國學院大學日本文化研究所・民俗文化財研究協議会編、國學院大學日本文化研究所、平成11年(1999)

概要

 「祭礼行事シリーズ」として、記録映画「見付天神裸まつり―海と山との交歓」を素材に制作したもので、かつて遠江国の国府がおかれていた磐田市見付に鎮座する矢奈比売神社(見付神社)と、国府総社である淡海国玉神社との間で神様が渡られる祭の紹介である。古代、全国の国府で行われていた共通の要素の残滓と神観念の片鱗を伝えており、日本の町の祭の構造の一類型をみることができる。
 「序」では、鎮座地磐田市と裸まつりの起源といわれる「しっぺい太郎伝説」の紹介をする。第一部は、「矢奈比売天神裸祭の実相」を5日間の祭の様子を時間をおって、キーワードと映像で解説している。第二部の「見付天神裸祭のコスモロジー」では、祭の行事構成を追いながら、図を用いた分かり易い解説がなされている。