度数分布(単純集計) (FREQUENCIES)
【用途】度数分布は量的変数の単純集計であるが、量的変数の場合でも集計することが多い。つまり、データ入力が終了したら、まず、全変数の度数分布をとることが多い。
【データ】ここでは、國學院大学 経済ネットワーキング学科「社会経済調査ⅡA・B」1999年度「企業の環境対策への取り組みと商品開発戦略についての調査」 【を開く】の問20【を開く】の度数分布を示す。
【手順】(SPSS23-29版でもほぼ同一)
29版 | 15版 |
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図1 [記述統計]→[度数分布表]の選択 |
28版 | 15版 |
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図2 [度数分布表]ダイアログ・ボックス |
22版 | 15版 |
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図3 [度数分布表:統計]チェック・ボックス |
【デフォルトの出力】度数分布の標準出力統計量は、(左側から)変数値(指定があれば変数値ラベル)、度数、パーセント(=欠損値を分母に含む相対度数)、有効パーセント(=欠損値を分母から除去した修正相対度数)、累積パーセント(=累積修正相対度数)である。
【出力例】
表1 は欠損値、変数・変数値ラベルを定義していない「悪い例」である。表1 の1行目には、変数ラベルを定義していないため、変数名「q20」が表示される。左から1列目は無回答を欠損値として指定していないため、すべての変数値が「有効」となる。2列目には、変数値ラベルを定義していないため、変数値「1.00」~「9.00」が表示される。3列目には「度数」、4列目には「パーセント」、5列目には「有効パーセント」、6列目には「累積パーセント」が表示される。表1 では「無回答=9」を欠損値定義していないため、「パーセント」と「有効パーセント」とが等しくなる。
表1 欠損値、変数・変数値ラベルを定義していない度数分布表の出力例(21版)
q20 | |||||
  | 度数 | パーセント | 有効パーセント | 累積パーセント | |
有効 | 1.00 | 3 | 1.4 | 1.4 | 1.4 |
2.00 | 40 | 18.2 | 18.2 | 19.5 | |
3.00 | 49 | 22.3 | 22.3 | 41.8 | |
4.00 | 93 | 42.3 | 42.3 | 84.1 | |
5.00 | 31 | 14.1 | 14.1 | 98.2 | |
9.00 | 4 | 1.8 | 1.8 | 100.0 | |
合計 | 220 | 100.0 | 100.0 |   |
表2 は欠損値を定義していない「悪い例」である。表2 の1行目には、シンタックス例の表4【を開く】1行目のように変数ラベルを定義したため、変数ラベル「業績」が表示される。左から1列目は無回答を欠損値定義していないため、すべての変数値が「有効」となる。2列目には、変数値ラベルを定義したため、変数値ラベルが表示されてわかりやすい表となった。3列目には「度数」、4列目には「パーセント」、5列目には「有効パーセント」、6列目には「累積パーセント」が表示される。表2 では「無回答=9」を欠損値定義していないため、パーセントと有効パーセントとが等しくなる。
表2 変数・変数値ラベルを定義したが、欠損値を定義していない度数分布表の出力例(21版)
業績 | |||||
  | 度数 | パーセント | 有効パーセント | 累積パーセント | |
有効 | おおいに | 3 | 1.4 | 1.4 | 1.4 |
好調である | 40 | 18.2 | 18.2 | 19.5 | |
良くも悪くもない | 49 | 22.3 | 22.3 | 41.8 | |
あまり | 93 | 42.3 | 42.3 | 84.1 | |
好調ではない | 31 | 14.1 | 14.1 | 98.2 | |
無回答 | 4 | 1.8 | 1.8 | 100.0 | |
合計 | 220 | 100.0 | 100.0 |   |
表3 は欠損値および変数・変数値ラベルを定義した「良い例」である。表3 の1行目には、変数ラベルを定義したため、変数ラベル「業績」が表示される。左から1列目は無回答(=9)をシンタックス例【を開く】のように欠損値定義したため、無回答を除く変数値だけが「有効」となる。2列目には、変数値ラベルを定義したため、変数値ラベルが表示されてわかりやすい表となった。3列目には「度数」、4列目には「パーセント」(=欠損値を分母に含む相対度数)、5列目には「有効パーセント」(=欠損値を分母から除去した修正相対度数)、6列目には「累積パーセント」(=欠損値を分母から除去した累積相対度数)が表示される。統計量2行目の「好調である」という回答は40人であるため、3列目の「度数」には「40」、4列目の「パーセント」(=欠損値を分母に含む相対度数)には「18.2」=(40/220)*100、5列目の「有効パーセント」(=欠損値を分母から除去した修正相対度数)には「18.5」=(40/(220-4))*100、6列目の「累積パーセント」(=欠損値を分母から除去した累積相対度数)には「19.9」=1.4+18.5、という統計量が表示される。
表3 欠損値、変数・変数値ラベルを定義した度数分布表の出力例(21版)
業績 | |||||
  | 度数 | パーセント | 有効パーセント | 累積パーセント | |
有効 | おおいに | 3 | 1.4 | 1.4 | 1.4 |
好調である | 40 | 18.2 | 18.5 | 19.9 | |
良くも悪くもない | 49 | 22.3 | 22.7 | 42.6 | |
あまり | 93 | 42.3 | 43.1 | 85.6 | |
好調ではない | 31 | 14.1 | 14.4 | 100.0 | |
合計 | 216 | 98.2 | 100.0 |   | |
欠損値 | 無回答 | 4 | 1.8 |   |   |
合計 | 220 | 100.0 |   |   |
表4 は図3 [度数分布表:統計]チェック・ボックス で指定した平均値、中央値、標準偏差の出力である。
表4 度数分布表の追加統計として平均値、中央値、標準偏差を指定した出力例
統計量 | |||
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度数 | 有効 | 216 | |
欠損値 | 4 | ||
平均値 | 3.5046 | ||
中央値 | 4.0000 | ||
標準偏差 | .99766 |