組織の能率(efficiency)は組織成員の組織への満足をアグリゲートした支持、コミットメントをアグリゲートした動員によって操作的定義することができよう。組織への支持の程度が高いことは、課業遂行者の目標と一致する方向に組織目標が修正されることを通じて、組織目標と課業遂行者の目標とが一致している程度が高いことを意味し、組織成員にとって組織目標への理解可能性が高くなるため、組織のコミュニケーションにおける情報エントロピーが低くなる。組織への動員の程度が高いことは、組織の目標と一致する方向に組織目標が修正されることを通じて、組織目標と課業遂行者の目標とが一致している程度が高いことを意味し、組織成員にとって組織目標への理解可能性が高くなるため、組織のコミュニケーションにおける情報エントロピーが低くなる。仕事への支持は組織への支持を増加させる、創発的構造の有機性は能率(満足とコミットメント)と正の相関関係にある、自律性・自発性は仕事への支持を増加させる、といった変数間関係が認められている。