棚田での草刈


 加藤季夫が責任者となって、教養総合科目を履修している学生が、千葉県鴨川の棚田で体験学習として草刈を行いました。その時の写真は、以下の通りです。

 6月17日、当初の天気予報では多少曇るという話もあったのだが、予想に反して強い日差しが照っている。7時30分には、今回の草刈に参加するメンバーが集合。先生からの本日の行程に関する説明があった後、バスに乗り込む。予定では、2時間象少々で目的地に着くはずであったが、前回と違い絶好の行楽日和であり、道が混雑していたため多少時間を予定よりオーバーしての到着となった。

 バスを降りて、まず目に飛び込んできたのは、大山千枚田の緑あふれる山々である。前回に比べ緑はよりいっそう濃くなり、夏の訪れを十分に感じられるものであった。その後、今回もお世話になる棚田倶楽部へ移動し、担当の方から草刈についての説明を受けた。特に注意すべきは、やはり鎌の使い方である。鎌を使うのは初めてというメンバーもおり、鎌の振り方や力の加減、怪我をしないための注意点まで細かく説明していただいた。

 また、草を刈る場所については、自分たちが担当している水田周辺の畦道と土手を中心にということであった。しかし、はじめる前から小さなつまずきである。前回よりも雑草が生え、景色が多少変わったことにより自分たちの田んぼの場所がわからない。数分後、何とか国学院の旗のある田んぼを見つけられた。まず、真っ先に稲の生長の様子を観察した所、大きなとは言えないが確実に成長している様子が見受けられ、ほっと胸をなでおろした。

 さて、本題の草刈作業であるが、田んぼ周辺は一面うんざりするほど雑草が生え、その上私たちの作業開始を歓迎するかのように強い日差しが照りつけてくる。当初は、本当に終わるのかという気持ちを抱きながら長短ある雑草を掴み、必死で鎌を振り続けた。だが、人とは不思議なものである。作業が進むにつれ、鎌の扱いにもなれだんだん雑草を刈るのが苦では無くなってくる、いやむしろしだいに楽しくなり熱中していった。

 さらに、普段お目にかかれない動物たちとの出会いが私たちの気持ちを高めてくれた。お玉じゃくしに蛙、イモリ、山椒魚、掘った土の下からはケラなど大山千枚田の自然の豊かさをこういった面からも感じることができた。作業に没頭するうちに、気付けばあたり一面にあった雑草はほとんど刈り取られ、むしろ手が空き、本来ならしなくてもいい場所の雑草まで刈り取ってしまった。数時間ほどの作業は本当にあっという間であり、充実した楽しい時間であった。ただし、刺のある雑草は摘むとズキンと痛み、それだけは勘弁してほしかったが。

 その後は、棚田倶楽部へ戻り昼食である。強い日差しの中の作業で疲れ、少し火照った体には、大山千枚田の緑あふれる風景と心地よい風が身に沁み、昼食のカレーが一段とおいしく感じられた。こうして、大山千枚田での2度目の作業は終わりを告げた。今回は一度きりということもあり、草刈も非常に楽しく感じられたのであるが、これを日常的に行っている農家の人々にとつては日々大変な苦労であろう。この苦労の一端でも肌で感じられたことは私たちにとって貴重な体験となった。次の稲刈は自由参加となるようだが、ぜひまた訪れ、成長した稲をこの手に取りたいものである。

雑草が刈り取られた棚田

2007年度前期の活動記録に戻る6月の活動記録に戻る