【趣旨】
宗教文化を学ぶ場は、神社仏閣、キリスト教会、モスクといった宗教施設にとどまらない。街のいたるところにあるといえるだろう。その一つがミュージアム(博物館や美術館)である。日本には、博物館類似施設も含めると公私あわせて5,000以上の博物館がある。その多くが歴史に関わる展示を中心とするものとなっており、宗教文化に関わる展示も少なくない。近年では、「阿修羅展」や「大神社展」といった日本の伝統的な宗教文化に関わる展示に多くの人が訪れたことも話題になった。
今回のフォーラムでは学びの場としてミュージアムをとらえ、実際にミュージアムを授業に活用している事例や、展示作品を授業で取り上げている例、また海外で日本文化を学ぶときに、ミュージアムやその展示品がどう活用されているか、などの報告を得て、情報を交換し合い、今後の活用方法の展開について議論する。
さらにデジタル時代という状況を鑑み、比較的規模の小さい博物館や宗教施設に付属の博物館などでもできる試みや、新しい活用方法など、すでに行われている事例や今後の展望なども議論する。
【日時】2014(平成26)年9月27日(土)13:00~17:40
【場所】國學院大學渋谷キャンパス 学術メディアセンター1階 常磐松ホール
【主催】國學院大學研究開発推進機構日本文化研究所
【共催】科学研究費補助金 基盤研究(B)「宗教文化教育の教材に関する総合研究」・宗教文化教育推進センター(CERC)
【パネリストと発題タイトル】
- 高橋徹(株式会社ATR Creative)「地域文化の発見的伝承―スマートフォン時代の文化資料デジタルアーカイブの活用―」
- 上西亘(國學院大學)「神道・神社博物館の課題と展望―インターネットを中心とした博物館情報・メディア構築について―」
- Alan Cummings(University of London, UK)「日本文化史の授業とミュージアム―大英博物館の場合―」
- Samuel C. Morse(Amherst College, USA)“Religious Art, the Museum, and the Digital Age”
【コメンテーター】 牧野元紀(公益財団法人東洋文庫)
【司会】 井上順孝(國學院大學)