國學院大學日本文化研究所編、発行:國學院大學日本文化研究所、1990年、B5版142頁
概要
プロジェクト「黒潮文化圏の言語研究」成果刊行書。南琉球方言の八重山方言に属する竹富島方言の記述的研究。
- 久野眞「音韻体系の記述」:鼻母音音素、喉頭化子音を認める。喉頭化子音も存在は与那国方言へのつながりを示すもので、中舌母音の衰退とともに、竹富方言が石垣方言と与那国方言との中間の存在であることを論じた。
- 大野眞男「音対応と音変化」:本土方言の5母音に対して南琉球方言は3母音の体系を認めることができる、特に本土方言との対応関係を明らかにした。
- 久野マリ子「アクセント体系の記述」:竹富方言のアクセント体系は、二型アクセントである。言い切りのアクセントと文のアクセントが規則的にアクセント格の交代をすることを見つけた。
- 杉村孝夫「動詞・形容詞の活用」:竹富方言の活用についての記述的研究はこれがはじめてである。
- 大野眞男「竹富の昔話」:竹富島は昔話の島として有名である。音声記号に共通語訳をつけた。
目次
はしがき(久野マリ子)
話者一覧
竹富島方言の音韻体系(久野眞)
音対応と音変化(大野眞男)
アクセント(久野マリ子)
動詞・形容動詞の活用(杉村孝夫)
竹富の昔話(大野眞男)