【目次へ】 【凡例へ】 【調査票へ】

1-2.業務別担当の役割分担(問2)

鈴木 康正

「問2.貴社での業務別の担当についてうかがいます」という設問に対しての回答選択肢と度数分布は、@男性だけが担当している(=1)、A担当している人は男性が多い(=2)、B男性と女性がほぼ半々である(=3)、C担当している人は女性が多い(=4)、D女性だけが担当している(=5)、Eこの業務はない、6カテゴリーであり、女性が担当している程度を示す得点を計算するために、無回答と「Eこの業務はない」は欠損値として、()内のスコアを与えて平均値を計算した(1-2-1)。その結果(その他の業務を除くと)、平均値が高い、すなわち女性が担当している程度が高い順に、接客サービス(3.24)、事務(3.10)、経理(2.88)、製造(2.17)、販売(2.05)、企画・立案(1.86)、営業(1.75)、研究開発(1.74)であった。接客サービスの3.24点という平均値は、D女性だけが担当しているが5.2%で、C担当している人は女性が多いが13.4%というように、接客サービスは(この業務はないところも多いが)女性が担当している程度が高いことを示しており、事務もB男性と女性がほぼ半々である(46.4%)およびC担当している人は女性が多い(29.9%)女性が担当している程度が高いことを示している。一方、1.74点と平均値が一番低かった研究開発については、@男性だけが担当しているところが26.8%、A担当している人は男性が多いところが54.6%と、女性が担当している程度が低かった。
 度数分布に戻ってみると、「男性だけが担当している」業務は企画立案、研究開発、製造、営業、販売、接客サービス、その他である。企業経営で主活動となっている業務は男性の方が多いようである。それに対して、「女性だけが担当している」業務は接客サービスしかなく人前に立つ仕事は女性のほうがいいということなのであろうか。

 また、「女性だけが担当している理由」の内訳で一番多いのは前例がないという回答が60%であるが、前例がないというだけで女性だけが担当していることに問題はないものか。事務、経理は「男性だけが担当している」が0.0%ということなので、どの企業でも女性が少なからず関わっていることがわかる。他の業務と比べて事務、経理業務に女性が多く担当させられているということがわかる。男性の感性と女性の感性には多少なりとも違いがあるため、企画立案や研究開発では、男性だけが担当するのではなく,女性をもっと取り入れることによって新たなアイディアや新しい商品の創造に貢献すると思われる。

 業務ごとの担当においては事務と経理は男女比率がほぼ半々である。また、企画立案、研究開発、営業は男性の方が多いようである。 

 女性比率別の業務ごとの担当では(1-2-2)、接客サービス、事務、経理を除いては平均値にあまり差は見られない。女性比率別に見ても接客サービス、事務、経理の男女比はほぼ半々である。各会社における男女比の割合が多い少ないに限らず、業務別における男女の比率はほぼ変わらないということが読み取れる。

また、業種別に見てもあまり差は見られないため(1-2-3)、業種、女性比率に関係なく業務ごとの担当比率は同じである。

Copyright 2002, Yasumasa Suzuki

【目次へ】 【つぎへ】