第4章 自己組織化モデル【第2部の目次へ戻る】
第1節 システムと自己組織化
図1.jpg 組織の自己組織化過程と組織構造との関連
第2節 社会システムと自己組織化
第3節 組織と自己組織化
ここでは、組織に関する諸変数間関係の理論的根拠を説明するための概念枠組である自己組織化モデルについての検討を行う。自己組織化モデルとは、組織を自己組織化という視点から説明する概念枠組のことであるが、社会学以外の諸科学からの借用概念に大きく依存している。そこで、本章では、まず、システム一般における自己組織化についての検討を行ったあとで、組織理論への自己組織化モデルの導入を試みることにしたい。
自己組織化とは、外部からの影響による受動的な組織化とは区別されるところの、システムが自ら能動的かつ自己準拠的に進めていく組織化であり、このような視点から諸現象を説明する概念枠組を自己組織化モデルと呼ぶ。自己組織化は、システムの目標や構造を均衡維持的に保存する保存的自己組織化と、ゆらぎの自己増幅を通じて秩序や構造を自己創出していく散逸的自己組織化とに分類できる。
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