2 企業の環境対策への取り組み
2−1 ISO9000番台・14000番台の取得状況(問1)
広瀬 健一
[全体の傾向] 全体の傾向としては、9000番台を取得済みが45.5%、9000番台を申請中または準備中が20.0%、14000番台を取得済みが13.6%、14000番台を申請中または準備中が31.4%、どちらにも関心なしが19.5%、無回答が4.5%であった 【単純集計】。なお、表示していないが、これら両方を組み合わせた取得状況は、9000番台・14000番台両方未取得が24.1%、9000番台だけ申請・準備中が15.0%、14000番台だけ申請・準備中が8.6%、両方申請・準備中が4.1%、9000番台だけ取得済みが16.4%、14000番台だけ取得済みが2.3%、14000番台取得・9000番台申請準備中が0.5%、9000番台取得・14000番台申請準備中が18.2%、両方取得済みが10.9%となった。
全体を通してみるとISOを取得している企業が、非常に多い。例えば、9000番台に関しては45.5%もの企業が取得済みと答えており、一般的なISOの取得状況と大きくかけ離れている。これは、ISOを取得していない企業が今回のアンケート自体に回答していないためと考えられる。
[規模別の傾向] 規模別に見てみると、9000番台を取得済みでは、1000人以上が61.8%、9000番台を申請・準備中では、250人未満が29.6%、14000番台を取得済みでは、1000人以上が32.7%、14000番台を申請・準備中では、250~499人が33.3%、どちらにも関心なしでは、250人未満が38.9%、でそれぞれ最も多かった(表2−1−1)。
規模別では、ISOを取得している企業は1000人以上の大きな企業に多く、逆にどちらにも関心なしでは250人未満の企業に多く見られた。これは、ISOを取得するために専門のチームを組む企業が多いことが示すように、人数的に余裕のある企業の方が取り組みやすいということであると考える。
[業種別の傾向] 業種別に見ると、9000番台を取得済みでは、建設業が73.1%、9000番台を申請・準備中では、素材が22.0%、14000番台を取得済みでは、電気・機械が33.3%、14000番台を申請・準備中では、素材が39.0%、どちらにも関心なしでは、サービスが52.5%、でそれぞれ最も多かった(表2−1−2)。
ISOを取得済みまたはISOを申請・準備中では、建設業、素材、電気・機械、に集中しており、逆にどちらにも関心なしではサービス、卸・小売・飲食、がずば抜けている。
[業績別の傾向] 業績別に見ると、9000番台を取得済みでは、好調ではないが51.6%、9000番台を申請・準備中では、好調であるが35.0%、14000番台を取得済みでは、おおいに好調であるが33.3%、14000番台を申請・準備中では、あまり好調ではないが37.6%、どちらにも関心なしでは、好調ではないが29.0%、それぞれ最も多かった(表2−1−3)。
業績別では全体的にばらつきがなく、今回の調査ではISOの取得状況と業績との因果関係はあまり見られなかった。
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