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國學院大學 研究開発推進機構 日本文化研究所 国際研究フォーラム「東アジアのグローバル化と宗教文化」(+ 同 東アジア国際ワークショップ)

本フォーラムの趣旨

グローバル化と高度情報化は1990年代以降いっそう進展し、われわれの生活を大きく変えつつある。旅行、出張、留学などで日本から国外へと出かける人も国外から日本へ来る人の数も増え続けている。訪日外国人の数は2015年に2000万人近くに達した。日本に定住する外国人の数も着実に増加している。こうした状況は、日本人がこれまでになく多くの宗教文化を直接的に体験する機会をもたらしている。  また、ハイパー宗教と称されるような、それぞれの国の伝統的な宗教組織とほとんど接点のない新しい団体も各国で登場している。オウム真理教はその一つであるが、1995年に地下鉄サリン事件を引き起こし、これが日本で「カルト問題」が社会的に大きく注目される契機となった。2001年には、イスラム過激派組織によるアメリカで同時多発テロ事件が起き、各地にイスラムフォビアを生じさせる一因となり、日本でもイスラム教に警戒感を抱く人が増えた。  このような状況の中で、人々の宗教への意識もさまざまに変化していることが考えられる。とくに若い世代の意識のあり方には関心が抱かれる。このフォーラムではグローバル化によって、具体的にどのような宗教問題が顕在化しているか、また人々の宗教観にどのような変化がみられるかといったテーマで、東アジアという地域に的を絞って考えてみたい。 東アジアは、大乗仏教や儒教、道教などの影響を古くから受けてきたが、近代にはキリスト教も一定程度定着し、新しい宗教が次々の生まれ、最近においてはイスラム教も影響を及ぼし始めた地域である。どのような現象がそれぞれの国や地域特有のものか、また共通してあらわれているのはどのような現象か、そうしたことを中心に議論していく。

【日時】 2016(平成28)年10月16日(日) 13:00~17:30

【場所】 國學院大學渋谷キャンパス 学術メディアセンター1階 常磐松ホール

【パネリスト】

  • Benjamin Penny(Australian National University, Australia)
  • Wei-hsian Chi(Academia Sinica, Taiwan)
  • 川田進(大阪工業大学)
  • 井上順孝(國學院大學)

【コメンテーター】 岩井洋(帝塚山大学)

【司会】 櫻井義秀(北海道大学) *使用言語:日本語・英語(同時通訳付)

【プログラム】
(※各報告は報告30分+質疑10分)
13:00~13:10 趣旨説明
13:10~13:50 第一報告:川田進「中国共産党の宗教政策とグローバル展開」
13:50~14:30 第二報告:井上順孝「日本の若者は宗教をどう見ているのか―20年にわたる意識調査をてがかりに―」
14:30~14:50 休憩
14:50~15:30 第三報告:Wei-hsian Chi “Religious “Modernization” and Challenge in Post-war Taiwan”
15:30~16:10 第四報告:Benjamin Penny “Changes in the Chinese Religious Landscape since 1999”
16:10~16:20 休憩
16:20~16:30 コメント
16:30~17:30 総合討議

主催:國學院大學研究開発推進機構日本文化研究所

書籍での刊行

国際研究フォーラム「東アジアのグローバル化と宗教文化」報告書