3 商品開発戦略商品開発戦略
3−1 商品開発で重視している点(問8)
関口 敏
[全体の傾向]
全体で見ると、すべての分野において重視されている。その中でも特に顧客ニーズが重視されている。商品開発を行う際、他社の商品に負けないように優れた商品、売れる商品を作るのは当然であり、どの企業も力を入れているのが分かる。またその中でも市場の動向を素早く察知して、市場の求めるものをタイミング良く供給していく顧客ニーズの重要性が高まっている。
[企業規模]
企業規模別に見るとつぎのような傾向が見られた(表3−1−1)。
(価格)企業規模に関係なくどの企業も非常に重視している。商品における価格の重要性であろう。
(デザイン)企業規模が250人未満か1000人以上では特に重視されている。小規模な企業は価格などでは大企業にはかなわないのでデザインに独自性を持たせるなどしているのだろう。また大規模な企業では同じレベルの会社との差別化を図るために、他の分野に力を入れた上でデザインにも力を入れているのだろう。
(ネーミング)企業規模に関係なくそれほど重視されていない。ネーミングはそれに独自性を持たせることで目立ち、新商品が知られて売り上げが伸びることもあるが、一般的に知られているわかりやすい名前であることも重要であり、商品によっては特に名前を考える必要がないものもあるため。
(顧客ニーズ)企業規模に関係なく非常に重視している。また他の項目とくらべても特に高くなっている。企業は商品開発において顧客のニーズに応えることが最も重要だと考えていると分かる。
(費用) 企業規模に関係なく重視されている。
(アフターフォロー) 企業規模に関係なく重視されている。
(全体)企業規模とは関係なくどの分野においても企業は重視しており、商品開発の重要性が分かる。
[業績]
業績別に見るとつぎのような傾向が見られた(表3−1−2)。
(価格)業績に関係なく重視している。どの企業も重視する必要があると考えるのは当然か。
(デザイン)全体的にやや重視の傾向にあるが、業績が良いほど重視する傾向にややある。企業としてもそれほど力を入れる必要はないと考えていて、好調でなければ重視しなくても良いと考えているのだろう。デザインによる売り上げの差がわかりにくいことと、商品によっては差がでないことが関係あると思われる。
(ネーミング)それほど重視されてなく、好調でないほど重視されていない。ネーミングが売り上げに直結するとはあまり企業は考えていないのだろう。
(顧客ニーズ) 業績に関係なくどの企業も非常に重視している。
(費用)重視されているが、業績との関連性は少ない。
(アフターフォロー) 重視されているが、業績との関連性は少ない。
(全体)どんな業績においても顧客ニーズの重視性がきわめて高く、業績に関わらず重要なものは重視することが分かる。また、どの分野も業績が良いほど重視する傾向にややある。
[業種]
業種別に見るとつぎのような傾向が見られた(表3−1−3)。
(価格)業種に関係なく重視している。その中でも電気・機械で特に重視されている。これは新製品の開発が早く、それよる旧製品の値下げ等が起こるので、よりよい値段で新製品を提供することが必要だからだろう。
(デザイン) 業種に関係なく重視している。
(ネーミング)どの業種もそれほど重視していない。その中でも素材で重視されていないのは商品そのものの質であって名前を見られることがすくないからだろう。
(顧客ニーズ) 業種に関係なく非常に重視している。その中でも人との関係に一番なりやすいサービス業で最も重視されているのは当然だろう。
(費用)業種に関係なく重視している。
(アフターフォロー) 業種に関係なく重視している。
Copyright 2000, Akira Sekiguchi