まず【単集集計】を見て、「食べないようにしている」に注目すると、ダイエット食品が37.7%と最も高く、鶏肉とパンが2.6%と最も低い。なお、調査票には明記しなかったが、ダイエット食品は昨年世間を騒がせたインターネットで販売された中国産のやせ薬の利用者が、肝機能障害に陥ったケースを想定していた。ここで、ダイエット食品が最も高い数字を出した事がそれを指しているとは言い切れない。学生の健康志向を反映した結果であるとも考えられる。又、パンの場合は、パンに用いられている外国産小麦粉に残留農薬が含まれているケースを想定していた。これも前者と同様にそのケースが2.6%を導き出したとは、言い難い。それは、問10の8)パンへの対応と問11の2の残留農薬を含む食品への関心クロス集計(表2-1)を見ると、パンを食べないようにして、残留農薬に関心の無いタイプが0.0%だからである。
メディアの利用頻度類型(類型化の方法)別のクロス集計をもとに(表2-2)
、まずは、非常に関心があるに注目すると、遺伝子組み替え食品の場合、テレビ・新聞派17.9%と書籍・雑誌・ネット派33.3%に格差が見られた。残留農薬を含む食品の場合、前者の12.8%と後者の20.5%と大した差は見られないが、書籍・雑誌・ネット派の方が上回っている。水銀を含んだ食品の場合、12.8%と15.4%に差はないが、書籍・雑誌・ネット派の方が上回っている。発ガン性物質を含む食品の場合も、17.9%と23.1%と書籍・雑誌・ネット派の方が上回っている。保存料を含む食品の場合も17.9%と20.5%で書籍・雑誌・ネット派の方が上回っている。
しかしながら、大量の食品添加物を含んだ食品と合成着色料を含む食品の場合は逆になる。大量の食品添加物を含んだ食品の場合、33.3%と23.1%とテレビ・新聞派の方が上回っており、合成着色料を含む食品の場合も23.1%と20.5%とテレビ・新聞派の方が上回っている。
書籍・雑誌・ネット派の方が上回っている食品とテレビ・新聞派の方が上回っている食品とのメディアでの取り上げられ方の違いに差はあるのだろうか。
【単純集計】では、知っている46.4%で、知らない50.3%で、スローフード運動の認知は、五分五分であった。
さらに、メディアの利用頻度類型別のクロス集計をもとにメディアの利用頻度とスローフード運動における認知の有無の関連性を見てみると(表2-3)、どちらも利用しない派は、知らない方が、25.8%と上回っている。また、テレビ・新聞派や書籍・雑誌・ネット派もそれぞれ知っている方が、2.5%、7.6%と上回っている事から、両者は関連性があると読み取れる。しかしながら、どちらも利用する派は、知らない方が6.0%上回っているから、前述のように関連性があると断言する事は不可能になるだろう。
また、スローフード運動と問14の7)飲食店を利用しないようにしているとの間の関連性をみるためにクロス集計を見た(表2-4)。スローフード運動を知っていて飲食店を利用しないようにしているのが、4.3%であるのに対し、運動を知らなくて飲食店を利用しないようにしているのが7.9%である事は、スローフード運動自体を知っていたとしても、その後に影響を及ぼすとは限らない。又、同様にスローフード運動を知っていると答えた人全員が、本当にその中身まで知っているとは言い難い。
まず、【単純集計】結果をもとに、問14の中で最も多いのが55.0%で3)原材料表示や消費期限や賞味期限を確認するであった。しかしながら、約半分もの人が確認さえもせずに食品を買っているという事実に驚きである。さらに、9)食品の問題に目を向けるようにしているのが25.2%である事も驚いた。
さらに、メディアの利用頻度類型別のクロス集計表をもとにして(表2-5)、食品問題に目を向ける中で最も多いのがテレビ・新聞派の34.2%である事は納得がいく。やはり、新聞では多く取り上げられたし、テレビではワイドショーで特集が組まれていた事も多かった。しかしながら、食品問題に目を向けるのに、どちらも利用しない派がどちらも利用する派を5.3%上回っている事から、必ずしも食品への関心とメディアの利用に関連があるとは言い切れない事になる。
次に、5)ブランド名をあてにしないようにしている と問10の1)雪印乳業の乳製品、2)日本ハムの牛肉との関連をクロス集計で見た(表2-6)。すると、両者共に食品のブランドをあてにしてもしなくても、以前と変わらず食べ続けるのが圧倒的に多い。しかし、日本ハムの牛肉の場合は、食品のブランドをあてにしない人が、以前と変わらず食べ続けるのが47.6%と他と比べて圧倒的に少なく、食べないようにしているのが28.6%とこれもまた、圧倒的に多い。ここから、食品のブランドをあてにしないと日本ハムとの関連は強いと考えられる。