貴社では価格設定をどのようにされていますか、という問いに対しての単純集計結果は、すべての商品に標準小売価格を設定している、という回答が42.3%とおよそ半数であった。もっとも少なかったのはすべての商品をオープンプライスにしている、という回答の16.5%であった。しかしこの割り合いは一部の商品をオープンプライスにしている23.7%とあまり変わらない。一部という表現はほとんどすべてという可能性もあるので会社による価格設定はおおまかには標準小売価格かオープンプライスに設定していると推測できる。
同業他社の企業とはどのような点で差別化していますという問いに対しての単純集計結果を見ると「力を入れていない」という回答は、タレントの使用(62.9%)、路上宣伝(57.7%)、CM(47.4%)は大半の企業が力を入れていないという結果であった。「明確に差別化している」と「かなり差別化している」という回答の合計が比較的高い割合であったのはカスタマサービス(52.6%)と説明書の詳細さ(41.3%)であった。この結果わかることは、企業は宣伝よりもお客にたいしての、商品にお金を出してくれた人に対するサービスに差別化し力を入れているということがわかった。
価格設定(問14)別にマーケティング戦略(問15)のクロス集計を行った結果、つぎのようなことが判った(表4-3-1)。
『価格設定の基準』
価格設定とオープンプライス
価格設定は、すべて標準小売価格という企業が一番多い。すべてオープンプライスにしている企業は少なく、一部オープンプライスにしている企業のほうが多いことがわかる。
価格設定と説明書の詳細さ
説明書の詳細さについては、大多数の企業が力を入れているということがわかる。
価格設定とキャッチフレーズ
標準小売価格で販売している企業は、オープンプライスの企業よりキャッチフレーズに力を入れていることがわかる。
価格設定とタレントの使用
大多数の企業がタレントの使用に力をいれていない。このことから、価格設定とタレントの使用はあまり関係ないということがわかる。
価格設定と口コミ
価格設定において、口コミはどちらともいえないという企業が大半である。
価格設定と路上宣伝
路上宣伝をしていないという企業がほとんどである。
価格設定とcm
CMを入れていない企業が多い。標準小売価格で販売する企業は、CMに力を入れているということがわかる。
『事業内容別集計』
『金属』すべてを標準小売価格と設定している比率が高い。業界全体を見てオープンプライスの採用率は高いと言える。
『機械』オープンプライスを使っている比率が一番多い。しかし、標準小売価格を使って
いる比率も高い。
『電気』オープンプライスと標準小売価格を使っているバランスが一番高い。このバランスにより、効率化を図っているのであろう。
『精密』あまりオープンプライスは使われてない。オープンプライスを使うより、小売価格を適用したほうが消費者に直感的に伝わるからだろう。
『その他製造』小売価格がやはり多くしめる。割合的には、業界全体の割合と同じくらい
の割合であり、バランスが取れている。
『通信』通信業界というだけあり標準小売価格で売り出されるということは稀なのかもしれない。
『情報』標準小売価格を積極的に取り入れているようである。オープンプライスにも、
を興味示していることに気づく。
『全体』やはり全体的に標準小売価格を使っているところが大半である。オープン価格と
の併用によって効率化を図っていると見受けられる。
『価格設定と人材の関係』
クロス集計の結果から見てわかるように、人材が育つ否かは、すべてオープンプライス、一部オープンプライスにおいて大体、半々の意見が得られた。すべて標準小売価格に設定している会社は人材は育つとは関係していないとしている。全体として価格設定は人材とはあまり関係がないようだ。
表結果
すべてオープンプライスでは 人材が育つとは関係ないとしている割合は43%人材が育
つと考えている割合は56%若干育つ割合が強い。
一部オープンプライスでは 人材が育つと関係していない割合は52%、育つと思われ
る割合は47%とあまり変わらない。
すべて標準価格では 人材が育つと考えてない割合は63%、育つ割合は36%
と育たないと答えてる割合はほかの価格設定のところより
強い割合を示した。
全体では 人材が育つとは関係ない56%育つと関係している44%と
トータルでみると人材が育つ関係と価格設定は関係ない色が
強い。
この二つの問いをみてわかることは一般的に会社は標準小売価格を設定し消費者に安く商品を提供し宣伝よりも消費者に対するサービスにこだわりを持つ消費者主義的なマーケティングをしている事がわかりました。
Copyright 2002, Kyouhei Tamura, Takashi Hashitani, Kazuyuki Matsuo, and Masahiko Murai