2−3 ISO9000番台を取得した結果の相関関係(問3)
小川 博之
ISO9000番台を取得した結果どうしの相関関係については(表2−3)、まず、顧客満足の向上は、業務効率の改善(0.34)、国際市場の開拓(0.33)、国内市場の開拓(0.36)は、やや弱い正の相関関係を示し、市場競争力の向上の相関だけは、0.41とやや強い正の相関が見られる。
つぎに、業務効率の改善に対しては、従業員の士気向上だけが0.45とやや強く正の相関を示した。
売上の増加は、品質コストの削減(0.52)、市場競争力の向上(0.41)、国際市場の開拓(0.36)、国内市場の開拓(0.47)とそれぞれやや強い正の相関を示した。
品質コストの低減は、経営管理の改善と市場競争力の向上とは、無相関であったが、それ以外は弱い正の相関を示した。
経営管理の改善は、従業員の教育・訓練の改善とは0.31とやや弱い正の相関を示したが、これ以外は無相関に近かった。
市場競争力の向上は、顧客満足の向上(0.41)、売上の増加(0.47)、品質コストの低減(0.41)、国際市場の開拓(0.50)、国内市場の開拓(0.59)とやや強い正の相関を示した。
また、従業員の士気向上は、国内の市場開拓(0.32)と国際市場の開拓(0.28)がやや弱い正の相関を示したが、従業員の教育・訓練の改善は、全くといっていいほど無相関であった。
国際市場の開拓および国内市場の開拓は、ともに他の項目と少なくとも0.20以上の、売上の増加とはそれぞれ0.54と0.55、市場競争力の向上とはそれぞれ0.50と0.59とやや強い正の相関を示した。
このように、ISO9000番台を取得した結果、売上の増加・市場競争力の向上・国内外市場の開拓がともに良くなったことを見ると、私がある程度予想していた結果が出ていた。
Copyright 2000, Hiroyuki Ogawa