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2.入社試験

2-1.入社試験の形態

 問 4では「入社試験ではどのような形態を取っていますか」と多重回答方式で質問した。【単純集計】の結果は、面接審査(97.4%)が一番多く、ついで多かった順にテスト形式の審査(67.5%)、履歴書審査(63.6%)、エントリーシート(33.8%)と続き、討論形式の審査(16.6%)は少なかった。
 「その他」と回答した企業に対して質問した自由回答の記述は、作文または論文・小論文が9社、適性試験が4社、プレゼンテーション、性格検査、味覚検査がそれぞれ1社ずつあった。
 規模別に見ると(表2-1)、履歴書審査は1000人以上では40.0%と実施しているところが少なかったが、999人未満のところでは6〜7割程度が実施していた。テスト形式の審査は300〜999人で83.3%ともっとも多く実施し、1000人以上では65.0%、100〜299人では63.0%が実施していたが、100人未満で実施していたところは43.5%と少なかった。面接審査はどの規模でもほぼ100%近くが実施していた。討論形式の審査は、1000人以上では25.0%が実施していたように、どちらかといえば規模が大きいところでの実施率が高い傾向があった。エントリーシート は、1000人以上で60.0%、300〜999人で37.0%、100〜299人で27.8%、100人未満で17.4%と、規模が大きければ実施率が高かった。
 業種別では(表2-2)、入社試験の実施方法で大きな相違は認められなかった。

2-2.入社試験の回数

 問 5では「貴社は入社試験を何次試験まで実施していますか」と入社試験の回数について質問した。【単純集計】の結果は、1〜2回が41.1%、3〜4回が50.3%であり、5回以上実施しているところはほとんどなかった。
 規模別に見ると(表2-3)、1000人以上では3〜4回が75.0%もあったのと比べて、100人未満(52.2%)と100〜299人(50.0%)では1〜2回がほぼ半数を占め、企業規模が大きければ入社試験の回数が多い傾向が認められた。
 業種別では(表2-4)、3〜4回という回答は卸売・小売・飲食(71.9%)とサービス(57.8%)では多かったが、製造などは36.5%と少なかった。

2-4.入社試験で注目する点

 問 6では「入社試験のなかで学生の何に注目していますか。当てはまるものすべてに○をつけてください」と多重回答方式によって質問した。【単純集計】の結果、熱意(86.1%)、専門知識(40.4%)、プレゼン能力(33.1%)、その他(29.1%)、資格(14.6%)の順で多かった。
 「その他」と回答した企業に対して質問した自由回答に対して44社から記述が得られた。これらのなかには「コミュニケーション能力」に該当する記述が9社、「人間性」に該当する記述が8社あった。自由回答の記述とカテゴリー化した規模・業種の一覧を別表に掲載した。
 規模別では(表2-5)、入社試験で注目する点について大きな相違は認められなかった。
 業種別では(表2-6)、資格はサービスで24.4%と注目していた企業が多く、卸売・小売・飲食では6.3%と少なく、10%水準では有意差が認められた。専門資格は、製造などでは55.4%と注目していた企業が多く、サービスでは31.1%で、卸売・小売・飲食では18.8%と少なかった。なお、熱意とプレゼン能力については業種別で大きな相違は認められなかった。

 問6で「1 資格」を選んだ22社に対して「貴社が新入社員を採用するにあたって、取得済みであることを採用条件としている資格がありますか」と質問した【単純集計】の結果、「ある」が27.3%、「ない」が72.7%であった。
 付問1で「1 ある」と答えた方に対して「具体的な資格の名称を記入してください」と質問した自由回答の記述は、自動車普通免許が2社、TOEIC、ホームヘルパー2級、介護福祉士等、臨床検査技師、事務職の場合は簿記、第一級陸上特殊無線技師がそれぞれ1社ずつであった。

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