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文庫・新書のリスト

日本語学を楽しむ文庫・新書のリスト                          諸 星 美 智 直 

( 品切れ中の書も含む) 2001,辛巳,11,17現在

(1)小説
    ・戯曲
(2)伝記
   (国語学史)
(3)日本語
     一般
(4)語彙 (5)敬語 (6)音韻 (7)文字
(8)古典語 (9)近代語 (10)国語史 (11)方言 (1II)日本語
     教育
(13)パソコン  

   (1)小説・戯曲 
1、『砂の器』上下(松本清張著、昭和48年3月II7日・30日、新潮社発行・新潮文庫草109x)◇社会派清張の代表作。方言をトリックに用いた推理小説の古典的名作。但し、刑事が訪れる国立国語研究所は昔の場所。
2、『吉里吉里人』上中下(井上ひさし著、昭和60年9月II5日、新潮社発行・新潮文庫い-14-16)◇東北の一寒村が突如日本から分離独立して「吉里吉里国」となった。「俺達の国語ば可愛がれ」の標語で有名な、方言の魅力満載の抱腹絶倒の長編小説。
3、『ら抜き言葉殺人事件』(島田荘司著、1994年2月20日、光文社発行・光文社文庫)◇作家の言葉遣いが発端となって起きた殺人事件。さてその謎は。本格的推理小説。
4、『ら抜きの殺意』(永井愛著、2000年6月20日、光文社発行・光文社文庫)◇「ら抜き言葉」を連発する社員と「ら抜き言葉」が我慢ならない中年アルバイトとが繰り広げる抱腹絶倒のドタバタ喜劇(戯曲)。過剰敬語もギャグになっている。     上へ戻る

  (2)伝記(国語学史) 
1、『日本語はいかにつくられたか』(小池清治著、1995年6月7日、筑摩書房発行・ちくま学芸文庫コ-3-1)◇太安万侶の表記、紀貫之の和文、藤原定家の仮名遣い、本居宣長の音韻研究、夏目漱石の文体、時枝誠記の文法研究、など、日本語の創造と表現、および研究のあとを辿る。
2、『やちまた』上下(足立巻一著、1995年4月1日、朝日新聞社発行、朝日文芸文庫、初出1968年〜1973年「天秤」に連載、1990年10月河出書房新社発行)◇国語学史上の名著『詞のやちまた』を著した近世後期の盲目の国語学者本居春庭の生涯と、それに惹かれて調べる自らの半生を織り交ぜて綴る。評伝を書く楽しさに引ずり込まれる名作。
3、『言葉の海へ』(高田宏著、1998年4月15日、岩波書店発行、同時代ライブラリー341、1978年7月新潮社発行、1984年2月新潮文庫発行)◇仙台藩の洋学の家に生まれて戊辰の動乱をくぐり、明治の日本を代表する近代国語辞書『言海』を長年の苦心の末に完成させた大槻文彦の生涯を描く感動的な伝記文学。            上へ戻る

