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6.観光旅行で行ってみたい国(設問39〜設問42)

前田 芳・山本 貴弘

6-1.観光旅行で行ってみたい国(設問39)

 設問39は「観光旅行で行ってみたい国を、つぎのなかからすべて選んでください」と多重回答方式で質問した。 【単純集計】の結果は、第1位がイタリア(62.0%)、第2位はアメリカ(57.0%)、第3位がイギリス(52.5%)、第4位がフランス(48.9%)、第5位がドイツ(46.6%)、第6位がオーストラリア(37.1%)、第7位がスペイン(34.4%)、第8位がスイス(34.4%)、第9位が韓国(31.7%)、第10位がスウェーデン(24.9%)の順で回答が多かった。 しかし、GDP1位の中国に行きたいと答えた人は10.4%しかいなかった。アメリカや中国はよくテレビのニュースなどで取り上げられているのにどうしてこうも差が開いたのだろうか。また、ロシアも行きたいと答えた人が11.3%しかいなかった。「行ってみたい」という回答が多かった国は豊かでテレビでよく特集されている気がする。しかし、10%以下の国などはほとんど放送されなかったりするためにあまり選択されなかったのではないかと思う。また、行きたい国はないと答えた人は全体のわずか4.1%(9人)しかいなかった。

 性別では(表6-1)、女性の方が「行ってみたい」という回答が5%水準で多かったのは、カナダ(女性:36.6%>男性:24.5%)、韓国(女性:48.8%>男性:21.6%)、ギリシャ(女性:25.6%>男性:14.4%)、フランス(女性:59.8%>男性:42.4%)、ベルギー(女性:30.5%>男性:13.7%)であり、 男性の方が行ってみたいという回答が5%水準で多かった国は無かった。また、全体で上位3位のイタリア、アメリカ、イギリスは性別で有意差が認められず、男女ともに人気が高かった。

6-2.観光旅行で一番行ってみたい国(設問40)

 設問40は「観光旅行で一番行ってみたい国をつぎの中から1つだけ選択してください」と単一回答方式で質問した。 【単純集計】の結果は、第1位がイタリア(19.5%)、第2位はアメリカ(16.3%)、第3位が同率でフランスとドイツ(8.1%)、第5位が韓国(6.8%)、第6位がオーストラリア(5.4%)、第7位がイギリス(5.0%)、第8位が同率でスペインとスイス(4.1%)、第10位が同率でエジプト、ギリシャ、ベルギー(1.8%)の順で回答が多かった。設問39の多重回答では、第3位だったイギリスは、単一回答の結果ではドイツ、フランス、韓国、オーストラリアよりも回答が下回って第8位であった。

 設問40の性別のχ二乗値検定は、設問40を単一回答として扱う、および、個々の回答選択肢を多重回答として扱う両方の方法で計算した(表6-2)。設問40を単一回答として扱った場合の性別のχ二乗値検定は5%水準で有意差が認められたが、個々の回答選択肢を多重回答として扱った場合のχ二乗値検定の結果、1%水準で統計的な有意差が認められのは、男性に人気があったアメリカ(男性:22.3%>女性:6.1%)と、女性に人気があった韓国(女性:13.4%>男性:2.9%)だけであった。全体で第2位のアメリカという回答は、男性では22.3%とイタリアを上回っていたが、、女性では6.1%でありフランスや韓国より低かった。第5位の韓国という回答は、最近の日本は韓流ブームの流れがあるからか、女性の回答は13.4%ありイタリアに次いで多かった。全体で第1位のイタリアという回答は、男性では18.0%、女性では22.0%と、男女ともに人気が高かった。

6-3.その他の観光旅行で一番行ってみたい国(設問41)

 設問40で「その他」という回答は6.3%であり、設問41は「前問で『その他』と回答した方は観光旅行で一番行ってみたい国を書いてください」と自由回答方式で質問した。設問40で「その他」という回答が6.3%(人)と少なかったため、1%(3人)以上の回答があった国はなかった。

6-4.行ってみたいと思った理由(設問42)

 設問42は「前々問または前問で回答した国に行きたいと思う理由を、1つだけ選んでください。」と質問した。 【単純集計】の結果は、第1位がテレビや雑誌を見て興味を持ったから(71.9%)、 第2位がその他(16.7%)、第3位が行ったことがあるから(5.0%)、第4位が行きたい国の語学を学んでいるから(3.6%)、第5位が行ってみたい国はない(2.7%)の順で、第1位の回答が圧倒的に多かった。

 性別に見ると(表6-3)、第1位のテレビや雑誌を見て興味を持ったからという回答は、男性が69.1%、女性が76.8%であり、男女ともにほとんどの項目で類似した割合であった。テレビ番組で旅をテーマにしている番組や国についてのクイズ番組が毎週やっているので、一番人の視界内に入りやすい。ほかの回答も男女の間に大きな差は無く、カイ2乗検定の結果、有意差が認められず男女間での人気に大差がなかった。

Copyright 2012, Maeda Kaori and Yamamoto Takahiro, in 國學院大學経済学部 2011年度「アンケート調査」 『学食、スポーツ、インターネットの利用、ゲーム、自動車会社、行ってみたい国および収入と支出についての調査』

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