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産業消費情報学科

産業消費情報学科の概要

3つの教育研究分野の説明

産業消費情報学科の概要

 皆さんご承知のように、ものがあふれている現代においては、企業はただ生産者として、自分達だけの考えで商品を企画・生産し、市場に商品を提供するのではなかなか思うようには売れません。たくさん売って儲けるためには、まずお客様が何を欲しているのかを正確に知り、それに基づいて商品を企画し作って行く必要があります。加えて、作った商品のセールスポイントを的を外さないようにうまくお客様、すなわち消費者に伝えていく必要もあります。つまり企業が順調に事業を進めていくためには、消費者の情報を的確に把握すると同時に、消費者にもタイムリーで適切な情報を発信するという形の、相互コミュニケーションが重要だと考えられます。

 同様に、現代の企業にとって、株主とか銀行とかの資金提供者についても、彼らがほしがっている情報を常に知り、それに対応して適切な情報を与えていくことが、資金調達をスムースに行う上で重要なポイントになります。

 逆に、消費者や資金提供者など企業の関係者は、企業が発信する情報を的確に分析し、理解し、自分に役立たせていく必要があります。例えば、消費者であれば、それによって値段の割りには価値のある商品を手に入れることができるでしょう。あるいは資金提供者であれば、収益率の高い金融商品に投資できることになります。

 このように、情報を仲立ちとして相互に対等な立場でコミュニケーションを深めていくことが求められている企業と消費者や投資家に代表される企業関係者のあるべき姿や情報発信の在り方、その中で消費者や投資家が担う役割・責任などの問題、あるいは情報の仲介者たる消費生活アドバイザーや証券アナリストの機能や役割について研究し、学んでいこうというのがこの産業消費情報学科の趣旨です。

 また、以上の趣旨に沿った教育研究をすすめることで、情報の収集・分析・発信などについて優れた能力をもった生活者、企業の広報担当者・消費者対応担当者、同じく企業の財務・投資部門担当者、証券アナリスト、消費生活アドバイザーなどの人材を養成することを目的としています。

 カリキュラムの編成方針は基本的には経済学部第一部と変わらず、かつ第一部の経済学科、経済ネットワーキング学科のカリキュラムと可能な限り一体性をもたせるような内容になっています。

 例えば、所要卒業単位数は124単位、学科目を「教養総合科目」と「専門科目」に大別し、さらに専門科目を「専門基礎科目」「学科基幹科目」および「専門応用科目」の3つに別け、それぞれ主として1・2年次配当、主として2年次配当、主として3・4年次配当とすること、などは第一部と同じです。

 ただし、科目の内容は勿論他学科と異なり、「学科基幹科目」では経済学の基礎に関する科目に加え、消費者行動、コミュニケーションおよびディスクロージャーに関する科目などから構成されています。「専門応用科目」についても消費情報と企業情報に関して十分な学修が行える内容になっています。また、この学科では、経済学の基礎教育を手厚く行うため、「学科基幹科目」の選択必修単位数を12単位にしています。

 コンピューター教育の充実、演習を中心とした少人数教育の重視、実地調査や体験学習などを通した問題発見と対話型教育の実践は、第一部と共通しますが、この学科では特に経済行動や経済現象が発生する現場に可能な限り学生を近づけた「生きた教育」を行っていきます。従って、フィールド教育が講義や演習と並んで重要な授業形態となります。またその一環として、勤務先において一定の条件を満たした仕事については、大学の学修の一環と認め単位を与える、所謂インターンシップ制の導入もはかりつつあります。

 この学科は夜間部であるため平日の授業時間が少なくなります。それを補うために土曜日の昼間の開講、あるいはサマーセッションの活用などの方策を講じることにしています。

3つの教育研究分野の説明

 この学科では厳密なコース制は設けませんが、主な教育研究の分野として(1)消費情報分野、(2)企業情報分野、(3)アナリスト分野、の3分野を挙げることができます(尚、この3分野の専門教育科目の履修モデルについてはそれぞれのファイルを見て下さい)。

(1)「消費情報」分野

 経済社会において消費者が担うべき役割や責任について、具体的な日常生活の問題と関連付けながら学んでいきます。また、消費者の行動や実際の商品など消費情報の知識、情報システムや情報分析の方法などについても学びます。併せて消費生活アドバイザーの検定試験が受けられるようなカリキュラムを用意しています。

(2)「企業情報」分野

 企業が世の中に向けて自社の情報を発信することをディスクロージャー(情報開示)といいますが、そのディスクロージャーの意義、あるべき内容、方法などについて学びます。併せて企業の財務広報担当者が直面している現実の問題、課題について事例研究なども行っていきます。企業の広報担当者のみならず、PR会社のコンサルタント、地方公共団体など公的機関の広報担当者などが卒業後の進路として考えられます。

(3)「情報アナリスト」分野

 企業などが発信する情報を専門的に分析し、消費者や投資家に役立つ形にして伝える、いわば情報仲介者としてのアナリストの役割は、情報が専門化する時代の中にあって大きく拡大しています。そうしたアナリストをめざす人達を主として念頭においた分野といえます。証券市場や金融商品の知識、投資分析などを学んでもらい、検定証券アナリストの検定試験への対応も考えられています。

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