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1-1-1.新入社員の学歴別の増減傾向

岡田 隆宏

 まず、各学歴ごとの【単純集計】の結果は、つぎのような特徴が見られた。

【大学院文系修了の特徴】
 増減の割合はそれぞれ増加6.0%、減少2.0%であり、微少ではあるが、採用する企業が増加していることが分る。
 変化なしの割合は26.0%であり、増減している企業の割合を考慮すると、企業のほとんどは変化していないことがわかる。  採用したことがないという企業は59.0%であり、それは他の学歴と比べても飛びぬけて大きい値であり、採用実績のない学歴ということが分かる。

【大学院理系修了の特徴】
 増減の割合は増加13.0%、減少9.0%であり、微少ではあるが、採用する企業が増加していることが分る。
 「変わらない」の割合は37.0%であり、増減している企業の割合を考慮すると、変化していない企業が多いことが分かる。
 採用したことがない企業の割合は37.0%であり、大学院文系修了をのぞけば、他の学歴に比べ大きな値である。大学院修了者の採用実績はほとんどないといえる。

【大学文系卒の特徴】
 増減の割合は増加19%、減少26.0%であり、微少ではあるが、減少傾向にあることが分かる。
 変化なしの企業の割合は49.0%であり、他の学歴と比較すると大学理系卒と共に最も大きな値をとっている。採用において安定性のある学歴といえる。
 採用したことがない企業の割合は4.0%であり、他の学歴に比べ最も少ない値をとっており、最も採用実績のある学歴といえる。

【大学理系卒の特徴】
 増減の割合は増加24.0%、減少16.0%であり、増加傾向にあることが分かる。
 変化なしの企業の割合は49.0%であり、大学文系卒と共に最も大きな値ととっている。大学卒採用の安定性が伺える。
 採用したことがない企業の割合は10.0%であり、採用実績のある学歴といえる。

【短大卒の特徴】
 増減の割合は増加2.0%、減少56.0%であり、特に増加−減少の値が学歴の中で最も大きく、最も減少傾向にある学歴ということが分かる。
 変化なしの企業の割合は26.0%であり、ほとんどの企業は短大卒の採用を減らしていることが分かる。
 採用したことがない企業の割合は12.0%であり、採用実績のある学歴であるといえる。

【専門学校卒の割合】
 増減の割合は増加3.0%、減少47.0%であり、かなり減少傾向にある学歴であることが分かる。
 変化なしの企業の割合は37.0%であり、採用を減少させている企業が多いことが分かる。
 採用したことがない企業の割合は13.0%であり、採用実績のある学歴であるといえる。

【高卒】
 増減の割合は増加3%、減少50.0%であり、かなり減少傾向にある学歴であることが分かる。
 変化なしの企業の割合は28.0%であり、採用を減少させている企業が多いことが分かる。
 採用したことがない企業の割合は16.0%であり、採用実績のある学歴であるといえる。

【まとめ】
 以上の結果から、各学歴をその特徴毎に大まかに分けてみた。

大学院文系修了者・大学院理系修了者
 まだ、採用実績のない学歴である。ただ、微少ではあるが、採用を増加させている企業の方が多いため、将来採用実績のある企業が増えるだろう。

大学文系卒・大学理系卒
 変化なしの割合の大きさと、採用実績のある企業の大きさから、最も採用されることの多い学歴である。

短大卒・専門学校卒・高卒
 採用実績はあるが、採用を減少させている企業の多い学歴である。

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Copyright 2005, Okada Takahiro