イギリス大英博物館短期研究滞在実施報告
考古学コース博士課程後期4年 伊藤大祐
イギリス大英博物館短期研究滞在概要
高度博物館学教育プログラムの基幹事業である国際インターンシップの一環として、イギリス大英博物館短期研究滞在を20111年8月2日から8月17日にかけて行った。イギリス・ロンドン滞在中には、大英博物館(British Museum)所蔵資料の調査、英国図書館(British Library)所蔵資料の調査及び、博物館を中心とした周辺調査を行った。
大英博物館
大英博物館における資料調査
大英博物館における資料調査は、大英博物館スタディールームにおいて染織作品2点・漆原木虫の作品数点、大英博物館の外部倉庫においてアイヌ資料20点の調査を行った。
染織作品は、共に1910年に行われた日英博覧会において、高島屋の飯田新七が出品されたもので、山元春挙の作品を下絵とした「ロッキーの雪(Snow in the Roockies)」竹内栖鳳の作品を下絵とした「ヴェニスの月(Moon over the Venice)」の2点である。両作品は1994年にクリスティーズを通して、大英博物館の所蔵となったものである。
アイヌ資料は20点は、日英博覧会のアイヌ村落の展示のために渡英したアイヌの人々がイギリスに残した物である。アイヌ資料は大英博物館の外部倉庫に保管されていたため、外部倉庫に赴いて調査を行った。
大英博物館
日本ギャラリー
ロッキーの雪
『日英博覧会新美術出品図録』より
ヴェニスの月
『日英博覧会新美術出品図録』より
英国図書館
英国図書館における資料調査
英国図書館はイギリスの国立図書館である。1973年までは大英博物館の一部門であったが、大英図書館法により独立し、現在は蔵書の増加等によりセント・パンクラスにある。
英国図書館は、利用に際してリーダーパスの登録が必要であるため、英国図書館WEBサイトの案内を読み、WEBサイト上でプリレジストレーションを行い、本人確認と住所確認のための書類2点(パスポートと住民票)を持参の上で、レジストレーション・オフィスを訪れて、1ヶ月有効のリーダーパスを取得して、調査を行った。
英国図書館においては、主に日英博覧会、英仏博覧会等のイギリスで開催された博覧会に関する資料を収集した。
周辺調査
周辺調査として、ハマースミスパーク(Hammersmith park)に残された日英博覧会の日本庭園の調査とロンドンの博物館の調査を行った。
ハマースミスパークの日本庭園
ヴィクトリア&アルバート博物館
自然史博物館
ロンドン博物館
ナショナル・ギャラリー
テート・ブリテン