長野県下高井郡木島平村における学校博物館専門実習・特殊実習実施に向けた事前協議・調査

出張期間:平成21(2009)年10月22日(木)~23日(金)
出張者:青木豊・落合知子・伊藤慎二
用務先:長野県下高井郡木島平村
用務地:木島平村小中学校・木島平村教育委員会

 2010年度以降に実施する木島平村小中学校における専門実習・特殊実習実施に向けた事前協議をおよび事前調査を、樋口和雄氏(木島平中学校校長)のご教示を得ながら村内関係諸機関において実施した。
 木島平村は長野県北部に位置し、千曲川東岸の扇状地に広がる特色豊かな村である。村内には温泉やスキー場などの観光資源に恵まれ、環境と調和のとれた持続的な農業生産を目指して、木島平米などの農産物の有機栽培振興に力を入れている。木島平村一帯の歴史は大変古く、縄文時代草創期の三枚原遺跡、弥生時代後期末の根塚遺跡など、全国的にも著名な遺跡が知られる。なかでも、根塚遺跡からは、朝鮮半島南部の伽耶地域で製作されたと考えられる渦巻文装飾付鉄剣が全国で唯一出土している。中世末には、甲斐武田氏と越後長尾(上杉)氏の勢力圏のはざまとなり、近世には西側に隣接する飯山藩領から南側に隣接する幕府領中野陣屋(代官所)支配地へと所属が入れ替わった。
 木島平村では、村内小中学校の統合に向けて、それまで各学校が所蔵していた民俗資料を中心とする文化財を、農協倉庫を再利用して現在一括収蔵している。来年度以降の専門実習・特殊実習では、これらの整理・分類・記録作業を行い、最終的には統合後の小中学校における資料展示に成果を反映させる予定である。これに関連して、樋口校長からは、資料保管状況について逐一詳細なご教示があり、さらに各施設の現状、村内主要関連文化財、専門実習・特殊実習実施時の宿泊施設・生活環境など非常に多岐にわたる有益なご助言をいただいた。また、村役場において、樋口校長のご紹介のもと、戸梶晃輔氏(木島平村副村長)・日台正博氏(木島平村教育委員会生涯学習課長)・吉原佳市氏(木島平村文化財専門委員)と面会し、今後の専門実習・特殊実習実施に向けて村当局からも全面的なご理解と必要な支援についてご快諾をいただいた。今回の事前協議・事前調査により、来年度以降の円滑な専門実習・特殊実習実施の見通しが得られた。

木島平村役場における協議状況木島平村役場における協議状況

村内文化財展示施設見学状況村内文化財展示施設見学状況

学校所蔵文化財保管状況学校所蔵文化財保管状況

(文責:伊藤慎二)


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