中国訪問の記録1(天津訪問)


中国訪問の記録1(天津訪問)

 国学院大学では、環境教育プログラムが現代GPに採択されましたので、その実践の一環として、2008年3月17日から3月22日の間、教員5名、特別研究員2名、大学院生2名、学生14名が、次のような日程で中国天津市の協定校の南開大学を訪問しました。

3月17日(月)

 古沢広祐、菅井益郎及び横山実は、大学院修了式と修了生との懇談会に出席した後、成田に向かいました。午後5時30分に成田空港第2旅客ターミナル3階の国際線出発ロビーの北団体受付に集合しました。搭乗手続及び出国手続きをしました。午後7時30分発の中国国際航空(CA)168便に乗って、午後10時半に北京空港に到着しました。ガイドの申さんの案内で、Yanxiang Hotel(燕翔飯店)に宿泊しました。このホテルは、各国大使館の近くにあるので、近代的な建物でしたが、中庭には、伝統的な中国の建物が保存されていました。

3月18日(火)

 ホテルで朝食しました。ロビーには、アフリカからの派遣団の人たちがたくさんいたので、北京が国際都市化していることがよくわかりました。午前8時にチェックアウトして、バスで高速道路を使って天津に向かいました。途中でサービスエリアで休憩しましたが、そこでは、緑化のためにアスファルトの駐車スペースを壊していました。正午頃に天津市の入り口に到着して、旅行社が手配してくれたレストランに入りました。申さんが、日本人に合う中華料理を注文してくれました。中国産の農薬入りの餃子問題で、中国の料理を心配していた学生も、美味しい料理に舌鼓を打っていました。

 昼食の後、再度、高速道路を走り、天津経済開発区に行きました。高速道路の出口で、迎えに来てくれた自動車の案内で、日系企業である天津根来環保有限公司を訪問しました。会議室で説明を聞いた後、ペットボトルから絨毯を作っている工場を見せていただきました。午後3時半にそこを出発して、天津の市内に入り、午後4時半に南開大学に到着しました。大学の宿所である明珠園にチェックインしました。ロビーには、南開大学日本研究院の副院長宋士勇教授達が待っていたので、教員同士で会食しながら懇談しました。午後7時からは、南開大学日本研究院の会議室で環境についての講演会を開きました。大学院生2名の通訳で、神道文化学部の茂木栄が「自然を組み込む日本の祭」、ヘィヴンズ・ノルマンが「今日の環境危機と宗教的な対応」について講演しました。午後9時からは、横山実と宋教授が司会をして、学生同士が、自己紹介した後に、環境問題や大学卒業後の就職問題などについて、話し合いをしました。午後10時まで話し合いをして、宿所に帰りました。

3月19日(水)

 午前8時から午前9時の間に、各自は明珠園食堂でお粥などの朝食を食べました。午前9時に集合して、南開大学出身の周恩来氏の像の前に行き、記念撮影しました。大学の正門の前では、天津市南開区民政局の人たちが、植樹をしていました。中国では、環境対策として植樹を熱心に始めていたのです。國學院大学に留学している劉君と陳さんの案内で、歩いて周恩来夫妻記念館に行きました。正面の夫婦の像には、たくさんの人が花束を捧げていました。館内では、小学生もグループで勉強に来ていました。その後、バスに乗り、天津市の租界であった場所に行きました。グループに分かれて行動しましたが、1864年創業のレストランで北京ダックを食べたり、マクドナルドで日本のハンバーガと味比べをしたりしました。タクシーで南開大学に戻り、午後3時から南開大学環境科学工学院の会議室での環境セミナーに参加しました。報告者と報告の題目は、次の通りでした。

      荒井良(経済学部3年学生)「千葉県の産業廃棄物処分場建設問題―日本のごみ問題―」
      南開大学学生「環境保全と生産活動」
      重村光輝(経済学部大学院学生)「地球環境問題へのMOT(技術経営)の活用―持続可能な循環型社会形成へ向けた技術活用の方向性―」
      南開大学学生「天津市の地下水問題」
      斎藤祐樹(法学部3年学生)「京都議定書をふまえた温暖化対策」

           報告者は、いずれもパワーポイントの映像を用いて午後5時半まで報告しました。時間の制約で質疑応答することができなかったのは残念でした。その後、大学の構内の考家楼で食事をとりました。教員は、国際学術交流処主宰の晩餐会に出席し、林潤輝副処長、宋士勇教授たちと今後の交流について、話し合いをしました。夜は、宿所の一つの部屋に集まって、酒を飲み交わしながら、懇談しました。

3月20日(水)

 宿所でチェックアウトして、旅行社が手配してくれたバスで、天津創業環保株式会社紀荘子汚水処理場に行きました。今回は、南開大学からは誰も同行しませんでしたが、環境科学工学院から連絡してもらっていましたので、見学には支障がありませんでした。現地の職員2名の案内で、またガイドの劉さんの通訳で、私達は、汚水処理の施設を見学しました。町から汚れた水が入り、それが濾過池できれいな水になっていく様子を理解することが出来ました。討論のために建物に入ったのですが、そこで思いがけず、フクロウをみることができました。その日の朝に迷い込んで、梁に留まっていたのです。会議室での討論の後で、南開大学に戻り、孝家楼で昼食をとりました。

 午後には、楊棟梁先生のアドバイスに従って、天津市郊外の石家大院を訪れました。石家大院は、清朝時代の大地主の屋敷で、今では観光施設になっていたのです。その中を見ることで、清朝時代の生活を理解することが出来ました。特に、広い屋敷の中に、京劇の舞台があったのが印象的でした。多くの人は、切り絵などの土産を買っていました。午後3時半まで見学して、バスで北京に向かいました。

南開大学構内の周恩来氏の像の前

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