國學院大學トップへ 経済学部トップへ 【経済学部のカリキュラムの目次】

経済学部の教育内容と学修方法

 國學院大學の経済学部に入学し、所属する学科で、なにを、どのように学び、いかにして将来をきりひらいていくのか、あなたは既に方向づけができていますか。そう問われて、“イエス”と答えられるひとは少ないでしょう。今は、それでも許されます。しかし4年後に卒業するときには、次の問いかけにはっきりと答えられなければ、その責任はあなた自信が負わなければならなくなることを、忘れないようにしてください。

(1)

所属学科で、あなたが主に専攻してきた専門分野において、なにを学修し、卒業後それを社会にどのように役立てようとしていますか。

(2)

あなたの仕事や暮らしで、コンピュータと通信回線を使って、関係するデータに随時アクセスし、必要なものを検索し、有用な情報に加工し、説得的にプレゼンテーションすることができますか。

(3)

あなたが生まれ育った国や地域の文化、あなたが修得した知識やスキル、あるいはあなたの考えや意見を、外国語を通して正確に伝達することができますか。

 かっては上記のうち、少なくとも(2)と(3)は卒業後に身につけても遅くはないと考えられてきました。また(1)についても、たてまえはともかく、本音は“偏った知識を身につけているよりも無色透明な素直さがよい”とされてきました。だから大学が“人生の踊り場のレジャーランド”であっても、世間は見て見ぬふりをしてきました。

 しかしほとんど成長が期待できない成熟社会のなかでボーダーレス化とサイバー化が急速に進むにつれ、“規制管理型社会”“年功序列型社会”“終身雇用制”といった日本を支えてきた社会構造は見直され、新しい仕組みへと着実に移行しはじめています。あなたの世代では、およそ二人にひとりが大学に進み、大学生はありふれた存在です。だからこそ、大学生であることを自覚し、日頃から社会との繋がりを見出しつつ、それぞれの興味と関心に応じて(1)〜(3)のどこかにポイントをおいた形で学修することが期待されるのです。“授業時間割はあなた自身で作る”、これこそがそのための第一歩なのです。これから、そのガイダンスをすることにしましょう。

