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本研究は、大学における宗教文化教育を実質化することを目的としている。
この研究は最終的には「宗教文化士(仮称)」という、宗教学に関係する複数の学会が認定する資格の発足を目指すものである。
研究の開始にあたっては、日本宗教学会(会長・星野英紀)に設置された検討委員会(委員長・井上順孝)、及び「宗教と社会」学会(会長・三木英)に設置されたワーキンググループ(責任者・井上順孝)の委員が中心となった。
宗教文化教育の実質化は、グローバル化が進行し、高度情報化社会を迎えた日本においては、喫緊の課題である。多くの日本人が国外に出て生活するようになり、他方多くの外国人が日本で生活するようになっている。こうした状況は今後ますます深まると予測され、相互の文化理解は非常に重要な課題となってくる。
宗教学を学ぶ学生のみならず、広く学生に自国及び他国の宗教文化についての素養を深めるための有効な体制を、大学教員の幅広い協力によって築くことを目指すものである。
宗教文化教育は、広い意味の宗教教育の一種ではあるが、独自の特色をもつ。内容的には自国及び他国の宗教文化についての素養を深めていくことを中心とする。さらにその実質化という課題は、宗教学の学部、学科等がある大学において、宗教文化に関する教育の現状を踏まえた上で、これをどのようにしてレベルアップしていけるかという、現実的な目的に対応しているものである。
生きた宗教文化についての学びは国際情勢からしても、ますます必要であることは言うまでもない。それにもかかわらず、一部にもたれている宗教に対する否定的イメージゆえに、宗教を学ぶことさえも忌避する学生がいるのが現状である。
この研究によって宗教文化に関する教育方法や教材等の体系化が大きく前進し、こうした状況が改善されることが予想される。宗教文化士の資格化が実現すれば、宗教文化を学ぶことの重要性が社会的にも広く認識されていくことになると予測される。
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