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3−4 単独・共同開発比率(12)

岡田 健

 

不況で企業業績が上がらない昨今、新商品開発はより慎重なマーケットリサーチや徹底したコスト削減が求められる。そこで、経営の合理化を図る場合、商品の共同開発などを行えば経費も安くなるし、リスクも少なくなる。12で「貴社は新しい商品を開発する時に単独で開発していますか。それとも他社と共同で開発していますか。また、共同で開発しているならば、共同社は同業種ですか、それとも異業種ですか。総合的に割合でお答え下さい。」と質問した。その結果、商品の単独開発は約7割の企業で、共同開発は約3割の企業で行われていた(表3−4−1)。この質問の仕方では、新商品を分母としたどれくらいの割合が単独開発で、共同開発かがは分からないが(すべての企業が単独開発あるいは共同開発どちらか一方しか行っていないとは思えないので)、思ったより共同開発の割合が多かった。確かに、共同開発の方がより幅の広い視野で企画できるし、経費削減、多くのマーケットでのデータも集まりそうだ。また共同開発においては、グループ内での分社化が進んでいる最近の流れの中で、同じ企業グループ内での共同開発も含まれているかもしれない。そして、共同開発のうち約5割が同業種との共同開発、約4.5割が異業種との共同開発という結果になった。私は、同業種のライバルと組むよりは、異業種のライバルとの方が組みやすしと考えていたが、やはり長年その業界に携わってきた経験の蓄積の方が、実戦力になるのだろう。しかし、より斬新で大胆な新商品が生まれると言う点では異業種との共同開発も方法の一つとなるだろう。最近は、花王、松下、アサヒビール、トヨタ、近畿日本ツーリスト異業種五社による[WiLLプロジェクト]が行われ、その成否が今後の商品開発に影響を与えるかもしれない。

 

Copyright 2000, Takeru Okada

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