Q1:経済学部では、何を学修するのですか。わたしが所属する学科で学ぶことは、他の2学科で学ぶことと、どのような関係にあるのですか。
A1:経済学部の各学科で学修することは、次のようにまとめることができます。経済資源を必要としている経済主体に、それを適時かつ適量だけ配分することである経済活動について、歴史的、思想的、実証的、現象学的などのアプローチから分析し、その合理的あり方を考察して理論化するとともに、それを社会的に実現する方策を提言することを学びます。
三つの学科の相互関係についてみれば、経済学科が経済ネットワーキング学科および産業消費情報学科の基盤となっています。それぞれの学科が経済活動を教育研究の対象にすることで共通しますが、(1)それを捉える次元、(2)対象に取り組む視点、さらに(3)主として取り上げる経済の機能において異なっています。それらの関係は、図表1のようにまとめることができます。
Q2:各学科で卒業するために履修しなければならない学科目は、どんな構成になっていますか。
A2:大学では、学修の成果を計る尺度として“単位”を用います。45時間の学修時間について1単位が与えられることになっており、1セメスター(学期)の授業は15週間、通年授業は30週にわたり行われることになっています。また1回の授業については、実際は90分ですが、慣例上2時間行われるものとして扱われています。授業の種類に応じて、この図表2のように単位の計算は行われることになっています。
例えば、1セメスターの講義科目には2単位が与えられますが、それはこの授業期間中に90時間(2単位×45時間)の学修が行われることを想定しているからです。しかし、教室での実際の授業時間が30時間(2時間×15週) にとどまっていることに注意してください。そうです。その差60時間については、予習あるいは復習のため、あなたが自習するものと期待されていることを忘れないで下さい。
 これらの授業の形式を組合せ、また授業科目を必修科目、選択必修科目および選択自由科目に分けたうえで、卒業までの各年次に配当することで教育課程(カリキュラム)が編成されています。経済学部の各学科の卒業要件は、図表3のように定められています。
Q3:専門教育科目を構成する「専門基礎科目」「学科基幹科目」および「専門応用科目」は教育課程でどんな役割を果たしていますか。
A3:「専門基礎科目」は、樹木にたとえるならば経済学を学ぶうえでの根に相当し、育成に必要な養分を吸いあげるような導入教育を担うものとして、教養総合科目とも関連付けながら、経済学におけるものの見方や考え方の手ほどきを通して、データの収集や記録計算あるいは情報へ加工する技法の修得を行わせるものです。1・2年次の必修ないし選択必修の学科目として3学科共通で開設します。
「学科基幹科目」は木の幹に相当し、各学科で選考する教育研究領域を特徴づけるもので、原則として2年次で履修する選択必修の学科目です。なお経済学科と経済ネットワーキング学科の学生は、1・2年次のたまプラーザキャンパスにおける履修の後、3・4年次の履修は渋谷キャンパスで行うことになります。原則として、たまプラーザキャンパスにおける1・2年次用の学科目は渋谷キャンパスでは開講しませんので、たまプラーザキャンパスにおける履修が漏れのないようにしてください。
「専門応用科目」は、学科の教育研究の具体的分野として経済学科および経済ネットワーキング学科の「コース」ならびに産業消費情報学科における「分野」に枝分かれされ、みなさんががそれぞれの関心と問題意識に応じて系統的に学修することが期待されるものです。「わたしが大学で専攻したのはこれなんです」と胸を張って言えるような果実を実らせるため、「指定科目」から図表3に示した所定の単位を修得することが求められます。原則として3年次以上で履修することになります。
各学科に開設される専門教育科目の一覧表は、以下から選択してご覧ください。
【経済学科の専門教育科目】
【経済ネットワーキング学科の専門教育科目】
【産業消費情報学科の専門教育科目】
Q4:授業時間はどのように編成されているのですか。また、どのように履修したらよいのですか。
A4:経済学科と経済ネットワーキング学科については、月曜日、火曜日、金曜日は第1限から第5限まで、水曜日と木曜日は第1限から第4限まで、そして土曜日は第1限と第2限、1週で合計25時限の授業が開かれ、原則としてその中から履修することになります。
一方、産業消費情報学科については、月曜日から金曜日までは第6限と第7限、土曜日は第1限から第7限まで、1週で合計17時限の授業が開かれ、原則としてその中から履修することになります。なお月曜日から金曜日までの第5限については、一定の条件を満たしたときに履修することが認められています。
Q5:卒業までの履修にあたり、制限が付されていることなどにより、なにか特に留意しておかなければならないことはありますか。
A5:入学時:経済ネットワーキング学科の学生は、3・4年次において「専攻地域言語」とマレー語、ポルトガル語、中国語、英語の中から一つを選択して、それぞれ通年で履修しなければなりません。一方、教養総合科目の外国語については、既修外国語の英語に加え、未修外国語としてドイツ語、フランス語、中国語の中からひとつを選択し、2カ国語を履修することが求められています。したがって「専攻地域言語」としてマレー語かポルトガル語を履修しようとする学生は、3カ国語を履修しなくても済むようにするため、経済ネットワーキング学科の学生だけを対象に例外的に開設されるマレー語ないしポルトガル語の未修外国語のクラスを履修してください。
2年次:経済学科および経済ネットワーキング学科の学生は、2年次の履修登録にあたって専攻するコースを選択することが求められます。そのためには、1年次において専門基礎科目のうち必修2科目4単位を含め合計8単位以上を修得していなければ、コースを選択することができなくなり、卒業要件のひとつとなる専門応用科目のうちのコース別選択必修科目の履修が3年次まで特定化できなくなります。
3年次:2年次が終了するまでに、所要卒業単位に関し一定の要件を満たしていないものは、3年次に進級することはできません。
また3年次の専門応用科目の履修にあたっては、16科目を越えて履修できないようにしてあり、4年次おいても一定数の授業科目を履修しなければなりません。
他学科履修:あなたの興味と関心に応じて、一層充実した学修を行うため、所属する学科には開設されていない授業科目で経済学部の他学科に開設されているものの履修を希望するときは、別に定めることころにしたがって卒業までに合計16単位を越えない範囲で、他学科における履修が認められます。
Q6:コンピュータや外国語について系統的で、重点的な履修を行うことはできますか。
A6:いずれについても、1年次から4年次まで系統的かつ重点的な履修を行うことが可能です。
まずコンピュータを用いた情報処理教育に関しては、コンピュータリテラシーから情報システムへ、そして情報処理言語へと系統的に展開する教育が受けられるようになっています。これからは、必要なデータを随時入手して、それを適切な情報に加工し、タイムリーに発信することが求められますが、膨大なデータを収集、整理、保管し、情報に加工するについてはコンピュータを活用することが欠かせません。このコンピュータリテラシーに関して、1年次に履修する「コンピュータと情報A(必修)」と「コンピュータと情報B」が、また2年次から履修できる「コンピュータと情報C」および「コンピュータと情報D」の学科目が開設されています。次に、使い勝手のよいアプリケーションソフトの急速な普及と通信回線を介しての外部接続が簡便化するにつれ、情報システムの設計、構築、運用および保守についても基本的な知識と操作手順を修得しておくことが求められています。この養成に対応するものとして、3・4年次に履修する「情報システムとネットワーク」および「情報システムの形成」が開設されています。さらに、必要に応じC言語系統の情報処理言語に手なれ、独自のプログラム作成ができるように、「情報処理特論I」および「情報処理特論II」も開設します。
外国語については、経済ネットワーキング学科の学生は専攻地域言語を4年間にわたり学修することが求められていますが、経済学科および産業消費情報学科の学生についても、教養総合科目に応用発展科目として開設される外国語II・IIIの履修により卒業まで外国語に親しんでいくことが望まれます。また外国語については、特定年次で集中的に学修することもできます。

他の科目を含めて系統的履修への一般的なガイドラインとして、この表を参考にしてください。

【経済学部ホームページの目次に戻る】【先頭行へ】