  (3)日本語一般  
1、『日本語練習帳』(大野晋著、1999年1月20日、岩波書店発行・岩波新書(新赤版)596)◇言わずと知れた大ベストセラー。
2、『日本語の文法を考える』(大野晋著、1978年7月20日、岩波書店発行・岩波新書(黄版)53)◇「つまらない」と思われがちな日本語の文法を考え、体系を追究することの面白さを、「既知と未知」、「状態と情意」、「判断の様式」などの考察を通じて説く。
3、『私家版日本語文法』(井上ひさし著、昭和59年9月25日、新潮社発行・新潮文庫い-14-14)◇日本語に深い関心を持つ作家が説く日本語の魅力。文法・語彙・表記・敬語などに関するさまざまな話題を、順不同に、かつ珍妙な資料からも用例を引いて爆笑を誘う。
4、『日本語を考える』(岩淵悦太郎著、1977年6月10日、講談社発行・学術文庫159)◇日本語の現状を分析し、歴史的事情を客観的に述べ、日本語の正確な知識の普及をはかる。
5、『日本語 新版』上下(金田一春彦著、1988年1月20日・3月22日、岩波書店発行・岩波新書(新赤版)3)◇日本語の特徴を、発音・語彙・表記・文法などから検討して解明。ロングセラーの旧版を、最新の研究成果に基づき全面的に改稿。
6、『日本語案内』(中村明著、2000年12月20日、筑摩書房発行・ちくま新書276)◇文章・文体・表現を専門とする著者による一般向けの日本語概説。
7、『日本語と世界』(大野晋著、1989年9月10日、講談社発行・学術文庫893)◇本居宣長・橋本進吉の国語学を語り、あるいは稲荷山古墳出土鉄剣銘を国語学的に検討するなど日本語研究への情熱が漲る。
8、『日本語はどういう言語か』(三浦つとむ著、1976年6月30日、講談社発行・学術文庫43)◇科学的な言語論の確立を意図し、膠着語に属する日本語の文法構造をわかりやすく解明。
9、『日本語はどんな言語か』(小池清治著、1994年10月20日、筑摩書房・ちくま新書009)◇日本語の構文の謎を、学校文法から離れて、「題説構文」と「叙述構文」を説き、述部の構造(ヴォイス・アスペクト・テンス・ムード・陳述)に及ぶ。山田文法・松下文法・佐久間文法・三上文法を自在に操る。文法論の虜になること請け合いの一冊。
10、『現代日本語文法入門』(小池清治著、1997年6月10日、筑摩書房発行・ちくま学芸文庫コ-3-2)◇格関係一本槍であった従来の文法学説に対して、本書は、格関係と係関係の多重構造として日本語の文構造を把握して解説、また、「作品」までを文法研究の対象とする。
11、『日本語はおもしろい』(柴田武著、1995年1月20日、岩波書店発行・岩波新書(新赤版)373)◇日常の話し言葉・外来語・オノマトペ・隠語・文法・方言・アクセントなどの、さまざまな角度から日本語を検討した書。本当に、「日本語はおもしろい」。
12、『日本語は国際語になりうるか』(鈴木孝夫著、1995年7月10日、講談社発行・学術文庫1188)◇言語社会学の立場から日本語の特性を考察し、国際語としての可能性を探る。
13、『日本語は七通りの虹の色』(井上ひさし著、2001年2月25日、集英社発行・集英社文庫い-13-12)◇エッセイではあるが、日本語に関する話題が多い。            上へ戻る


