韓国の電気製品リサイクルセンター


 2007年3月28日に、韓国京畿大学校国際交流センターの副所長のHyun Soo Kim准教授に案内してもらって、Yongin 市の電気製品リサイクルセンターを見学しました。その時の資料及び説明に基づいて、リサイクルセンターの活動を紹介させていただきます。なお、説明は、Hyo Teak Song氏が行いましたが、私達は、韓国京畿大学校の朴善述教授の通訳で、その内容を理解することが出来ました。

 韓国では、1992年に電気製品ゴミ(E-waste)のリサイクルが始まりましたが、電気製品ゴミの初めてのリサイクルセンターは、1998年5月にChung Bu地域で設立されました。その後、2000年1月に、製造会社に責任を持たせるDeposit-Refund システムが発足しました。同年の6月には、冷蔵庫、洗濯機、エア・コンディション及びテレビをリサイクルする政策が導入され、9月に電気環境協会(Association of Electronic Environment)が設立されました。次いで、2001年8月にYoung Nam、2003年5月にソウルMetropolitan 地域、2006年5月にCheju地域で、リサイクルセンターが操業を開始したのです。私達が訪れたのは、ソウルMetropolitan 地域のセンターだったのです。

 電気環境協会の目的は、電気製品ゴミの収集とリサイクルシステムの確立です。そのための研究や調査を行い、また、よりよいリサイクル政策を確立するために、自然環境の保全、マネージメント、国際協力を目指しております。現在の処理の対象は、上記の4つの他に、PC、携帯電話、オーディオ機器、プリンター、コピー機、ファクシミリの10品目です(最後の3品目は、2006年に加えられました)。三星電気やソニーをはじめとして、40の企業が協会の会員となっており、運営の負担金を拠出しております。なお、協会は独立しているので、日本とは違って、政府から補助金をもらっていません。

 消費者が使い終わった電気製品ゴミは、60.2%が販売会社の下取りとして回収され、32.4%が地方自治体によって回収されます。回収されたもののうちで、再利用されず、ゴミとして処理する必要のあるものが、リサイクルセンターに送られてくるのです。

 私たちが訪れたソウルMetropolitan 地域のセンターは、機械化が進んでおり、労働者の数はわずか40名で、地元の人を雇用しているということでした。韓国製やドイツ製のシュレッダー、ドイツ製の切断機などを使って、毎年、25,000トンの電気製品ゴミを処理しております。そして、銅、鉄、アルミニューム、プラスティックなどに分別するのです。これらの有用な資源は、業者に売り渡されて、その業者が精製などの作業をすることになっていました。また、有害なゴミは、廃棄業者に引き取ってもらうということでした。

 専門に研究している西俣先子さんの話によると、韓国のこのようなシステムは、ドイツをモデルにしているということでした。

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