碑文
|
表<縦書き> 殉拓覺霊塔 正四位勲二等 林壽夫書
裏<縦書き> 立志郷関ヲ出テテ遠ク萬里ノ波濤ヲ越エ■■■地殖産ノ事ニ従フ真ニ人生ノ快事ニシテ<改行>又民族伸展ノ礎石タリ抑々我カ國民海外發■■歴史ハ古ク然モ近世ニ至リテ國運ノ興隆<改行>ト共ニ愈々其ノ速度ヲ加ヘ今ヤ大陸ヲ始メ世界各地ニ向ヒテ滔々乎タル民族移動ノ巨波<改行>ヲ送リツツアリ 後ニ冨嶽ノ秀麗ヲ頂キ前ニ大洋ノ豪宕ヲ望ミ年来生々溌溂タル意氣ト<改行>靭強ナル体躯トヲ育成シ来タレル我ガ静岡縣人ハ常ニ海外雄飛ノ前衛ニシテ各地ニ巨大<改行>ナル足蹟ヲ残シツヽアリ我カ南洋群島ノ帝國委託統治領トナルヤ率先シテ此所ニ渡来シ<改行>爾来孜々營々トシテ産業開發ニ専ベシ酷熱ノ下瘴癘ト戦ヒツヽ不屈不倒克ク協力戮力シ<改行>来リ其ノ實績亦大イニ見ルヘキモノアリ現ニ昭和[十]二年ニ於テハ静岡縣人ノミニテモ壹<改行>百名ノ多キニ達シ郷黨相誡メテ互ニ奮勵努力為メニ縣人會ノ基礎モ愈々■固トナレリ然<改行>ルニ志ヲ同シテ渡航セル者ノ中ニハ不幸志半ハニシテ異郷ニ客死シ我カ南進國策ノ貴ト<改行>キ犠性<ママ>トナレルモノモ亦少カラス我等同志一同ハソレラ故人ニ對シ今更哀悼ノ念禁■ル<改行>能ハサルモノアリ茲ニ會員相計リ南十字星ノ大佛桑花繁ル地ヲ卜シ碑ヲ建テヽ物故同志<改行>ノ霊ヲ慰メント欲ス冀クハ在天ノ諸霊永ヘニ我ガ微志ヲ享ケ皇國拓殖ノ前途ニ昭鑑ヲ<改行>垂レ給ハンコトヲ茲ニ所感ヲ録シテ以テ碑銘トナス 昭和十三年七月 日 南興水産株式会社専務取締役 庵原市蔵謹誌 <■は破損(弾痕)により判読不能>
|