【目次へ】

(2-3.コンピュータ系の資格(問4(3))つづき)

金井 智夏

2-3-3.規模別・業種別クロス集計

 規模別に見ると(表2-3-2)、概して、コンピュータ系の資格は大きな規模の企業よりも100〜199人の企業や99人未満の企業のように小さい規模の企業の方が採用の際に重視している。
 99人未満の企業で「優先して採用する」という回答が多かった資格は、ソフトウェア開発技術者試験(20.8%)とテクニカルエンジニア試験(情報セキュリティ)(18.9%)で、「取得していれば採用に有利」という回答が多かった資格は、初級システムアドミニストレータ(34.0%)、基本情報技術者試験(32.1%)、上級システムアドミニストレータ・情報セキュリティアドミニストレータ(30.2%)であった。また99人未満の企業ではすべての資格において「優先して採用する」の回答が他の規模の企業より多く、100〜199人の企業と比較しても「優先して採用する」と「取得していれば採用に有利」を合計するとほぼ上回るので、99人未満の企業が最もコンピュータ関係の資格を重視しているといえる。
 100人〜199人の企業では、「取得していれば採用に有利」という回答は、上級システムアドミニストレータ(44.7%)、初級システムアドミニストレータ(42.1%)、テクニカルエンジニア試験(データベース)・テクニカルエンジニア試験(ネットワーク)・テクニカルエンジニア試験(情報セキュリティ)(39.5%)が多かった。
 一方、200〜499人と500人以上の企業では、「関係ない」の回答が多く、コンピュータ関係の資格をあまり重視していない。「取得していれば採用に有利」の回答が多かったそれぞれの上位の資格は、200人〜499人の企業で初級システムアドミニストレータと基本情報技術者試験(28.6%)、500人以上の企業で初級システムアドミニストレータと情報セキュリティアドミニストレータ(32.4%)であった。

 業種別に見ると(表2-3-3)、 採用の際にコンピュータ関係の資格を最も重視するのはサービス業である。
 サービス業では、ほぼどの資格も「優先して採用する」が12%前後で他の業種に比べると高く資格によっての差はあまりなかったが、採用に有利では初級システムアドミニストレータ・情報セキュリティアドミニストレータ(37.9%)、上級システムアドミニストレータ(36.2%)が上位であった。
 サービス業の次にコンピュータ関係の資格を重視している製造業でも採用に有利となるのは、初級システムアドミニストレータ(38.8%)、上級システムアドミニストレータ(37.3%)であった。
 建設業では上級システムアドミニストレータ・情報セキュリティアドミニストレータ・テクニカルエンジニア試験(データベース)・テクニカルエンジニア試験(情報セキュリティ)(30.4%)が採用に有利であった。
 サービス・製造・建設業では業種に関係なく求める資格はほぼ共通である。
 卸・小売業では「関係ない」の回答が多く、コンピュータ関係の資格をあまり重視していないようであった。

Copyright 2007, Kanai Chinatsu

【目次へ】 |【つぎへ】