第8章 第2節 構造変数と環境変数との関係【第8章の目次へ戻る】仮説に戻る【つぎへ】

 ここでは、構造変数と環境変数との関係についての分析を行う。なお、環境変数のデータ収集上の理由から、分析対象は「工業デザイン・サンプル」とする。
 本節での分析結果に基づけば、第2仮説群「構造変数と環境変数との関係についての仮説」をつぎのように評価することができよう。なお、環境の異質性に関する仮説がほとんど支持されなかった理由は、「工業デザイン・サンプル」の片寄りに起因していると考えられる。
 仮説2「公式構造変数は創発的構造変数および非公式構造変数と比べ環境変数の影響を受けやすい」は、環境の異質性に関するサンプルの片寄りと、環境の異質性および環境の変動性という組織の外部環境が創発的構造変数および非公式構造変数にほとんど影響を与えなかったことを考慮すれば、おおむね支持されたと考えることができよう。
 仮説2−1「公式構造変数は環境変数の影響を受けやすい」は一部支持された。
 仮説2−1−1「標準化と規模は正の相関関係にある」は支持された。
 仮説2−1−2「集権化と規模とは負の相関関係にある」は支持されなかった。
 仮説2−1−3「標準化と環境の異質性とは負の相関関係にある」は支持されなかった。
 仮説2−1−4「集権化と環境の異質性とは負の相関関係にある」は支持されなかった。
 仮説2−1−5「標準化と環境の変動性とは無相関である」は支持された。
 仮説2−1−6「集権化と環境の変動性とは無相関である」は支持された。
 仮説2−2「創発的構造変数と環境変数とは無相関である」はほぼ支持された。
 仮説2−3「非公式構造変数と環境変数とは無相関である」は一部支持された。

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