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5 実習のプロセス(兼編集後記)

「社会経済調査UA・B」担当教員 小木曽 道夫

 【「実習のプロセス」の意図】

 学術目的や行政目的の調査とは異なり、本調査は教育目的の調査であるため、調査実習科目担当者間の情報提供という意図で、通常の調査報告書とは異なり、実習のプロセスや通常は公表しない点を公表することにした。なお、支出合計額は146,222円であった。

 【調査項目・調査対象の決定】

 授業初回に郵送調査に関する小テストを実施し、2〜3回目の授業で調査票の作成までの工程の調査技法についての講義を行ない、課題の提出場所とするバブリックフォルダの利用方法のガイダンスを行った。

 調査項目の決定と調査対象の決定は同時並行して行った。まず、課題として「調査対象案」を提出させて、5月7日に業種を限定しないことを決定した。つぎに、「調査項目案。なお、分析枠組を考えついた場合には分析枠組も記しなさい」という課題を出して、この5月14日に「企業の環境対策への取り組みと商品開発戦略についての調査」という調査の枠組を決定し、調査項目に応じて環境対策班、商品開発班、学生に勉強しておいて欲しいこと班、と3班にグループ分けした。なお、このように早い時点で調査の枠組が決定できたことはうれしい「誤算」であった。

 【調査票の作成】

 調査票の作成は各班ごとのグループウェアによって実施した。調査票の印刷は渋谷校舎印刷室において教材のコピーとしてで実施しため、印刷費はかかっていない。調査票の発送については調査の方法を参照のこと。

 【データ入力とエディティング】

 データの入力はエディティングと同時にコンピュータ教室のパソコンにおいてMicrosoft Accessを用いて実施した。

 【集計・分析】

 コンピュータ教室にインストール済みのソフトウェアの関係で統計処理自体は必須の実習とはせず、「集計・分析を発注すること」を課題として、担当教員がSPSS for Windows Ver.8 を利用して行った。なお、業種・規模・業績別クロス集計という、いわゆる「基本クロス集計」については、Tablesオプションを/ptotalサブコマンドを使用するためにダイアログ・ボックスは使用せずに利用して集計した結果をExcell表書式、および、χ二乗値検定の結果をテキスト形式でバブリックフォルダにアップロードしておいた。なお、Microsoft AccessおよびMicrosoft Excellのピボットテーブルを用いて統計処理の「物まね」の実習はできるようにした。したがって、データ入力および集計委託費の合計は0円である。

 【報告書の執筆・編集・刊行】

 本報告書の原稿となるレポートの執筆分担は、各自が作成した設問を担当する形で決まっていった。なお、クロス集計の結果を表かグラフのどちらかに統一するように事前に指示していないため、両者が混在している。また、科目担当者の一存によって各HTMLファイルにaddressタグを入れてCopyrightを明記することにした。学生のレポートはMicrosoft Wordによって執筆し、Microsoft Word 2000の「Webファイルとして保存」を用いてHTMLファイルに変換した。ただし、リンクを張るうえではおもにMicrosoft Notepad または Wordpad およびJust System ATOK13(の単語登録機能)を使用した。なお、調査報告書の刊行のための印刷費を申請していなかったため、調査報告書はこのようにWebページの形で刊行する運びとなった。

 【調査回答者へのフィードバック】

 調査票に単純集計の%を書き込んだものに、簡単なコメントをつけた要旨版を作成した。要旨版は、有効回答企業のうち調査票末尾に貴社の名称・所在地(と回答してくださった方の部署、役職、御名前)をご記入くださった方に対して、電子メールにより63社、郵送(単価80円)により138社に送付した。

 なお、1999年度は報告書全文をWebページという形で公表したため、報告書が掲載されているURL が確定するまで調査回答者へのフィードバックを先送りしたが、2000年度以降は単純集計がでた時点で、調査票に単純集計の%を書き込んだものを送付することを検討している。

Copyright 2000, Michio Ogiso

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