萬葉花の紹介 - 夏
このページでは、これまで萬葉弁当の包み紙に登場してきた萬葉の草花を、その歌と共にご紹介いたします。
浮蓴(じゅんさい)
蓬
ほととぎす 来鳴く五月の 菖蒲草
蓬かづらき 酒宴遊び慰ぐれど
巻18‐四一一六 大伴家持 |
豆
写真:えんどう豆の花 |
道の辺の 荊の末に 這ほ豆の
からまる君を 別れ行かむ
巻20-四三五二 丈部鳥 |
麦
柵越しに 麥食む子馬のはつはつに
相見し子らし あやに愛しも
巻14-三五三七 詠み人知らず |
蓮
ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に
溜まれる水の 玉に似たる見む
巻16-三八三七 詠み人知らず |
竹(笹)
小竹の葉は み山もさやに さやげども
われは妹思ふ 別れ来ぬれば
巻2-一三三 柿本人麻呂 |
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梅の花 散らまく惜しみ 我が園の
竹の林に 鶯鳴くも
巻5‐八二四 小監阿氏奥嶋 |
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植竹の 本さへ響み 出でて去なば
何方向きてか 妹が嘆かむ
巻14-三四七四 東歌 |
瓜(真桑瓜)
瓜食めば 子ども思うほゆ 栗食めば
まして偲はゆ 何処より 来りしものを 眼交に
もとな懸て 安眠し 寝さぬ 巻5-八〇二 山上憶良 |
杜若
常ならぬ、人国山の、秋津野の
かきつはたをし、夢に見しかも
巻7-一三四五 詠み人知らず |
浮蓴(うきぬなは、じゅんさい)
我が心 ゆたにたゆたに 浮蓴
辺にも沖にも 寄りかつましじ
巻7-一三五二 詠み人知らず |