國學院大學日本文化研究所編、発行:國學院大學日本文化研究所、1999年、337 + viii頁
概要
國學院大學日本文化研究所では、平成2年の秋から、春、秋各々4回の「日本文化を知る講座」を実施している。この講座は、本学の教員、特に日本文化研究所の専任および兼任のスタッフが中心になって、その研究成果を社会に還元するものである。
第1集では、第1回(平成2年秋季)から第10回(平成7年春季)までの講座の概要を掲載している。
目次
『日本文化を知る講座』第一集の発刊にあたって(阿部美哉)
□第一回(平成二年秋季)
新宗教を通して見た現代日本人の宗教意識(井上順孝)
明治期における日本文化の激変ーー文明開化は日本人の生活文化にどのような影響を与えたのか(阪本是丸)
稲作と日本文化――山の祭と田の祭(茂木栄)
古代人の宗教生活(椙山林継)
□第二回(平成三年春季)
日露戦争後の社会と文化――近代日本の精神主義と刹那主義の相剋(阪本是丸)
現代沖縄の祭祀(斎藤ミチ子)
熊本藩刑法に見る法の変革(高塩博)
戦後の日本社会と新宗教(井上順孝)
□第三回(平成三年秋季)
考古学資料に見る地域性――横穴式石室を例として(椙山林継)
「国府祭」について(茂木栄)
東京方言をめぐって(久野マリ子)
アメリカ人から見た日本の伝統と現代(ヘィヴンス・ノルマン)
□第四回(平成四年春季)
神と仏のシンクレチズム(佐藤眞人)
都市の歳時記――移り変わる日本人の宗教生活(石井研士)
マスコミ報道に見られる宗教観(井上順孝)
神まつりの方式――大祭式の順序と意味(平井直房)
□第五回(平成四年秋季)
江戸時代の神葬祭(椙山林継)
将軍様の法律学――徳川吉宗と中国法の受容(高塩博)
近世都市江戸の祭り――山王祭と神田祭(岡田莊司)
江戸の学問――家学からの脱皮(森瑞枝)
□第六回(平成五年春季)
アメリカのポピュラー・カルチャーにおける日本(へィヴンス・ノルマン)
和魂洋才の風景――近代化をめぐるエピソード集(大原康男)
ヨーロッパ人の宗教観(磯村尚徳)
海外を目指す日本宗教(井上順孝)
□第七回(平成五年秋季)
近代の伊勢神宮と式年遷宮――国家の宗祀と国家の祭祀(阪本是丸)
古代の式年遷宮について(岡田莊司)
考古学資料から見た御神宝(椙山林継)
神宮に見る文化の源流(中西正幸)
□第八回(平成六年春季)
中世から見た物語の神々(飯沼清子)
この世のはじまりの男と女――日本神話から(中村啓信)
祭―神生れの演出(茂木栄)
神道の「神」(上田賢治)
□第九回(平成六年秋季)
法と宗教の共生を考える――政教分離の遠景と近景(大原康男)
法意識の東西――日本とフランスの比較(磯村尚徳)
江戸時代における近代的刑罰――自由刑の成立と展開(高塩博)
日本の法文化とレトリック(小林宏)
□第十回(平成七年春季)
癒しを求める心と体(弓山達也)
誓約の作法――「ユビキリ、ゲンマン」の歴史(千々和到)
往来物に見る庶民教化(木野主計)
教室で語られる神仏――宗教教育のゆくえ(井上順孝)
あとがき(井上順孝)
執筆者紹介