小林宏・高塩博編、発行:創文社、1996年
概要
現在、細川家の永青文庫には、熊本藩関係の膨大な史料が遺されている。本書は同文庫所蔵の史料を基本として、その他の機関の所蔵する熊本藩法制史の中から特に「刑法草書」を中心に刑事関係の基礎的史料を選んで編集したものである。
編集に際しては2部構成をとり、第一部では「刑法草書」の立法に関する史料を、第二部では「刑法草書」の運用に関する史料をそれぞれ収録している。
史料翻刻の他に巻頭には解題として、高塩博執筆の「刑法草書」成立過程に関する論考1篇を、巻末には解説として小林宏が「刑法草書」制定の法的意義に言及した論考と、高塩博の熊本藩徒刑制と幕府人足寄場創設との関係を考察した論考の2篇を附載している。
目次
序(小林宏・高塩博)
解題I 熊本藩「刑法草書」の成立過程(高塩博)
解題II 史料解題(高塩博)
第一部 1. 寶暦四年捧呈、同五年施行の刑法草書
2.寶暦十一年施行の刑法草書の草案
3.寶暦十一年施行の刑法草書
4.天保十年施行の御刑法草書附例
附録 刑法新律草稿
第二部
解説I 熊本藩「刑法草書」私考(小林宏)
解説II 熊本藩徒刑と幕府人足寄場の創始(高塩博)