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千々和到 教授 (CHIJIWA Itaru) |
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文学修士 |
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東京大学文学部国史学科卒業(1971.3)
東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(1973.3) |
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専門分野 |
日本中世史 |
研究テーマ |
中世の民衆生活史,鎌倉時代の宗教・文化史 |
授業担当科目 |
史学入門、日本史演習U・V,日本中世史研究1(大学院),日本中世史特殊研究1・史料学研究1(大学院) |
主要著書・論文 |
『板碑とその時代』(平凡社、1989年)
『概論 日本歴史』(共著、吉川弘文館、2000年)
「『誓約の場』の再発見」(『日本歴史』422、1983年)
「中世日本の人びとと音」(『歴史学研究』691、1996年)
「霊社上巻起請文−秀吉晩年の諸大名起請文から琉球中山王起請文へ−」(『國學院大學日本文化研究所紀要』88、2001年) |
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ゼミについて
私は鎌倉時代史と、中世文化史を専門としています。だから私の学部のゼミでは『吾妻鏡』を、大学院のゼミでは『東寺文書』
や『東大寺文書』などを史料に使うことが多いです。大学での授業のほか、夏休みや春休みには、フィールドワークや合宿をしています。そういうときには、できるだけナマの史料に触れたり、院生も学部生も、学年を越えて一緒に議論したり、調査したりするようにして、自分なりの研究方法を見つけられるように努力しています。
そして私のゼミ生の卒業論文のテーマですが、鎌倉・南北朝時代の政治・社会史と、私の研究テーマに近い、中世の民衆生活史・文化史・仏教史や史料論とが、ほぼ半々です。文化史などでは、前期だけでなく、中世後期を主として研究しよう、というゼミ生もいます。
また、来年度の「日本史演習U」でも、鎌倉幕府の歴史書である『吾妻鏡』をテキストにして、鎌倉時代の政治と文化を中心に考えていく予定です
が、ゼミ生の希望に応じて、室町・戦国時代の史料も見たいと考えています。 |
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受験生や学生に一言
今、なぜ歴史を研究しているのか、と問われれば、地べたをはうように生きてきた日本の民衆が、何を考えながら生きていたのかを知りたいから、と答えると思います。でもはじめからそうかと聞かれれば、そうじゃない。子供の頃、歴史のマンガや東映のチャンバラ映画が大好きでよく見ました。そこから「昔」が好きになった。そんなことがきっかけだったように思います。きっかけは、何でもいいのじゃないですか。以前ある学生が演習のときに、史料を読むとき言葉の意味を教えないで学生に調べさせるのは反則で、教えるのは教員の給料のうちだと冗談半分に文句を言いました。そうかもしれません。でも、私は言葉の意味を教えるつもりは
あまりないのです。なぜなら、いわば辞書などを引いて調べるのが学生の仕事で、調べること・調べ方を教えることこそ、教員の仕事だと考えているからです。だって研究者になるひとは別として、多くの学生にとっては、社会に出たら中世の言葉の意味の知識なんてそのままただちに役に立つはずないでしょう。勝負は、何かにぶつかったとき、どう調べ、分析するかをカラダで知っているかどうか、だと思います。日本史の史料調査や分析方法を学び、さらに自分の意見をまとめて相手に正確に伝える能力を鍛えることは、きっと社会で役立つチカラになるでしょう。 |