國學院大學日本文化研究所編、発行:國學院大學日本文化研究所、2006年、B6判321頁

概要

 國學院大學日本文化研究所では、平成2年の秋から、春、秋各々4回の「日本文化を知る講座」を実施している。この講座は、本学の教員、特に日本文化研究所の専任および兼任のスタッフが中心になって、その研究成果を社会に還元するものである。
 第3集は、第21回(平成12年秋季)から第30回 (平成175年春季)までの講座の概要を掲載している。

目次

はじめに(井上順孝)

□第二十一回「制作者が語る民俗文化の映像記録」(平成十二年秋季)
放送文化としての映像記録――「ふるさとの伝承」の場合
  上映作品「死者に会う時」(松井孝司)
博物館の映像記録、その理論と実践――江戸東京博での映像制作
  上映作品「佃住吉神社例大祭」(東京都佃島) (孝寿聡)
研究・教育活用としての映像記録――大学での制作実践
  上映作品「山の祭」(長野県天龍村) (茂木栄)
民俗芸能研究の映像記録――研究成果の表現
  上映作品「本海番楽」(鳥海山麓に伝わる修験の舞) (高山茂)

□第二十二回「武蔵国と考古学」(平成十三年春季)
水辺に見る縄文社会の終焉(山内利秋)
渋谷の考古学(粕谷祟)
武蔵の国の横穴墓(杉山林継)
古代武蔵の役所(平野卓治)

□第二十三回「儀礼食の領域と展開」(平成十三年秋季)
道教の祭りと供物(浅野春二)
節供と食(城崎陽子)
牧畜社会の儀礼食――モンゴルの正月行事から(齋藤ミチ子)
にっぽん洋食物語(小菅桂子)

□第二十四回「アメリカと対峠した昭和史の主人公たち」(平成十四年春季)
日露戦争後の日米関係――協調関係の模索とその限界(高橋勝浩)
石原莞爾ーー世界最終戦争論と満州事変(野村乙二朗)
東郷茂徳――開戦・終戦・東京裁判(柴田紳一)
昭和天皇――象徴天皇の誕生と皇室外受(高橋紘)

□第二十五回「日本文化と渋谷」(平成十四年秋季)
渋谷の禅寺(金嶽宗信)
渋谷に移転して八十年――國學院のいまむかし(益井邦夫)
渋谷風土記(杉山林継)
鎮守の森と地域社会(平岩昌利)

□第二十六回「メディアの発達と日本文化の変容」(平成十五年春季)
民間信仰におけるメディア――伊勢信仰を中心に(ヘィヴンズ・ノルマン)
写真はコトバをつくった――画像資料にみる近代の構築(山内利秋)
〈徳〉を伝えるメディア――伝記・言行録と庶民教化(黒崎浩行)
伝統文化とインターネットの出会い(宇野正人)

□第二十七回「『神道は、今…」――多彩な宗教性と話題を呼ぶ政治性」(平成十五年秋季)
北海道の神社創建と展開(茂木栄)
神道だけがなぜ標的?――政教関係の“日本的解決”に向けて(大原康男)
地域コミュニティと神社の機能――ある神社における神事復元の試み(齋藤ミチ子)
「国家神道」研究の現状(阪本是丸)

□第二十八回「江戸の神道文化――布教と講説をめぐって」(平成十六年春季)
春満、江戸に下る(松本久史)
「通俗道徳」と神道教化(浅山雅司)
平田国学と神々への信仰(遠藤潤)
陰陽師の実態と神々(林淳)

□第二十九回「聖地・熊野の生活と信仰」(平成十六年秋季)
中世熊野の戦う人々――熊野水軍の軌跡をたどる(高橋修)
近世熊野の産業と生活――紀州藩の産業政策と関連して(笠原正夫)
熊野信仰の展開――縁起と曼荼羅を通して見た(宮家準)
熊野参詣道と人々の暮らし――巡礼の道と生活の道(藤井弘章)

□第三十回「國學院大學の学問世界の巨人たち①」(平成十七年春季)
柳田國男――その歴史観(高見寛孝)
石川岩吉(柴田紳一)
折口信夫(小川直之)
武田祐古――『神と神を祭る者との文学』を中心に(城崎陽子)

あとがき(柴田紳一)

執筆者紹介