戸田義雄編、発行:大明堂、1986年

概要

 國學院大學日本文化研究所の共同プロジェクトの成果報告。日本におけるキリスト教摂取の問題に焦点をあてて、国文、キリスト教、比較文学の各専門分野の諸氏による学際的な共同研究の成果である。
 ヨーロッパの言語環境のなかで育まれたキリスト教が、日本文化の中でどのように位置づけられ受容されていったのかということを解明していくと共に、具体的に亜細亜学園の創立者・太田耕造、玉川学園の創健者・小原國芳の両氏のそれぞれの「隠れた信仰次元」を探る。

  1. キリスト教と日本文化の文化内開化―井上洋次治の「場の神学」への思索にみられる日本的宗教心の原型(戸田義雄)
  2. 一 太田耕造―その教育理念と思想信念(夜久正雄)
    二 太田耕造―その聖書信仰と国家理念(石川耕一郎)
    三 高士・太田耕造―地下水としてのキリスト教信仰(戸田義雄)
    四 小原國芳―そのキリスト教信仰と教育理念(新井智)
  3. 一 植村正久の女性観―季野夫人をめぐって(小田桐弘子)
    二 正宗白鳥・『内村鑑三』にみる信仰観(永藤武)
    三 人間の心の果てなる溶暗―正宗白鳥の魂の行方(永藤武)