バリアフリーへの取り組みについて、(後述する問16から問21の他に)問1でも「貴社は商品を開発するとき、つぎのことをどの程度重視していますか」という質問の項目として、12)高齢者にとっての使いやすさ・13)障害者にとっての使いやすさ、の2項目を設けた【調査票と度数分布】。「非常に重視している」に1点、「重視している」に2点、「どちらともいえない」に3点、「あまり重視していない」に4点、「重視していない」に5点を与える5点尺度により平均値を算出し、(表1-4)の「全体」列に表示した単純集計の結果、 高齢者にとっての使いやすさ(2.74)の方が障害者にとっての使いやすさ(2.95)よりも平均値が低く、障害者と比べれば高齢者を重視している傾向が見られた。
規模別の平均値を見ると(表1-4)、 高齢者にとっての使いやすさ・障害者にとっての使いやすさともに、100人未満(2.75・3.20)、100〜299人(2.88・3.06)、300人以上(2.20・2.25)の順で平均が低く、規模が大きいほど高齢者や障害者を重視しているということがわかった。 クロス集計を見ると(表1-5)、300人以上の会社ではそれらの商品開発を重視していないと答えている企業は0社であることから、規模が大きい会社ではどんなひとも幅広く使えるバリアフリーの商品開発に力を注いでいて、逆に規模が小さい会社では、専門分野など特定の人をターゲットにした商品開発が行われているのではないかと推測できる。
業種別の平均値を見ると(表1-6)、 高齢者にとっての使いやすさ・障害者にとっての使いやすさともに平均値が2.22と一番低いことから、バリアフリーの商品開発を一番重要視しているのは建設業という結果が得られた。また、建設業では高齢者も障害者も重要さが同じだったのに対し、他の企業では高齢者を重視している傾向があることがわかった。クロス集計を見ると(表1-7)、建設業では高齢者にとっての使いやすさ・障害者にとっての使いやすさともに30.8%と「非常に重視している」が他の業種に比べて多いうえに、「重視していない」と回答した企業が0社であった。
創業年別の平均値を見ると(表1-8)、1949〜1968年に創業した企業では、高齢者にとっての使いやすさが2.57、障害者にとっての使いやすさが2.70と、両方を重視した商品開発をしていた。