「物語絵巻の世界 —國學院大學図書館所蔵作品を中心に—」 | ||||
会期:5月13日(日)~20日(日) 開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで) 会場:國學院大學伝統文化リサーチセンター資料館企画展示ゾーン 入館料:無料 | ||||
ギャラリートーク開催 |
||||
本展は平成24年5月18日(土)~20日(日)にかけて國學院大學で開催される第65回美術史学会全国大会関連企画として、國學院大學研究開発推進機構伝統文化リサーチセンター資料館・國學院大學図書館のご理解とご協力を得て開催される展覧会である。監修はシンポジウムのコメンテーターのひとりである國學院大學文学部長針本正行氏である。 「物語絵巻の世界」と題し、國學院大學図書館所蔵の絵巻・絵本・版本を用いて、当該テーマに則した展示を行う。 具体的には、以下の3つのテーマで展示を構成する。 | ||||
I.伊勢物語絵の世界 | ||||
1-1 伊勢物語絵の史的展開 伊勢物語が奈良絵本として絵画化され、流布していく前提として、室町時代以降の注釈書が影響を与えたことが指摘されている。絵画作品のみではなく、それを生み出す背景となった伊勢物語の注釈書や、絵本・絵巻・版本などの媒体について、室町時代後期から江戸時代初期までの流れを概観する。 出品資料 1.伊勢物語古注 室町時代後期 2.「伊勢物語聞書」 室町時代後期 3.奈良絵本伊勢物語 中冊・下冊 江戸時代前期 4.覆刻整版本伊勢物語 中冊・下冊 江戸時代 5.絵入刊本伊勢物語 1671年 |
||||
1-2 伊勢物語絵の構図比較 伊勢物語絵のなかから、①「筒井筒」②「東下り」の2場面の構図比較を行う。版本の与えた影響や、詞書と描かれた絵画との関係性についても考えてみたい。 出品資料 6.伊勢物語絵巻(武田祐吉博士旧蔵本)上巻 室町時代後期~桃山時代 7.奈良絵本伊勢物語上冊 江戸時代前期 8.覆刻整版本伊勢物語上冊 江戸時代 9.伊勢物語絵巻(武田祐吉博士旧蔵本)下巻 室町時代後期~桃山時代 |
||||
|
||||
II.竹取物語絵の世界 | ||||
2-1 竹取物語絵の史的展開 竹取物語が絵画化され、流布していく過程を、本文・絵画だけでなく、絵巻という形態や、大きさ・装幀に注目して展示する。 2-2 竹取物語絵の構図比較 竹取物語絵巻のうち、「天人、来迎する」「かぐや姫、昇天する」の場面の構図比較を3本の異なる絵巻を用いて行う。詞書とテクストの相違についても、考察する。 出品資料 10.竹取物語絵巻(武田祐吉博士旧蔵本)中巻・下巻 寛文・延宝期 11.竹取物語絵巻上巻・中巻(ハイド氏旧蔵本) 12.竹取物語絵巻上巻・中巻(小型絵本)元禄期 13.竹取物語絵巻下巻(武田祐吉博士旧蔵本)寛文・延宝期 14.竹取物語絵巻下巻(ハイド氏旧蔵本)寛文・延宝期 15.竹取物語絵巻下巻(小型絵本)元禄期 |
||||
|
||||
III.寛文・延宝期の絵双紙屋 | ||||
3-1 物語絵巻の制作事情① 詞書書写者・朝倉重賢と御絵双紙屋大和大極(源小泉) 國學院大學図書館が所蔵する奈良絵本のなかには、「烏丸通桜馬場町御絵双紙屋 大和小泉」「源小泉大和大極」という印記を持つものがある。詞書書写者は朝倉重賢という人物であるとされている。 3-2 物語絵巻の制作事情② 同一詞書書写者と同一絵師グループ 異なる物語であるにもかかわらず、絵画の構図が酷似している「舟のゐとく」「呉越絵」という絵巻の構図を比較する。詞書書写者についても、同一人物の手によると考えられている。 本章を通じて、寛文・延宝期の絵巻制作の背景について、考えてみたい。 出品資料 16.奈良絵本住吉物語 寛文・延宝期 17.舟のゐとく 江戸時代初期 18.「呉越絵」 江戸時代初期 19.「羅生門」 江戸時代初期 20.舟のゐとく 江戸時代初期 21.「呉越絵」 江戸時代初期 |
||||
|