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13.従業員数と採用者数(問28)

山田 哲也

 問28では「男女別・年代別に正規・非正規採用者数とそれぞれ新規採用と中途採用者数について伺います」と質問した【調査票】。 なお、非正規従業員比率は、非正規従業員比率=非正規従業員数の平均値/(正規従業員数の平均値+非正規従業員数の平均値)*100という式により計算し、その有効回答は度外視した。

13-1.従業員数(問28)


 【単純集計】の結果は、男女計の平均は正規従業員数が435.58(人)、非正規従業員数が457.42(人)と、非正規従業員数の方が多く、非正規従業員数比率の平均は51.22(%)となった。ちなみに標準偏差は、正規が617.03 非正規が2779.96と、非正規従業員の方がはるかにバラツキが大きかった。
 男性従業員数の平均は、正規従業員数が330.27(人) 非正規従業員数が23.69(人)であり、男性では正規従業員の方が多かった。男性の非正規従業員比率は6.69(%)となり、この割合は20〜59歳の年代ではほぼ同じである。しかし、男性の非正規従業員比率は60〜64歳では34.25(%)、65歳以上では48.11(%)となり、高齢の男性では非正規従業員比率が高かった。
 女性従業員数の平均は、正規従業員が61.31(人)、非正規従業員が20.36(人)である。女性でも正規従業員の方が多く、非正規従業員比率は24.93(%)となる。この割合は一定ではなく、40代を超えると、非正規従業員数の割合の方が大きくなり、40〜49歳では52.72(%)であった。
 以上のように、男性と女性の従業員数を比較すると、男性は高齢になっても正社員として勤めている人が多く、女性は40代を境に正社員ではなく、パートなどの非正規従業員として就業しているのである。現在の日本でも、労働するうえではやはり男女平等ではなく、男性の方が働くのに有利だということがこの結果からわかる。

13-2.新規採用者数(問28)

 つぎに、新規採用者についてみてみたい。なお、新規採用者とは、高校、専門学校、短大、大学、大学院などの学校を卒業後すぐに採用した人のことを指す。【単純集計】の結果は、新規採用者数の男女計の平均は、正規が13.28(人) 非正規が0.03(人)であった。非正規採用者比率は0.23(%)であり、圧倒的に正規従業員の方が非正規従業員の採用より多いことになる。
 男性の比率はどの年代においても、全体の非正規採用者比率とほぼ同じである。30代を超えると新規採用者はいなかった。
 女性の場合、非正規の新規採用者はまったくいなかった。

13-3.中途採用者数(問28)

 最後に、中途採用者についてみてみたい。なお、中途採用者とは、学校を卒業後すぐに採用したのではなく、他社で雇用されたのちなどで採用した人のことを指す。【単純集計】の結果は、 中途採用者数の男女計の平均は、正規が9.22(人) 非正規が9.25(人)であり、非正規従業員比率の平均は50.10(%)となっている。つまり、中途採用者では非正規と正規がほぼ半々で採用されている。
 男性全体では 正規 7.56(人) 非正規 5.79(人)と非正規比率は 43.37(%)となっている。 ただし、正規・非正規ともにどの年代でも採用数は少なく、20代〜50代まで若干名の採用となっている。
 女性の場合はもっと少なく、女性小計で正規 1.52(人) 非正規 2.56(人)となっており、非正規比率は 62.65(%)である。年代別で見れば、正規・非正規ともにどの年代でも平均で1人採用することはなく、中途採用者を雇うことはかなり少ないことがわかる。

 採用者数について要約すると、

  1. 新規採用者より中途採用者のほうが採用数は格段に少ないが、中途採用者はどの年代でも採用している
  2. 新規採用者では非正規従業員をあまり雇わないし、女性より男性のほうが採用数が多い

Copyright 2009, Yamada Tetsuya

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