  (4)語彙 
1、『日本語と辞書』(山田俊雄著、昭和53年2月15日、中央公論社発行・中公新書494)◇『倭名類聚抄』『色葉字類抄』『節用集』など、古典籍を読む際にお馴染みの平安時代から近世に至る字書・辞書の歴史を、日本語語彙の性格・変遷に照らして考察。
2、『読みもの日本語辞典』(中村幸弘著、平成9年6月25日、角川書店発行・角川文庫10390)◇「うら枯れる」の「うら」、「曲者」の「くせ」など、現代日本語の和語のうち、古語の要素から構成されているもの100項目を取り上げ、その変遷を「読みもの」として楽しく語る。
3、『難読語の由来』(中村幸弘著、平成10年12月25日、角川書店発行・角川文庫10902)◇「黄鶏」(かしわ)、「女形」(おやま)など、「常用漢字表」の音にも訓にもない読み方をする語を集めて、その読みの由来を説いた興味津々の珍書。
4、『新解さんの謎』(赤瀬川原平著、1999年4月10日、文芸春秋発行・文春文庫あ-36-1)◇「ごきぶり」の項に「さわると臭い」、「馬鹿」の項に「公の席では刺激が強過ぎるので使わない方がいい」などの懇切丁寧な記述のある、読んで楽しいあの三省堂「新明解国語辞典」の不思議な世界に踏み込んだ、抱腹絶倒の珍書。
5、『広辞苑を読む』(柳瀬尚紀著、平成11年12月20日、文芸春秋発行・文春新書081)◇『広辞苑』『大辞泉』『大辞林』を読み比べ、それぞれの一長一短を説く。
6、『毎日の言葉』(柳田国男著、平成5年3月25日、新潮社発行・新潮文庫や-15-5、昭和21年7月創元社発行)◇標題の他、買物言葉・あいさつの言葉等も収める。
7、『ことば散策』(山田俊雄著、1999年8月20日、岩波書店発行・岩波新書(新赤版)628)◇幼いころ父母から聞いた言葉の語誌・用法を、豊富な文献を用いて探求。国語学の神髄。
8、『語源をさぐる』(新村出著、1995年3月10日、講談社発行・文芸文庫し-F-2)◇『広辞苑』の編者として知られる著者が蘊蓄を傾けた語源談義。「松竹梅」「鶴」等48編。
9、『語源の快楽』(萩谷朴著、2000年8月1日、新潮社発行、新潮文庫は-27-1)◇「あいにく」「あんぽんたん」「うだつが上がらぬ」「かめ・餃子」など、さまざまな語の語源を述べる。どこから読んでも楽しい本。『おもしろ奇語事典』を解題。索引付。
10、『知っているようで知らない日本語』(柴田武著、2001年2月15日、PHP研究所発行・し-17-1)◇語源まで知っているつもりで実は知っていることにならない語543項目を、無駄話・駄洒落をいれながら楽しく説く。
11、『日本語 役に立たない博学事典』(博学こだわり倶楽部編、1999年8月1日、河出書房新社発行・KAWADE夢文庫K404)◇まともな人が読むと頭に来る本。位相語に関する話題が多い。
12、『モノの名前がズバリ!わかる本』(素朴な疑問探究会編、1999年9月1日、河出書房新社発行・KAWADE夢文庫K405)◇名前を知らずに使っている「通水カップ」「気泡緩衝シート」等。
13、『日本語dojidesドジデス』(ユーモア人間倶楽部編、1999年6月1日、河出書房新社発行・KAWADE夢文庫K394)
◇言い間違い・勘違いの例の集大成。同じ体験をしていたら恥。
14、『20世紀語辞典』(「死語」復活委員会編、2001年1月25日、二見書房発行・二見WAIWAI文庫213)◇60・70年代の死語集。208頁の伊豆熱川の山水館のまさ子の「おみゃあ」は「名古屋弁」ではなく「静岡方言」か「伊豆方言」とすべき。後世の研究者は原典にあたり正確を期す必要がある。            上へ戻る

  (5)敬語 
1、『敬語』(大石初太郎著、1986年4月24日、筑摩書房発行・ちくま文庫お-3-1、1975年4月30日、筑摩書房発行)◇職場・家庭・放送・新聞などの敬語の実態を豊富な用例を引いて分析し、現代敬語の使い方を平易に説く。例文の佐藤栄作・北の湖は懐かしいが、内容は今でも新鮮。
2、『敬語を使いこなす』(野本菊雄著1987年9月20日、講談社発行・現代新書868)◇敬語の基本的な役割と場面による使い方を平易に解説。
3、『敬語』(南不二男著、1987年2月20日、岩波書店発行・岩波新書(黄版)365)◇敬語を、広い範囲で外国語の場合も併せて考察。敬語のしくみとはたらきを全面的に解明。
4、『敬語』(菊地康人著、1997年2月1日、講談社発行、学術文庫1268)◇現代敬語の仕組みをわかりやすく説明した書。言語学者による正確な記述。
5、『敬語再入門』(菊地康人著、平成10年8月20日、丸善発行・丸善ライブラリー205)◇コンパクトな敬語入門書。Q&A形式で100項目。付録に敬語ミニ辞典など。索引付。
6、『敬語はこわくない 最新用例と基礎知識』(井上史雄著、1999年5月20日、講談社発行・現代新書1450)◇いきなり「ことば殺人事件」から始まり、「敬意低減の法則」と「敬語の丁寧語化」を二大テーマとして、「敬語の民主化」「〜せていただくの進出」など現代敬語の動向を鋭く観察し整理する。
7、『知らないと恥をかく「敬語」』(浅田秀子著、1999年4月15日、講談社発行・講談社文庫あ-79-1)◇若い人々や外国の人々にも配慮した非常に啓蒙的な敬語入門書。ルビ多数。マンガテスト付。            上へ戻る

