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(2.お金の使い道 続き)

井谷 俊之

2-10.一ヶ月の交通費

 問17で「一ヶ月の交通費(自家用車などの維持費を含む)はいくらですか」と質問した【単純集計】の結果は、「三千円〜五千円未満」が20.8%と一番多い回答であった。二番目は「五千円〜七千円」および「九千円〜一万七千円」でともに14.6であった。大体、三千円未満から一万二千円未満までは大した差はなかった。「三千円未満〜七千円未満」と回答した人は、大学生という立場から考えると一人暮らしをして、電車を乗り継がず一本で来る事のできる駅近辺に住んでいる可能性が高いのではないかと考えられる。
 性別に見ると(表2-10-1)、徒歩〜三万円未満の間での回答の割合は男女ともほとんど均等であるということがわかる。一番多い回答は男性が「三千円〜五千円未満」の22.1%で、女性は「五千円〜七千円未満」の21.0%であった。意外だったのが「三万円未満〜四万円未満」および「四万円未満〜五万円未満」が全体ではともに0.6%で合わせて1.2%もいるということであった。三万円以上と回答したのは全員女性であり、この交通費の高さを考えると、新幹線など特急電車を使って通学している人もいるという事が考えられる。やはり女性は一人で暮らす事について男性より抵抗があるのではないか。

2-11.一ヶ月の食費

 問18で「月に食費はいくらぐらいかかりますか」と質問した(【単純集計】の結果は、一番多い回答が「二万円〜三万円未満」で全体の24.7%、二番目に多かったのが「一万円〜二万円未満」の23.6%であった。一人暮らしで見ると、一日1000円と計算しても、この「二万〜三万円未満」という回答は妥当、もしくは安く上がっているのではないか。実家で食費がかからなくても外食などを入れるとそのくらいは使ってしまうのではないかと考えられる。
 性別に見ると(表2-11-1)、男性で一番多い回答が「一万〜二万円未満」の24.2%で、女性は「二万円〜三万円未満」の32.1%であった。男性が女性より食費が安くすむのは、男性は安くて量の多い物を求め、店の雰囲気なども関係なく入れる。しかし女性は量よりも質、味や雰囲気などを気にして店を選ぶ傾向があるというのが要因ではないか。その結果が五万円以上と回答した人が男性1.1%に対して女性4.9%という結果にもつながっているのではないかと考えられる。

2-12.一ヶ月の外食回数

 問19で「あなたは週にどのくらい外食をしますか」と質問した【単純集計】の結果、「週1、2回」が一番回答が多く46.1%、ついで「週3、4回」が28.7%という結果であった。「毎日」が3.4%あるが、これは一人暮らしの人と考えていいだろう。大学生のアルバイトの収入を考えても、週1,2回が妥当と考える。

 外食をする人164人を対象として、付問で外食をするところを多重回答方式で質問した【単純集計】の結果、外食先別にみても大学生にとって手ごろな値段で食べられるファミリーレストランが61.6%、ファーストフードが52.4%と、やはり人気がある。
 性別に見ると(表2-12-1)、居酒屋が女性52.7%に対し男性40.9%と少ない。これは大学生の女性がサークルに入っていることが多くサークルの飲み会で居酒屋を多く利用するということが考えられる。しかし定食屋は男性の43.2%に対し女性は33.8%と少ない。これは前の設問の分析で予測した店の雰囲気が女性よりも男性に向いており、また安くて量が多いということが考えられる。

Copyright 2006, Itani Toshiyuki

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