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楠 次郎・6-1.意図せずに売上が増加した商品の有無(問12)

楠 次郎

 問12は全社を対象として「ワールドカップを意図して開発した商品ではないのに、ワールドカップの影響を受けて売り上げが増加した商品がありましたか」と質問した【単純集計】の結果は、「いいえ」が90.2%で、「はい」すなわち「ワールドカップを意図して開発した商品ではないのに、ワールドカップの影響を受けて売り上げが増加した商品があった」という回答が8.5%であった。
 業種別に見ると【表6-1-1】、「はい」という回答は小売・卸売では9.3%と若干多く、外食と食品製造ではともに7.7%であった。
 規模別に見ると【表6-1-2】、「はい」という回答は1000人以上では15.3%と一番多く、500〜999人では6.7%、200〜499人では9.2%であり、200人未満では2.0%と最も少なかった。このような結果は、従業員規模が大きい企業であれば、製造・販売している商品の種類が多いために、予想外の売上を上げることができた可能性が高かったことを示していよう。

 「はい」と回答した企業に対してはさらに「またそれはどんな商品でしたか」と自由回答方式で質問した。自由回答の記述があったのは16社で、これらうちの3社が「ビデオテープ」と回答し、のこりの13社の回答はそれぞれ1社ずつであった。自由回答に興味深いものがあったので、ここで紹介しておこう。「アイスクリーム(トルコ風アイス等)」という回答があり、トルコ風アイスとはドンドルマというバニラアイスであるが、お餅のように伸びるという特徴を持っている。このトルコ風アイスが予想外に売れたという因果関係は、紛れもなくトルコが3位入賞したという、「予想外」の健闘によるものであるだろう。また「キムチ コチジャン 韓国食材など」という回答もあり、これはワールドカップを念頭において製造・販売したわけではもともと製造・販売していた商品であったが、韓国との共同開催の結果、予想外の売上を示したという例であろう。

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