  (6)音韻 
1、『古代国語の音韻に就いて他二編』(橋本進吉著、1980年6月16日、岩波書店発行・岩波文庫青151-1)◇上代特殊仮名遣いを発見した著者が、その仕組みと上代語の音韻状況を解明した古典的名著。「駒のいななき」「国語音韻の変遷」を併せて収める。
2、『日本書紀の謎を解く』(森博達著、1999年10月25日、中央公論新社発行・中公新書1502)◇日本書紀の記述に使用された漢字の音韻・語法を分析した結果、渡来中国人の著したα群と日本人が書き継いだβ群との混在を解明し、述作者を具体的に推定する。国語学的研究の有効性を遺憾なく発揮した一冊。            上へ戻る

  (7)文字 
1、『日本の漢字』(中田祝夫・林史典共著、2000年5月10日、中央公論新社発行・中公文庫な-47-1)◇「日本の漢字」とその歩みを、古典籍から現代に至る資料を駆使して漢語の造語力・漢文訓読・異字同訓論・日本漢字音の特徴などの広い視点から考察。
2、『現代筆跡学序論』(魚住和晃著、平成13年1月20日、文芸春秋社発行・文春新書149)◇大石内蔵助から現代学生まで筆跡を考察し、筆跡鑑定に言及し、「筆跡学」を提唱する。            上へ戻る

  (8)古典語 
1、『角筆のみちびく世界』(小林芳規著、1989年1月15日、中央公論社発行・中公新書909)◇古典籍に、毛筆とは別に先の尖った角筆によって書かれた、今まで気づかれなかった文字を発見した訓点語研究で知られる著者による、「角筆文献」という新分野の資料発掘の旅における資料との出会いの感動を語る。古文献の調査を志す人には殊に有益な体験も豊富。
2、『『源氏物語』を楽しむ』(山口仲美著、平成9年7月20日、丸善発行・丸善ライブラリー237)◇源氏物語を会話から読む。古典語会話入門の趣の本。語彙についてのトピックスを挟む。
3、『古典文法質問箱』(大野晋著、1998年12月25日、角川書店発行、角川文庫10901)◇「御」の読み方・係り結びの起源・補助動詞と助動詞との違い等の話題を、日本語の発達史などさまざまな視点から説明する、古典文法に親しみを持つようになる一冊。
4、『平安朝文章史』(渡辺実著、2000年11月8日、筑摩書房発行・ちくま学芸文庫ワ-7-1)◇平安朝文章の創造・成熟・終章を、勢語・源語・大鏡をはじめ平安朝の諸作品を通じて説く。            上へ戻る

