戸田義雄編、発行:大明堂、1982年
概要
國學院大學日本文化研究所のプロジェクトの一環として、國學院大學創立百周年にあわせて出版された。日本におけるカトリック作家の活躍ぶりは、戦後、現代日本文学の見事な開花であると称しても過言ではない。そして、この開花の土壌造りは、日本カトリシズムの熟成と極めて密接な関係にあると考えられる。
カトリシズムの日本に於ける土着化が揺るぎないものとなった姿を、それの成熟化と呼ばせてもらうとすると、日本カトリシズムの成熟化こそは、神ある日本文学の見事な開化現出したのだという視点が結論としてだされている。
目次
まえがき
I. 神聖性の母胎と「愛」の位相ー井上洋治神父にみるキリスト教の土着化
II. 遠藤周作・信仰と文学のはざまで一一日本カトリック作家の誕生
III. 渇きをみたすもの一高橋たか子の世界
IV. シンポジウム 日本カトリシズムの原点と熟成
日本カトリシズムと「母性的宗教」覚書ーあとがきに代えて
参考文献
索引