手・監督ですか」と自由回答方式で質問したところ、「ベッカム」という回答が4社、「小野 伸二」という回答が1社から寄せられた。仮にタイム・マシンがあったならば、優勝チームのセナウド・グッズや準優勝チームの守護神となったオリバー・カーン・グッズを作って大もうけできた企業があったかもしれないが、実際にはどの選手が実際に活躍するかを予測したうえでその選手に関連した商品を製造・販売することは不可能であろう。

4-2.関連商品のワールドカップ終了後の販売(問6)

 前述の40社を対象として、問6「ワールドカップ関連商品はワールドカップが終了しても、販売し続けますか。」という質問に対して、「はい」と答えた企業が15%(6社)、「いいえ」がで62.5%(25社)であった【単純集計】。「売上次第」は15.0%(6社)、「わからない」は0.0%で無回答であった。「いいえ」と答えた企業が半数以上を占め、ワールドカップのブームが去ったら売れないだろうと判断した企業が多いようだ。
 業種別に見ると、「はい」と答えた企業は小売・卸売が28社中5社の17.9%で顕著に多いといえる【表4-2-1】

4-3.2006年ドイツ大会での関連商品の販売(問7)

 前述の40社を対象として、問7「貴社では現時点で次回の2006年ドイツ大会では関連した商品を販売しようと思いますか」という質問に対して、「はい」と答えた企業が10社あり全体の25%を占め「いいえ」と答えた企業は9社で全体の22.5%であった【単純集計】。「どちらともいえない」と答えた企業が最も多く18社を数え全体の45%を占めた。現時点では2006年ドイツ大会で関連する商品を販売するかどうかまだ決定していない企業が多いようだ。現段階(2003年時点)で決定するのは時期的に早いことが挙げられるだろう。
 対して、現時点で販売するかしないかを決定している企業も全体の約半数にのぼり、「はい」と答えた企業と「いいえ」と答えた企業が半々で、今回のW杯で成果を挙げたかどうかが影響しているのではないだろうか。
 業種別に見てみると小売、卸売が28社中32.1%(9社)が「はい」と回答し顕著に多かった【表4-3-1】。食品製造では半分以上の55.6%の企業が「どちらともいえない」と回答し、現時点では決定していないことが明らかである。
 規模別に見てみると、1000人以上の企業では半数以上の53.3%が「どちらともいえない」と回答し、人数の少ない企業に比べて多い傾向が見られた【表4-3-2】

Copyright 2003, Iseki Yoshikazu

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