  (9)近代語 
1、『江戸のおしゃべり-川柳に見る男と女-』(渡辺信一郎著、2000年1月20日、平凡社発行・平凡社新書030)◇江戸の川柳のうち、全て「『おころさん、どうだ』と留守居悪ふざけ」のような口語の会話文を使った作品だけを集めて、家庭内・男女・武家・庶民生活を描いた、会話篇を見るような趣の珍しい一冊。
2、『生きている江戸ことば』(林えり子著、2000年7月22日、集英社発行・集英社新書0045F)◇江戸川柳から拾った江戸語を五十音順に配列して解説。
3、『知って合点江戸ことば』(大野敏明著、平成12年12月20日、文芸春秋社・文春新書145)◇文庫・新書による知識のみで新聞記者が書いた軽い読みもの。
4、『東京語の歴史』(杉本つとむ著、昭和63年1月25日、中央公論社発行・中公新書865)◇東国方言から説き起こし、江戸語の成立・江戸語とその言語文化・近代日本と東京語の世界を豊富な資料で描く。
5、『標準語の成立事情』(真田信治著、1987年3月24日、PHP研究所発行・二十一世紀図書館84)◇方言研究者による、中世末期から近世・近代・現代に至る近代日本語の発展の過程を説いた書。町人たちの日本語談義、「ステーション」が「駅」になった理由、など楽しい話題満載。
6、『脱・標準語の時代』(真田信治著、2000年5月1日、小学館発行、小学館文庫21世紀論点シリーズG)◇「標準語」について、東京語のルーツー近世・国家と標準語ー近代・標準語の完成ー戦後・ポスト標準語ー現代をめぐって方言研究の成果を盛り込んで考察。
7、『現代若者ことば考』(米川明彦著、平成8年10月20日、丸善発行・丸善ライブラリー210)◇若者語の種類・機能・造語法を考察し、若者語に対する大人の誤解を解く。索引付。
8、『日本語ウオッチング』(井上史雄著、1998年1月20日、岩波書店発行、岩波新書(新赤版)540)◇ラ抜きことば・「じゃん」「ちった」「うざったい」「いいべ」「ですか」等の耳新しい現代日本語の変わり行くさまを、方言調査やさまざまな資料を用いて考察。
9、『日本語の現在』(陣内正敬著、1998年11月26日、アルク発行・アルク新書6)◇ら抜きことば、「花に水をあげる」「歌わさせていただきます」「カレシ」と「カレシ」、キャンパス言葉など、日本語の現在と未来とを考える。            上へ戻る

  (10)国語史 
1、『日本語の系統』(服部四郎著、1999年3月16日、岩波書店発行・岩波文庫青685-1)◇日本語の系統論に興味を抱いて言語学を志した著者の系統論に関する論考12編を収める。いずれも研究方法の考察と吟味とにかなり力を入れている。
2、『日本語の年輪』(大野晋著、昭和41年5月10日、新潮社発行・新潮文庫草36A)◇「うつくしい」「かわいい」「あたらしい」など、美・愛するもの・若いひとたち等にまつわる各語の移り変わりを述べた名著。文字と語彙を中心に日本語の変遷を素描した「日本語の歴史」を収める。
3、『日本語の変遷』(金田一京助著、昭和51年11月10日、講談社発行・学術文庫90)◇アイヌ語研究で知られる著者の、該博な学識に基づく「日本語の変遷」「規範文法から歴史文法へ」「新国語の生みの悩み」「日本語の特質」の四編を収める。
4、『いろはうた』(小松英雄著、昭和54年11月25日、中央公論社発行・中公新書558)◇「伊呂波」の古い姿、「大為爾」「阿女都千」へと遡り独自の見解を示し、また、『色葉字類抄』『下官集』『仮名文字遣』以後までの歴史をたどる。源順・源為憲・橘忠兼・藤原定家・行阿などの人間像も描き、日本語史へといざなう。
5、『歴史的仮名遣い』(築島裕著、昭和61年7月25日、中央公論社発行・中公新書810)◇一般には仮名遣いを論ずるのにその歴史を知らない人が多いが、本書は「仮名遣いはなぜ起ったか」から説き起こし、定家仮名遣い、さらに歴史的仮名遣いの発展と定着までを述べ、なお残る問題に触れる。
6、『新編南蛮更紗』(新村出著、1996年3月10日、講談社発行・文芸文庫し-F-4、底本は1953年創元社発行)◇キリシタン資料の研究の先駆者による研究随想。南蛮本(天草版)平家物語など。
7、『ことばの歴史学』(小林千草著、平成10年11月20日、丸善発行・丸善ライブラリー280)◇源氏物語から現代若者ことばに至る滔々と流れることばの大河を、中世語を専門とする著者が言語生活史の観点から語り、人々の生活を眺める。       上へ戻る

