欠損値の定義|SPSSの使い方

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欠損値の定義 (MISSING VALUES)

 欠損値(missing value)とは、無回答や非該当など集計から除去する値のことである。SPSSでの欠損値には、システム欠損値と、ユーザー定義欠損値との2種類がある。
 システム欠損値とは、素データでブランクを入力してあった場合、つまり、非該当をブランクとコーディングした場合に、SPSSが自動的に欠損値として定義するものである。システム欠損値は集計に含めることができないため、無回答の場合には(=非該当以外では)使用しない方がよい。
 ユーザー定義欠損値とは、例えば、無回答を0や9とコーディングした場合に、ユーザーが自分で定義する欠損値のことである。無回答は単純集計や「基本」クロス集計では集計に含めることがあるため、(システム欠損値ではなく)ユーザー定義の欠損値を選択することが望ましい。ユーザー定義の欠損値は3つまでの個別の欠損値、または、範囲と1つの個別の欠損値のどちらかまで指定することができる。ここでは、ユーザー定義欠損値について説明する。

  1. シンタックス・ウィンドゥによる定義〜シンタックス・ウィンドゥの開き方

     欠損値定義は、シンタックス・ウィンドゥを開いて、下記のようにコマンドを入力して実行する方が実用的である。とくに、複数の変数に対して(例えば「9」など)同一の欠損値を定義する場合には、実用的である。

    表1 MISSING VALUESのシンタックス
    missing values 変数リスト(欠損値リスト) /変数リスト(欠損値リスト)・・・・.

     ここでは、國學院大学 経済学部経済ネットワーキング学科「社会経済調査UA・B」 1999年度「企業の環境対策への取り組みと商品開発戦略についての調査」の調査票と単純集計【を開く】の問20(業績)を例にとる。問20は無回答を「9」とコーディングしたので、q20の「9」を欠損値定義した。

    表2 q20でのMISSING VALUESのシンタックス例
    missing values q20(9).

  2. 変数ビューによる定義変数ビューの開き方
    1. データ定義したい変数の行の欠損値の列をダブルクリックすると、[欠損値]ダイアログ・ボックスが開かれる(図1)。
    2. 3つまでの個別の欠損値を定義したい場合には、[個別の欠損値]チェックボックスをクリックし、その下の3つのテキスト・ボックスに欠損値を入力する。
      図1では、「9」という1つの欠損値を定義している。
    3. 範囲と1つの個別の欠損値を定義したい場合には、[範囲に個別の値をプラス]チェックボックスをクリックし、[始]テキスト・ボックスに最小値を、[終]テキスト・ボックスに最大値を入力し、[個別の値]テキスト・ボックスに個別の値を入力する。

      図1 [欠損値]ダイアログ・ボックス(22版)

    4. 欠損値を入力し終えたならば、[OK]ボタンをクリックする。

    Copyright: text 2000-2013 by Michio Ogiso, graphics by 1999-2009 SPSS Japan, 2010-2013 IBM Corp., Revised on 21. Oct. 2013

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