第3章 第1節 非公式組織【第3章の目次へ戻る】

 ここでは、公式組織に対置される非公式組織の概念と、初期のヒューマン・リレーションズについて検討する。非公式組織とは、概念レベルの研究に基づくBarnardや経験的研究に基づくRoethlisberger and DicksonなどのHarvard学派によって概念化されたものであり、ここでは、これらの研究、および、職務満足と生産性との関係を分析した研究のレビューを行う。
 非公式組織は、規則により制定された公式組織に並存するところの、人格的な相互関係のパターンとして概念化されたものである。ただし、この概念は、組織の均衡維持を促進する機能を担うという前提のもとで用いられてきた。また、非公式組織を操作化した職務満足やリーダーシップは、集団や組織を分析単位とする場合では組織成果を向上させる、という調査結果が得られている。

【先頭行へ】【つぎへ】

Copyright by 1997,1999 Ogiso, Michio