  (11)方言 
1、『蝸牛考』(柳田国男著、1980年5月16日、岩波書店発行・岩波文庫青138-7、底本創元叢書『蝸牛考』昭和18年発行、柴田武解説)◇言語地理学を日本に初めて導入し、通信調査による「かたつむり」の方言形の全国分布を解釈して「方言周圏論」を提唱した、古典的名著。
2、『日本の方言』(平山輝男著、★年★月★日、講談社発行・現代新書160)◇著者の長年の調査に基づく日本方言の概観から調査の方法・体験談に及ぶ。方言研究を志す人は必読の一冊。
3、『日本の方言地図』(徳川宗賢編著、昭和54年3月25日、中央公論社発行・中公新書533)◇国立国語研究所の『日本言語地図』全6巻300枚の原図の中から「しあさって」と「やのあさって」「さつまいも」「かたぐるま」「とんぼ」「塩辛い」など代表的な50枚を選び、略図化して方言の分布状況を解釈し、文献資料とつきあわせて歴史的変化のあとを探る。
4、『生きている日本語-方言探索-』(柴田武著、昭和63年7月10日、講談社発行・学術文庫835)◇「しもやけ」と「ゆきやけ」、「サイザー」(サイダー)、「一年生」と「一回生」、「お子たち」などピチピチ生きている元気な方言を、各分野にわたって多数掲げて紹介。
5、『全国アホ・バカ分布考』(松本修著、平成8年12月1日、新潮社発行・新潮文庫ま-15-1)◇TV番組が発端となった調査。方言分布と古辞書類の文献調査を体験できるドキュメント。
6、『大阪弁おもしろ草子』(田辺聖子著、昭和60年9月20日、講談社発行・現代新書786)◇大阪弁の作品で知られる作家が、「よういわんわ」「けったくそ悪い」などの大阪弁のさまざまな姿を自由自在に描く。
7、『大阪弁ちゃらんぽらん』(田辺聖子著、1981年8月10日初版・1997年3月3日改版、中央公論社発行・中公文庫た-28-11)◇「ああしんど」「けったいな」など、大阪弁の魅力を20項目。
8、『笑説 大名古屋辞典』(清水義範著、平成10年3月25日、角川書店発行・角川文庫10629)◇改訂決定版。「おそがい」「おみゃあ」「やっとかめ」など作家による「名古屋語」の語彙。
9、『沖縄の言葉と歴史』(外間守善著、2000年10月25日、中央公論新社発行・中公文庫ほ-7-3)◇日本語の古語が残る沖縄語の語源探索、歴史的変遷、文字文化、現代の表現等にわたり詳述。            上へ戻る

  (12)日本語教育 
1、『外国語としての日本語 その教え方・学び方』(佐々木瑞枝著、19994年4月20日、講談社発行・現代新書1200)◇留学生に対する日本語教育の経験から気づいた日本語の音声・文法・語彙と作文などの謎を解く。文法は特に詳しく三章にわたり、日本語教科書の文法にも言及。
2、『日本語の謎を探るー外国人教育の視点から』(森本順子著、1996年6月20日、筑摩書房発行・ちくま新書072)◇ネイティブの日本人には気付かない日本語の問題点、ハとガ、テイルなど。
3、『留学生と見た日本語』(佐々木瑞枝著、1995年11月7日、筑摩書房発行・ちくま学芸文庫サ-9-1)◇日本語教育の体験に基づく日本語の考察、及び、日本語教師になる方法を述べる。
4、『今日と明日の日本語教育-21世紀のあけぼのに』(J.V.ネウストプニー著、2000年8月8日、アルク発行・アルク新書20)◇著者はプラハ生まれの言語学者。日本語を学習し、教育した経験に基づき、日本語教育の現在を述べ、また世界における状況、将来のあり方を考える。            上へ戻る

  (13)パソコン 
1、『電脳社会の日本語』(加藤弘一著、平成12年3月20日、文芸春秋社発行・文春新書094)◇電脳社会である現代、大きな問題となりつつある電子の文書に保存される文字の文字コード(コンピューターの文字の登録簿)の変転の歴史と現状を紹介。
2、『電子辞典の楽しみ方』(久保田博南著、2000年10月4日、PHP研究所発行・PHP新書127)◇電子辞書のおもしろさと使い方を徹底紹介。            上へ戻る