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吉田 敏弘 教授 (YOSHIDA Toshihiro)

文学修士
京都大学文学部史学科卒(1977.3)
京都大学大学院文学研究科修士課程修了(1980.3)
京都大学大学院文学研究科博士課程中退(1981.3)

専門分野 歴史地理学,地図史
研究テーマ 日欧の中世農村論,荘園絵図・寺社絵図をはじめとする中世絵図研究    
授業担当科目 史学入門、史学基礎演習B、史学展開演習、日本史演習U・V、歴史地理演習U・V、歴史地理概論T、歴史地理学各論T、人文地理学各論U、歴史地理調査法,歴史地理学特殊研究1特殊研究(大学院),地図学研究1特殊研究(大学院)
主要著書・論文 『中世荘園絵図大成』(共編著、河出書房新社、1997年)
『歴史地理調査ハンドブック』(共編著、古今書院、2001年)
「中世村落の構造とその変容過程−「小村=散居型村落」論の歴史地理学的再検討−」(『史林』66−3、1983年)
「中世絵図のランガージュ研究にむけて−その空間表現を中心に−」(水津一朗先生退官記念事業会編『人文地理学の視圏』、大明堂、1986年)
「四至牓示絵図考」(『歴史地理学』144、1989年)

ゼミについて
 
歴史地理学コースは1部史学科に1998年入学の学生より開設された、史学科で最も新しいコースです。歴史地理学専門のコースとしては、他に筑波大学(歴史人類系)を数えるのみの、全国でも非常にユニークなものといえるでしょう。歴史地理学担当の専任教員は林和生先生と私の2名のみですが、多数の非常勤講師の先生方を講義にお招きして、充実したカリキュラムを提供できていると自負しています。
 演習や卒論では専攻生すべてに対し林先生と吉田が共同で指導にあたっています。学部生のゼミでは、歴史地理学のさまざまなテーマに関して、多くの論文や著書に接し、これらを精読することを眼目としています。論文や著書に対して、学生はとかく難しいものと構えがちですが、慣れてくれば、あるいは多数の論文を比較しながら読めるようになると、批判的に読むことができるようになります。歴史地理学コースだけの問題ではありませんが、われわれは演習T〜V、および卒論作成の目標として、論文を批判的に読む力を養い、問題点とその解決の方法を見出してゆく、という手続きをしっかり身につけることにおいています。もちろん、歴史地理学的な研究を実践するためのいくつかの技術的な方法も指導します。各種地図に関わるさまざまな作業と読解、空中写真の利用法、最近のコンピューターによる情報処理(GIS)、そしてフィールドワークの方法など、歴史地理実習と演習を活用していろいろと体験してもらうことになっています。これに関連して、私は各地の荘園調査を継続しており、学部生・大学院生、学内サークル地理学研究会などの有志と共に、3〜4泊程度の合宿形式で現地調査の指導をしています。1998年度までは岩手県の陸奥国骨寺絵図の現地を調査してきましたが、今年度からは和歌山県の紀伊国井上本庄の調査に着手します。また、岡山県の備中国新見庄、滋賀県の近江国比良庄に関しても、随時調査を継続していますので、ゼミ生以外でも希望者は申し出てもらいたいと思います。

受験生や学生に一言
 
歴史地理学は地理学の立場から過去を研究する分野ですが、実際の研究にあたっては、関連する歴史学や考古学、民俗学などの論文をしっかりと吟味し、それらの問題点について地理学的な立場から知見を加える、という場合が多いように思われます。もちろん古文書や考古史料なども自ら活用できる力を養わなければ成りません。こうした学際性こそが歴史地理学の魅力であり、また難しいところであると思います。こうした困難さにめげず、貪欲に新たな知見の獲得をめざして行動できる学生諸君の参加を期待しています。
 さらに、古地図研究は歴史地理学コースの最もユニークな分野であると自負しています。日本の古地図のみでなく、広く海外にも視野を広げ、古地図に表現された過去の社会の空間認識を読解する楽しみを、本学歴史地理コースで味わってもらいたいと考えています。